2010年5月27日

【アンカリング効果】なぜ「お金」で人を動かすことはできないのか?

● 今回のテクニック:【アンカリング効果(8)】

アンカリング効果とは、最初に示された情報が頭に残り、その後の判断に影響
を与えることを言う。
 
このアンカリング効果を利用し、相手の発言を誘導させるテクニックを使う。
逆に影響を与えさせないようにするためには、他者の意見に左右されないよう、
いっせいに紙に書かせるなどのテクニックが有効だ。
 
※ しっかりアンカーさせるためには、冒頭に有無を言わせないような態度と
裏づけのある事実をもって説明するとさらに効果的である。

※ 詳しくは → http://attax-sales.jp/blog/000195.html


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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「今日、集まってもらったのは他でもない。営業のモチベーションをアップ
させるためには、いったい何が必要なのか。これを皆で意見を出し合い、議
論したい。いいな」


営業マン全員:
「はい」


マネージャー :
「それじゃあ、まず俺からの意見だ。ハーズバーグの理論からしても、報酬
や待遇で人の行動が変わるのはその一瞬だけだと言われている。これはもう
昔から言われてることだから、皆も当然知っているよな? だから動機付け
になるのは、やはり仕事の遣り甲斐、達成感だ。きちっと目標ノルマを全員
で達成させようという気持ち、風土が重要だ。こう思う。それじゃあA君か
ら聞いていこうか」


営業マンA :
「あ、はい……。ええと、私もマネージャが仰るように、給料とかインセン
ティブでモチベーションが上がるかというと、そうではないと思います。そ
れよりも、仕事をやっていてい楽しいとか、自分が必要とされてるか、そう
いうことを感じられるかが重要だと思います」


マネージャー :
「なるほど、B君は?」


営業マンB :
「ま、私も……ですね。前は報酬についてアレコレ言った時期はありました
が、マネージャが言われるとおり、達成感だと思います。目標ノルマをきっ
ちりやることで結果的にやる気がアップすると」


マネージャー :
「C君は?」


営業マンC :
「私も、AさんやBさんが言っていた通り、遣り甲斐かな、と」


営業マンD :
「私も遣り甲斐があるか、が意欲につながってくると思います」


マネージャー :
「(BもCもDも、以前は給料が少ないからどうのと言ってたじゃねーか
!) ……それで? E君はどうだ?」


営業マンE :
「私は前から言ってますように、任せられたことをしっかりやって私自身が
その仕事を通じて成長を実感できたかどうか、これが動機付けに関わって
くると言い続けてきました。BさんやCさんはボーナスのこととか評価のこ
とをよく口にしてましたけど」


営業マンB :
「そんなこと言ってないって」


営業マンC :
「それは……飲み会の席で『ノリ』で言ったんじゃないかな、と思います。
もちろん給料は多いほうがいいですけど、もちろんそれだけじゃあ、ねえ」


マネージャー :
「じゃあ、みんな俺と同じ意見ってことだな。やっぱり目標達成に向けて何
をやり切るのか、どうすれば成長を実感できるのか、について話し合おう
か?」


……有名な「ハーズバーグの二要因理論(動機付け・衛生理論)」を、下記の
記事で解説しています。

モチベーションに関係なく、仕事をしている以上「やるべきこと」はあるはず
です。意欲は関係ありません。ビジネスをしている以上「やるべきこと」とい
うのは、必ずどこかに存在するのです。

それを定量表現してモニタリングしてみてください。それを継続していくこと
により、確実に「小さな成功体験」が積み重ねられていきます。

そして成長を実感することができます。


● 参考記事『社員のモチベーションは年収・インセンティブ次第? 』
http://attax-sales.jp/blog/000443.html


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【編集後記】

前回の編集後記に予告したとおり、今日は先週5月21日に終了した大きな
営業革新プロジェクトを率いたPJリーダーに関することを書きます。

その方とお会いしたのは、2008年4月21日です。

この日を、私はこれまで一度も忘れたことはありません。

東京で開催した有料セミナーに、そのPJリーダーの方は大阪方面からわざ
わざ足を運んで参加してくださりました。

セミナー受講者の誰よりも早く会場に現れ、演台の近くでセミナーの準備を
している私のところへ一直線に歩いてきて挨拶されました。もうそのときか
ら、この方の熱意みたいながビンビンと伝わってきて、圧倒されるものを感
じていました。

その方はセミナー受講者とも積極的に意見交換されていました。さらにセミ
ナー終了後に受講者の方々と飲みにいき「どうすれば営業組織を変えられる
のか」ということを熱く議論したのです。(なぜ知っているかというと、私
も部下と同じ居酒屋へ飲みにいって偶然出くわしたからです)

その方の年齢は私とほぼ同じ、当時37歳ぐらいだったと思います。職位は
大企業の課長職程度。営業をバックでサポートする部隊の長ではあるものの、
とてもその企業の改革を牽引できるほどのポストにいるとは思えませんでし
た。

ですからビジネスライクに書きますと、その方とどんなにお付き合いしても
私のビジネスにはつながらないと最初から割り切っていました。

ところが、です……。

その方は、ありとあらゆる手を使って組織を動かしていくのです。細かいこ
とは割愛しますが、私も日立製作所にいた人間ですので、大企業の中での
「立ち回り」について少しは心得ているつもりです。

だから私にはわかるのです。どれぐらいその方の行動が常軌を逸していたか、
を……。

まさに執念、と言えるでしょう。

「出る杭は打たれる」と言われるように、その方は組織の中で「営業改革の旗
揚げ」に賛同しようとするリーダークラスを味方につけようと全国を飛び回
るのですが、いろいろな部署の偉い方から横槍が入って、幾度も突き上げた
拳をおろさせられそうになります。

それでも、まったく諦めません。

何が彼をそうさせるのか? まるで私には理解できませんでした。(という
か、今でもよくわかりません)

そうすることによってご本人の出世に繋がるかというと、とてもそのように
は見えないのです。悩んでる営業を何とかラクにさせたい、一所懸命やって
いる営業が報われるような組織に変えたい、ただそれだけの信念で動かされ
ているのです。

その年の半年後、私どもの支援がスタートしました。

当時、私は今のように年間100回もセミナーをやるような人間ではありま
せんでした。このメルマガの読者も200名ぐらいしかいなかったでしょう。
そんな私を、よくもまぁこんな巨大企業が雇ってくれたと思います。

それから約1年半が経過しました。

営業革新プロジェクトがはじまってからも試行錯誤の連続。社内で協力者は
増えていっても、彼が強烈なリーダーシップをとれるポジションにいないた
め、上役に理解を促すために駆けずり回ることもありました。大きな壁にぶ
つかって先が見えなくなり体調を崩されたこともありました。

個性的な私のキャラクターをもてあますこともあったでしょう。

それでもこのプロジェクトを成功に導いたのです。私は断言します。

今期からそのプロジェクトは強力な推進者の下で第3ステージへと突入する
段取りができたからです。会社側が正当な評価をくだしたあらわれでしょう。
これだけの巨大な企業が、こういった革新プロジェクトを一過性なものとせ
ず、永続的に存続させるという決断をしたことは大変意味のあることです。

全国の営業課長を中心とした革新の輪は広がり、行動改革の「習慣」は定着
しています。

今年の1月だったか。プロジェクト定例会で大阪を訪れていたときのことで
す。冬でも暖かい日でした。

その企業の大阪支社周辺で、その方と昼食をとりました。その後、支社のオ
フィスに戻る際、その方にこう言われました。

「今日は天気がいいですね。少し外を歩きましょうか」

私は「ハイ」と答えました。

1月なのに、本当に暖かい日でした。その方と二人で外を歩いていても、何
も交わす言葉はありません。言葉は交わさなくてもいいような、そんな雰
囲気だったのです、そのときは。

ずっと私の頭にあったのは、この企業の支援終了までに残された月日はあと
わずかである、ということでした。

私はこのとき、しばらくこの方と外を歩いていたいな、と思いました。時間
が止まったらいい、とそう感じていました。

同じ目的をもって2年近く一緒に歩んできました。何度も衝突しました。お
互いのプライベートな悩みも分かち合いました。

その「戦友」との別れが近付いている。

そう考えると、久しく感じたことのないセンチメンタルな気分になったので
す。

今後この先、この方と同じぐらいに燃えてともに仕事をする人と出会えるの
だろうか? と考えたりしました。

そういう「出会い」が今後もビジネス上にあると私は素晴らしいと捉えてい
ます。

最近はセミナー講師業が多くなってきました。ほとんど一方的に話して終わ
りです。あとは経営者やマネージャの皆さんに任せた、という感じになりま
す。ですから、こんなメランコリーは「現場」に入らないと味わえないもの
ですね。

人間ひとりに与えられた時間は有限です。どうせやるなら燃えている人と仕
事をしたほうがいいです。楽しいですしね。「遣り甲斐」と「達成感」そし
て自分の成長を実感することができます。

※ ちなみに、私の妻とお付き合いしているとき「このまま時間が止まったら
いいのに……」と思ったことは一度もありません。なんでだろう、こんなに
愛しているのに。空気みたいな存在だからだろうか?

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