2010年9月9日

【Iメッセージ】都合の悪いことは耳に入らないのはなぜか?「選択的認知」

● 今回のテクニック:【Iメッセージ(8)】

Iメッセージ(アイメッセージ)とは、「私」を主語にして相手の行動を促す
メッセージ。相手が行動することによって「私」がどう感じるのかを言葉で表
現することにより、相手が自主性を失わず承認に結びつく。コーチングの基本
テクニックであり、会話の中にさりげなく織り込むのがコツ。

反対にYOUメッセージ(ユーメッセージ)とは、「あなた」を主語にするメ
ッセージ。例えば「早くやりなさい」「報告・連絡・相談をしっかりしろ」
「きっちりやるように」などである。「私」と「あなた」との繋がりが断絶さ
れているので、相手に抵抗が生まれ、反発が生まれやすい。

※ 詳しくは → http://attax-sales.jp/blog/000136.html


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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「なかなか業績が回復しないから、9月からは営業の行動量をアップする。
この施策だけでまずはいこうと思う。原点回帰、基本に立ち返るということ
だ。とにかくお客様とのコンタクト件数を増やしていこう! 頼むな」


営業マン :
「かしこまりました」


マネージャー :
「君は上半期よくやってくれた。特に勉強会の講師として時間を割いてくれ
たことは課長として本当に助かった。感謝しているよ。でも勉強会ばかりに
時間を費やしていても業績アップは難しいから、9月からはいったん終了さ
せ、その時間はすべて顧客訪問に割り当てていってもらいたい。いいかな?」


営業マン :
「はい。ありがとうございます」


マネージャー :
「君に相談せずに決めてしまったけれど」


営業マン :
「いえいえ、それはかまわないです。うちの課の連中も勉強会はためになっ
た、と言ってくれたんですよ。講師としての経験も今後役に立っていくと思
います」


マネージャー :
「そうか」


営業マン :
「この前、社長からもトイレで偶然会ったとき、ごくろうさんて言われまし
た。社長もご存知だったんですね。私が講師として力を入れていることを」


マネージャー :
「うん……。まあな。(社長が、あんな勉強会なんて無駄だからすぐにやめ
させろと言ったんだが……。コイツは真意をわかってるのだろうか?)」


営業マン :
「勉強会はなくなっても、必要なことだから上半期に実施した10回の勉強
会の資料をさらにわかりやすくまとめるつもりです」


マネージャー :
「ん? 勉強会の資料をまとめる?」


営業マン :
「ええ。そのほうがいいじゃないですか。勉強会はなくなってしまうでしょ
うが、必要なことなんだし」


マネージャー :
「いやいや。そうではなくって、さっき言ったじゃないか。そういう時間が
あるならお客様とのコンタクト回数を増やしていこうって」


営業マン :
「え、それは……」


マネージャー :
「えーっと……。さっき俺が言ったことに対してうなずいたじゃないか。か
しこまりましたって言ったよね?」


営業マン :
「いや、そんなこと言われましても……。実際にはもっともっと知識を身に
つけていかないと、僕ら若手はお客様のところへ行っても何も答えられない
んですよ。知識がなければお客様の信用をなくすことになりますしね。コン
タクト件数を単純に増やせって言われても……」


マネージャー :
「先日の営業企画部がまとめた調査結果をどう受け止めているんだ? お客
様が当社の営業に求めるものの第1位が『顔を見せること』だったよね?
最近、おたくの営業は全然来なくなった。誰が担当かも思い出せないという
不満がお客様の声としてあがってるんだよ。聞いてただろ?」


営業マン :
「そりゃあ、そうかもしれませんが……。でもこういう報告もあったかと思
います。もっと提案力を磨いて欲しいって。知識がなければ提案力はアップ
しませんよ」


マネージャー :
「その声も確かにあった。しかし調査全体の10%も満たない。当社の商材
で提案型営業して受注できるものは売上構成比からして30%もないことは
知ってるだろう。ほとんどがリピートオーダーなんだ。重要なことはお客様
との関係性構築。誰が担当かもわからないなんて言われるなんて営業部にと
っては致命的だよ」


営業マン :
「うーん……」


マネージャー :
「君が上半期、勉強会の講師としてがんばっていたことは知っている。もと
もと俺が頼んだことだからな。だがな、それはそれとして、下半期から君が
率先的にお客様とのコンタクト件数を増やしてくれると、俺は【本当に嬉し
いよ】」


営業マン :
「そう、ですか……」


マネージャー :
「講師としてやってきた君が率先してお客様を回ったら、他の課の連中も自
発的に行動を変えてくれると思うんだ。そうなると俺は【本当に嬉しい】。
逆に君みたいな意識の高い人が会社の方針と異なることをすると皆も戸惑う
と思うし、そうなると俺は【本当に悲しい気分になる】」


営業マン :
「そうですか。はい、わかりました。そうですよね。……何とかやってみま
す」

……前号で書いた、「問題は当事者が認めるまで悪化する」と組み合わせて、
この「選択的認知」という言葉を覚えていただきたいと私は思います。

コンサルティングをしていてつくづく思い知らされるのが、話を聞いている人
がこちらの意図をちゃんと受け止めてくれない、という事実に何度もぶつかる
ことです。

無意識のうちに都合の悪いことを排除して「認知」しているため、実際に行動
させると、お互い合意したはずのことをしてくれずに周りが慌ててしまいます。

この「選択的認知」について理解しておかないと、問題を問題として認めるこ
とはありませんから、取り返しがつかないことになるまで悪化させることにな
ります。

まさに「虫歯」と一緒です。

そうならないためには、正しく見える化する「仕組み」が必要です。

そして何より重要なことは「運営ルール」。下記セミナーで徹底的に解説いた
します。

来年まで有料セミナーはありませんので、直前までご案内していきます!


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  仕組みとコミュニケーション、モチベーション管理を徹底解説!』
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【編集後記】

最近、あるブログ経由で「五体不満足」の乙武洋匡さんのある手記を読みま
した。

2003年6月10日の記事ですからかなり古い。しかしながら、この手記
にはとても考えさせられるものがあり、編集後記で紹介したいなと私は思い
ました。

感動したとか、凄いなと思ったとか、そういうことではありません。

私は20年前から知的障害者のボランティア活動に関わっています。その体
験があるから特別な思いを抱いたのか、というとそういう短絡的なことでも
ありません。

言葉では表現できない、何か突き動かされるものを感じさせる何かがこの手
記にはあります。とりあえず読んでいただけますでしょうか。

以下が、乙武洋匡さんの「2ちゃんねる」という題名の手記です。


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ある日、ホームページにこんなメールが届いた。

【掲示板最大の2ちゃんねるで、名誉毀損されています。犯人を突き止めて、
名誉毀損で訴えてください】

そこに記されていたアドレスをクリックすると、ニュース仕立ての「書き込
み」がなされていた。

「東北地方に起こった大地震により、タレントの乙武さん(27)の家に火災が
発生した。26日午後9時20分、乙武さんの家は全焼し、丸焦げになった乙武さ
んの遺体が発見された。調べによると、妻の仁美さんはすでに脱出しており、
なぜか逃げ遅れた乙武さんは自力でドアを開けられず、車椅子ごと火だるま
になって発見された模様」

誰もが自由に書き込みできる匿名掲示板「2ちゃんねる」において、僕は不
思議と愛されているようで、これまでも何百回となく殺されている。だから、
今回だって特に驚きはしない。いつものことだから。

そりゃ、ヘコむ。いい気持ちはしない。その書き込みを見た友だちは、気遣
いの言葉をかけてくれる。

「そんなの気にするなよ」
「無視するに限るよ」

彼らの忠告はありがたいけれど、僕はあえて気にするようにしている。せっ
かくボロクソに書いてもらっているのに、無視するのはもったいないから。

読者やファンの人から送られてくるメールや手紙は、そのほとんどが僕を誉
めそやすものだ。街を歩けば、「いつも観てますよ」「勇気をもらってま
す」。

若い女の子にキャーと言われれば、やっぱり悪い気はしない。仕事先にはス
タッフがいて、いつも気を遣ってもらっている。暑くないか。寒くはないか。
のどが渇いてはいないか。黙っていても、快適な環境が自然と用意される。

若くして世に出てしまった僕に強く物が言える人がいないのは、僕にとって
大きな不幸だと思っている。僕はそう強い人間ではないから、時折、このま
ま傲慢な人間になってしまわないだろうかと不安になることがある。

そんなとき、僕はパソコンを開き、「お気に入り」のフォルダから「2ちゃ
んねる」を選び出す。僕を悪く言う人々の書き込みを読む。薬みたいなもの
かもしれない。

それまで持っていた自信や自尊心といったものが一気に崩れ去り、代わりに
謙虚な心が入り込む。泣きたくなることもある。でも、それくらいがちょう
どいいと思っている。

彼らの文言は、あまりに心なく、的外れなものが多い。

けれども、時に足元を見つめさせてくれるものもある。「あんな文才のない
やつが」と書かれれば文章を磨くことに貪欲になれるし、「障害があること
以外に何のウリもない」と指摘されればウリを作ろうと必死になれる。

匿名だからこそ好き勝手に書けるけれど、匿名だからこそ本心が出る。僕を
よく思っていない人たちの存在を知り、意見を聞くことで、見たくない自分
の姿が見えてくる。そこから目をそらすことの方がよっぽど簡単でラクなこ
とだとはわかっているけれど……。

名誉毀損をちらつかせながら彼らを黙らせることは、確かにできるのかもし
れない。でも、それでは単に彼らの口を閉ざしたに過ぎない。誹謗中傷する
人々の気持ちを少しでも変えるよう努力する。それは、僕にとって意味のな
いことではない。

− − − − − − − − − − − − − − − −


……ここまでです。

私は現在、ほぼ毎日のように人前に立って話をしています。

乙武洋匡さんと比較などできませんが、それでも年間、数千人の人の前で話
すようになりました。

しかも私のセミナーパフォーマンスは独特で、年々激しさを増しています。

その激しさのせいもあるのか、昨年、1度だけアンケートに大きく「バッテ
ン」を描かれたことがありました。

今年の春ぐらいでしたか、東京でセミナーをやったときアンケートに一言
「へたくそ」と書かれたことがあります。

しかし、それぐらいです。

あれだけハイテンションなセミナーをやっても批判的な態度をとる人は不思
議なぐらいに少なく、概ね好意的に受け止められています。

たまにテンションが低いと、「今日は元気がなかったですよ!」とお叱りの
メッセージがツイッター経由で届くぐらいです。

しかし「2ちゃんねる」に書かれるほど私は有名人ではありませんので、こ
んなものでしょうね。

出る杭は打たれる。

これからさらに知名度が上がれば打たれることも多くなるでしょう。しかし
自分自身が謙虚になるために必要な経験だと受け止めるようにします。

すべての事柄に、肯定的意図があるのですから。

※「肯定的意図」というのはNLPの基本概念のひとつ。私はこの言葉が本
当に好きです。

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