2010年8月27日

【ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック】なぜ営業は「やる気」に左右される職種なのか?

● 今回のテクニック:【ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック(8)】

ドア・イン・ザ・フェイス・テクニックとは、はじめに本当に頼みたい事柄よ
りもかなり負担の大きな依頼をし、一度断られてから本当に頼みたいことを伝
えるテクニック。

最初に提示した情報が頭に残り、その後の判断に影響を与えるアンカリング効
果の一部と考えてもよい。

依頼者が一端譲歩すると、ついつい相手も譲歩してしまうことを「譲歩の返報
性」と言うが、これを利用ししている。

※ 「フット・イン・ザ・ドアテクニック」の反意語。

※ 詳しくは → http://attax-sales.jp/blog/000198.html


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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「この前の面接のときに、どうしても『やる気』が出てこないという話があ
った」


営業マン :
「はい」


マネージャー :
「今もか」


営業マン :
「はい……」


マネージャー :
「このアンケートの、給料や評価、職場環境、それぞれの項目にはチェック
入ってない」


営業マン :
「ええ。別に待遇に関して不満を覚えたことはありません」


マネージャー :
「待遇への不満と仕事に対する『やる気』に因果関係があると思うか」


営業マン :
「そりゃ、待遇に不満があったら、やる気もそれなりに落ちるんじゃないで
しょうか」


マネージャー :
「考え方は人それぞれだな」


営業マン :
「はァ……。どちらにしても、なかなか目標のノルマを達成させることがで
きないんで、けっこう苦労しています。本当にこの仕事があってるのかどう
かって考えることもあります」


マネージャー :
「俺が今期に掲げた方針を覚えてるか」


営業マン :
「あ、ハイ。成果は気にするな。正しいプロセスで仕事しよう、ですね。毎
日朝礼で言ってますので刷り込まれました」


マネージャー :
「さっき目標ノルマを達成できないからどーのこーのって言ってただろ。な
ぜだ?」


営業マン :
「え? そりゃあ、営業ですからノルマに向かっていくのは当たり前のこと
で……」


マネージャー :
「じゃあ俺が言ったプロセスっていうのはどうなってる」


営業マン :
「もちろん意識しています。十分じゃないかもしれませんが、以前よりも営
業プロセスを気にして取り組むようになりました」


マネージャー :
「具体的には? 定量表現してくれ」


営業マン :
「具体的、ですか……。たとえば、お客様のところへ訪問する際にはしっか
り準備するようになったとか。訪問後はなるべくお礼のメールを書くように
なったとか」


マネージャー :
「……とか、……とか、という表現はやめようか。何度もアドバイスしてる
だろう。ハッキリしろ、ハッキリ。それに俺は定量表現しろって言っただ
ろ」


営業マン :
「あ、はい……。すみません。気をつけます」


マネージャー :
「期限と行動量を宣言して100%やり切れ。9月の1ヶ月間、見積り10
件もらってこい。そのために営業企画が開発した『30分プレゼンKIT』
を使った提案活動を倍の20件やってこい。そのための訪問を20倍の40
0件」


営業マン :
「よ……よんひゃっけん……です、か? いえいえいえいえ……。ちょっと
待ってください。そんなことしたら会社での仕事ができなくなりますよ」


マネージャー :
「会社での仕事って何だ」


営業マン :
「そりゃあ、見積り資料の作成とか、総務への提出資料作りとか」


マネージャー :
「だから、……とか、……とかっていう話し方はやめろ。アシスタントのT
さんがいるから全部頼んでおく。直行直帰も許すから完遂しろ」


営業マン :
「ちょ……ちょっと待ってください。7月、8月の訪問件数が40件ぐらい
なんです。それをいきなり10倍だなんて……」


マネージャー :
「お前……。よく言うなァ。言ってることが論理的に全然つながってないん
だよ。目標ノルマがなかなか達成しないからやる気があがらんとか、何とか、
さっき言ってただろう? このままの成績だったら1ヶ月10件見積りもら
っても達成しない状況なんだぞ。見積り獲得件数と訪問件数のコンバージョ
ン率を調べたら400件まわるしかない」


営業マン :
「そうは言われましても……」


マネージャー :
「そうは言われましてもだとォ? アレも嫌だ、コレも嫌だって……。それ
でやる気が上がりませんだなんてよく言えたもんだ。ええ? 他の営業は毎
月200件まわってノルマこなしてんだ。にもかかわらず誰ひとりとして
『やる気』がどーのこーのなんて口にする奴はいない。お前だけ、な・ん・
だ・よっ! やる気だなんて意味不明の言葉を使って行動するかしないかを
左右させる奴なんてよ」


営業マン :
「す、すみません」


マネージャー :
「営業は不確実性の海の中で泳いでんだ。誰も○○をやれば確実に成果が出
る、なんて法則をもってない。だからPDCAサイクルをまわすんだろ?
違うか?」


営業マン :
「はい……」


マネージャー :
「成果は確実に出ないかもしれんが、行動したら『行動したという事実』は
確実に残る。それを積み重ねろ。今期方針で発表したとおり成果は求めない。
だけどプロセスは絶対だ」


営業マン :
「わ、わかりました」


マネージャー :
「400件はキツイかもしれないから100件でいい。100件は絶対にま
われ」


営業マン :
「ひゃ、100件でいいんですか? ……わかりました! 絶対に訪問しま
す。いえ……できればもっとまわってきます」


マネージャー :
「結果は後からついてくんだよ。まずは行動する習慣を身につけろ」

……私が有料セミナーやDVDでお話をさせていただいている『確実性』と
『不確実性』の話です。

営業部は他の部門と異なり、ノルマ達成を強く求められるのですが、確実なこ
とがないのが特徴です。拠り所がないのです。

ですから「感情の揺れ」に行動が左右されやすいのですよね。

この厄介な感情のコントロールができなければ営業という仕事を続けることは
できません。やはり、解決方法は「習慣化」なのです。

習慣という「心の仕組み」を手に入れましょう!


● 参考記事『どうして営業は「やる気」に左右されて仕事をするのか?』
http://attax-sales.jp/blog/000501.html


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【編集後記】

自分が「常識」だと思っていることと、他の人が「常識」だと思っているこ
ととが異なることってありますよね。

その事実を知ると一瞬頭が「真っ白」になります。しかし、この経験はけっ
こう面白いので、そのようなことを発見すると誰かに伝えたくなるのは私だ
けではないでしょう。

愛知県の豊橋市というところに私どものお客様がおり、私は月に1回豊橋を
訪れます。

お客様のところへ行くためには、豊橋駅からタクシーを使うのですが、この
とき違和感を覚えることがたびたびあるのです。

それは……。

「若い女性」のタクシー運転手が多い、ということです。

何度か、大学を卒業したばかりの女性ドライバーに乗せてもらったことがあ
ります。後部座席から運転手を見ると、非常に初々しく、部下と一緒にいて
も会話が止まって見とれてしまうこともあります。

私だけ、ではないと思うのですが、タクシー運転手というと中高年の男性
(たまに女性もいますが、やはり中高年の方々)が多いと思います。そうです
よね?

東京でも名古屋でも大阪でも、その他の地方でも、私はいろいろとタクシー
に乗る機会がありますが、20台前半の女性がハンドルを握っている姿を見
たことがありません。

ところがこの豊橋では、何度もそういうドライバーに会う機会がありますの
です。そこであるとき、中高年男性の運転手にそのことを質問してみました。

すると……。

「ウチの会社のドライバーは150人ぐらいいますけど、その40%は女性で
すよ。ほとんど若い人ですね」

「え、本当ですか? でも、それはどうしてなんですか?」

「どうして? どうしてって……」

そこでこの運転手の方は苦笑しました。どうして「海は青いのですか」と質
問されているかのような、常識的なことを聞かれて困っているという風でし
た。

「なんでしょうなァ、給料がいいからでしょうかね。そんなこと考えたことも
ありませんよ」

え? 給料がいいから?

しかし、タクシー運転手ってけっこうハードな仕事じゃないか?

長時間も乗車待ちをしなければならなかったり、心無い乗客に嫌がらせを受
けたり……。現実はわかりませんが、そのようなイメージからして若い女性
が選ぶ仕事として何かふわしくないような気がしていたのです。

これは、まさに私の先入観ですね。

豊橋では仕事がなく、大学を出ても、若い女性にはなかなか就職先がないの
で、やむなくタクシー運転手を選ばざるを得ない状況にあるのか……なんて
仮説を私はもっていたのですが、どうやらそうでもないようです。

普通のことなのですね。

妙な先入観を持ってはいけません。

先日「ケンミンSHOW」という番組で、『豊橋カレーうどん』が紹介され
ていました。カレーうどんの底に、「ご飯」と「とろろ」が入っていて、ミ
ルフィーユのように、いろいろな味が何層にも重ねられているうどんだそう
です。

噂には聞いていましたが、まだチャレンジしていません。今度行ったときは
是非とも試したいですね!

愛知県では名古屋市や豊田市のほうが知名度がありますが、豊橋は愛知第2
の都市です。今まで私個人は縁遠い場所でした。しかし今後はますます豊橋
が好きになりそうです。(苦笑)

ローカルネタで失礼しました。

※ いつも新鮮な驚きがあるので、「ケンミンSHOW」は大好きな番組です。

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※ モチベーションという名の「感情の揺れ」に左右されることなく、目標を
安定的に維持できる思考パターンへ変革させることが、このDVDの目的です。

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