2010年11月13日

【時間的フレーミング】「死ぬ気でやること」を定量表現する

● 今回のテクニック:【時間的フレーミング(6)】

時間的フレーミング(テンポラルフレーミング)とは、時間の単位を変えて表
現することにより、敢えて物事の捉え方を変えさせることをいう。

大きな期間で表現するよりも、小さな時間の単位で伝えたほうが、より具体的
で身近に感じられるため説得効果が高まる。

会議の終了間際にコミットメントをとる場合に使うと、非常に有効である。誰
でも簡単に使えるテクニックであり、セルフコーチングにも役立つ。

※ 詳しくは → http://attax-sales.jp/blog/000269.html

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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「何? どうしたら死ぬって?」


営業マン :
「いや、そんなコミットメントしていませんよ。死ぬ気で今年の目標は達成
しますと言ったわけでして」


マネージャー :
「つまり目標を達成しなかったら死ぬってことだろ?」

営業マン :
「うーん、そんな極端な話はやめてくださいよ。死ぬ気ではがんばりますか
ら」


マネージャー :
「よく言うよ、お前が九州にいたころ、部下たちにさんざんそう言ってきた
んだろ? ノルマが達成しなければ生きてる価値がないって。お前のせいで
若いもんが4人やめたって本当か?」


営業マン :
「部長、そんな誤解はやめてください。こんな私でも九州支店では課長だっ
たんですから、プライドを傷つけるような言い方はよしてください。降格つ
いでに本社に戻されて、生き恥さらしてるような身なんですから」


マネージャー :
「意気込みや能書きなんてどうだっていいんだよ俺は。死ぬ気で目標達成さ
せんだろって、聞いてんだ」


営業マン :
「そうです、死ぬ気でやりますって。うるせーよイチイチ」


マネージャー :
「今期の数字、あとどれぐらい残ってんだ」


営業マン :
「7000万だよ」


マネージャー :
「予材は?」


営業マン :
「予材? ……9200万」


マネージャー :
「は? 予材は目標の2倍積んどくんだったよな?」


営業マン :
「やりますよ。あと4800万」


マネージャー :
「いつまでに?」


営業マン :
「え? 年内には何とかします」


マネージャー :
「意気込みを聞いてんじゃねーつってんだろっ! どうやって年内に480
0万の予材を仕込むんだ? お前の平均予材単価は?」


営業マン :
「う……。だいたい200万、です」


マネージャー :
「それじゃあ24個の予材を上積みするんだろうな? だけど年内に消えて
なくなる予材もあるんだよ。それを加味すると30は上積みする。それでい
いな?」


営業マン :
「ええ……」


マネージャー :
「年末はあてにならん。あと30日営業日があるとして、毎日1つは予材を
上積みする。そのペースでいいんだな?」


営業マン :
「毎日ひとつ、か……」


マネージャー :
「お前のスケジュール見ると、年内に有給休暇とる予定が2日ある。研修で
潰れる日が1日。そしてこれまでクレーム処理で丸々1日おじゃんになった
日も2週に1回というアベレージだから、5日間はあてにできない。つまり
あと30日じゃなくて25日だ。そうだろ?」


営業マン :
「25日……」


マネージャー :
「お前のアプローチ件数に対する予材獲得のコンバージョン率は知ってる
か? ここ1年で8%だ。つまりあと30の予材を仕込むためには、375
件アプローチしないと駄目」


営業マン :
「375件? 25日で?」


マネージャー :
「1日15件だ。割り算ぐらいすぐできるようになれ」


営業マン :
「15件?」


マネージャー :
「当然、お客様との商談プロセスが進行すれば、それなりの準備と調査、社
内作業も増えるだろう。だが……」


営業マン :
「はい?」


マネージャー :
「死ぬ気でやろうと思えばできないこともない」


営業マン :
「そりゃ……」


マネージャー :
「お前、九州じゃあ、部下にアホだのボケだのと言ってさんざん小突きまわ
したそうだが、そんな接し方がで部下の行動が変わるはずがない。ちゃんと
数字に落として共有しないとPDCAサイクルをまわせないだろう? 定量
表現できないすべての行動は改善できない。改善できないような行動をさせ
ているということはマネージャとしてのアドバイスが不適格だ、ということ
だ」


営業マン :
「わかりました……。有給休暇も研修も返上していいですか? とにかくや
ります」


マネージャー :
「休暇はちゃんととれ」


営業マン :
「無理だって」


マネージャー :
「前の部下の再就職先、斡旋するために休もうと思ってんだろ? それはち
ゃんとやれ。責任感じてんだろ?」


営業マン :
「……」


マネージャー :
「15件のうち、5件は俺が担当する。だから死ぬ気で予材を積むんだ」


営業マン :
「部長が? なんでですか? 部長だってプレイングマネージャでしょ?
ご自分のノルマもあるはずじゃあ?」


マネージャー :
「馬鹿やろう、わからんか?」


営業マン :
「え……」


マネージャー :
「俺はお前の上司だからだ」

……「予材管理」の概論を聞いたことがない人は、少し理解しづらい会話文だ
ったかもしれません。

私どもは、目標予算を達成させるために目標の「2倍」の材料を仕込んで半年
から1年単位でモニタリングする「予材管理」の手法を推奨しています。

ひとりひとりの営業の頭の中身だけでなく、「気合」と「根性」まで定量表現
させることができるため、非常に有効なマネジメント手法です。

「予実管理」と違って、過去ではなく【未来】を管理するテクニックです。

ただ、概略だけわかって実践してもうまくいかないのがほとんどでしょう。

予材を2倍保有といっても、年間アベレージが2倍でないと数字はいきません。
2倍のまま何ヶ月も予材をキープしてしまっては理論的に達成しないからです。

組織で目標を達成させる「予材管理」のすべての薀蓄を下記DVDに詰め込ん
でいます。考え方だけでなく、営業の動き方や仕組みも紹介しています。

ぜひ、DVDでご確認ください。(同じ内容のセミナーは存在しません)


● DVD「2週間に1回30分で目標予算を達成させる! 営業会議の進め方」
http://www.attax.co.jp/seminar/detail/00968.html


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【編集後記】

「今夜を乗り越えるのは、難しいかもしれません」

前職で働いていたある夜、会議中に着信したメールは衝撃的な内容でした。

自殺願望のある友人から、このようなメッセージが携帯電話に飛び込んでき
たのです。

私は飛び上がるように立ち上がり、親族の容態が急変したから帰らせてほし
いと嘘を言って会議室を飛び出しました。

地下鉄に飛び乗り、彼のアパートへ駆けつけ、ドアをぶち破る勢いでノブを
ひねったところ、意外にあっさりと中へ入れてもらえました。

翌日も早朝から会議だとわかっていましたが、私は彼に付き合って夜中まで
一緒にいました。

もしこの部屋を出たら彼は決行するかもしれない。もしそうなったら……と
思うと後ろ髪を引かれましたが、「横山さん、今夜は何とか持ちこたえられ
るから帰ってください」と嘆願され、私は彼の部屋を出ました。

アパートを出、外にいながら、私は彼の部屋の電気が消えるまでずっと、そ
の寂しげな灯りを見つめていました。

1時間ぐらい突っ立っていると、カーテンに彼の影が映りました。そして、

「横山さん、帰ってください」

と、かぼそい声で彼は言うのです。私は何も言わずに踵を返しました。

翌日の朝も会議。

とにかく会議の多い会社でした。夕方の6時からはじまった会議が夜の11
時まで続き、そこから朝まで資料作りの作業がはじまる……こんな毎日の連
続。

会議室はいずれも喫煙OKで、会議が1時間以上にもなると、タバコをすわ
ない私の頭はほとんど思考停止状態になります。

意見を求められても何も答えられません。心も体も建設的な意見を考えられ
る健全な状態ではなかったのです。

人数は多く、時間通りにはじまらず、資料が抜けていれば会議中でも資料を
作り直させられたりする。そして会議と会議との間には、そこで決まったこ
とを行動するための時間が、別の会議で埋まってしまっているため、結局は
何もやっていないことを報告するだけの会議。その連続。

もしくは、前回の会議で何を討議したのかを思い出すための会議だったりし
て。

とにかく、ただ会議をやるために資料を作り、資料を作るために有志のミー
ティングがあり、ミーティングをやるために時間調整のコミュニケーション
があって、そのための情報システムがある。

さらにいえば、その情報システムをうまく使うためのヒアリング調査があり、
その分析結果をまとめたり、グラフを作ったり、またミーティングの日程調
整をしたり……。

毎日のルーチンワークの中に「お客様」の姿がほとんどない。

にもかかわらず、厳格な目標予算があり、それが何となく達成されていく気
持ちの悪さに身悶え続けていた日々。

友人からのきわどいメッセージがあってから、毎晩のように私は彼のアパー
ト前まで行き、彼の部屋の灯りが消えるまで外で突っ立っているような夜を
何日か送りました。

もちろん、そんなに続きませんでした。1週間ぐらいでしょうか。出張か何
かの用事が入り込んで彼のアパートへ足を伸ばす行為が中断し、それからは
通わなくなりました。

確かに、あのころの友人の心は病んでいました。

しかし、私の精神状態も完全におかしかったと、今思い起こしてみるとわか
ります。

6時間も7時間も続く会議室の中で、何ひとつ社会に貢献することもない作
業。それに追われていた日々。あの「場」の悪さが、私の心に穴を開けたの
でしょう。

そうでない限り、夜中に友人のアパートを見上げながら小一時間も道路に立
って過ごす自分を想像することなど今はできません。

今から8年ぐらい前でしょうか。33歳ぐらいのときです。

私は本当に会議が嫌いです。

しかし会議が必要なことも事実です。

日本人は会議が下手。これは事実です。今回のDVDの登場で、少しでも多
くの会社の会議が「最適化」すればいいと願っています。


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