2012年2月27日

【ラベリング効果】「努力します」というフレーズも実は言い訳である

● 今回のテクニック:【ラベリング効果(4)】

ラベリング効果とは、人、物、事象……などを簡易的な言語で表現することで、
その物事に「レッテル」を貼ることである。

ワンフレーズでレッテルを貼り、その表現を繰り返すことにより、その物事へ
の印象に対するバイアスがかかってくることをラベリング効果という。

インプリンティング(刷り込み)効果とも似ている。

たとえ事実と多少異なったとしても、ラベリングをすることにより、相手はそ
の通りの人間へと近づいていく。

コミュニケーションを円滑にするために使用する場合、必ず肯定的なラベリン
グをすること。相手に対する否定的なラベリングは決してすべきではない。


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● 今回のコミュニケーション例


部下 :
「納得できません! どうして『努力します』って表現が、言い訳になるん
ですか」


マネージャー :
「納得できない?」


部下 :
「そうですよ! 私は今月、見積りを5件とってくるよう努力しますって言
っただけです。それなのに、『そんな言い訳はやめろ』って……。どこが言
い訳なんですか」


マネージャー :
「……」


部下 :
「先月までずっと、2件か3件しか見積りがとれてないんです。しかし目標
を達成させるためには月に5件が必要だと私が感じたから、そのように宣言
したんです。5件の見積りって、そう簡単なことじゃないんですよ!」


マネージャー :
「たとえば、私が君に、倉庫から100ケースの商品を持ってきてくれと頼
んだら、君は『努力します』って答えるか?」


部下 :
「……?」


マネージャー :
「『わかりました。持ってきます』って答えるだろ? そして、これまでに
倉庫から50ケースぐらいしか持ってきたことがないとしたら、『どうやっ
て持ってきたらいいでしょうね』と、私に尋ねるだろ?」


部下 :
「う……」


マネージャー :
「君は8時半の出勤時間に間に合うよう、いつも会社に来るけど、そのため
に努力を必要としているのか?」


部下 :
「いや……」


マネージャー :
「そんなこと、当たり前にやるよな?」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「『努力します』ってフレーズは、どのようなシチュエーションで使うかに
よって変わるんだけど、今回の場合は、『結果はどうなるかわからないが、
自分のできる範囲でやります』っていう、安っぽい甘えが見え隠れするん
だ」


部下 :
「それは……」


マネージャー :
「自分の目標をクリアするのに、見積り5件を一ヶ月でとってこなくちゃい
けないんだったら、『見積り5件とってこれるよう努力します』なんて言う
な」


部下 :
「……」


マネージャー :
「『見積り5件とってきます。そのために、これまでの訪問件数を100件
から150件に増やします』とか『見積り5件とってきます。そのために、
相談していいでしょうか』などという表現をしろ」


部下 :
「は、はい」


マネージャー :
「以前から言っているように、君はいっさい言い訳をしない男だ。結果がど
うなろうと、自己弁護しない。それに他責にもしない」


部下 :
「……」


マネージャー :
「事実を事実として受け止める、そういう男だ。だから、いいんだ。努力し
ますなんて表明しなくても、やればいいだけなんだから」


部下 :
「しかし……。もし、見積り5件とれなかったら」


マネージャー :
「もちろん、どんなに頑張っても望んだ成果が出ないときだってある。しか
し、そのプロセスの中で、その人が努力しているかどうかは、本人が指し示
すことじゃない」


部下 :
「……」


マネージャー :
「本当に、努力している人っていうのは、その姿勢は常に他人にも伝わるも
のだ。自分で言うことじゃない」


部下 :
「そう、ですね」


マネージャー :
「自分で努力します、って言う人間は、目標をロックしてないんだ。やり切
ることが当たり前になってない。君は言い訳をしない男だ。私の部下の中で
も、君は、言い訳をしない、素晴らしい男の一人だよ」


部下 :
「わかりました。とにかく見積り5件やりきります。覚悟ができていなかっ
た自分への甘えが言葉として出てしまったんだと思います」


マネージャー :
「さすがだ」


部下 :
「訪問件数を100件から200件に倍増させます。そして15日の時点で
見積りが2件を下回っているようでしたら、相談させてください」


マネージャー :
「わかった」

……人間の脳には、「自己維持本能」というものがあるそうです。

自分が選択した理由を後からつけて、それを固辞してしまうという変な性癖が
あるのです。

まさに「現状維持バイアス」のことですね。

やっても無理かもしれないという言い訳、やったけれどもできなかったときの
言い訳……。

いろいろありますが、無意識のうちに言い訳をしている限り、自分に対する
「ラポール」つまり『自信』が高まることはありませんよね。

【参考書籍】「脳は何かと言い訳をする」
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【編集後記】

私は「2月23日」が近づくと、毎年のことながら戦々恐々とします。
「2月23日」は、私にとって非常に特別な日だからです。

35年以上前、確か小学校5年生のときだったと思います。

とにかくその日、「2月23日」はツイテいない日でした。

何をやってもダメで、夜、家に帰ってから「本当に運のない日だった」と食事
中に私はぼやいていました。

そんな私を不憫に思ったのか、母が私の布団を敷いてくれていました。

「自分の布団は自分で敷く」

が、我が家のルールで、寝る直前まで遊び呆けている私に「ちゃんと自分で布
団を敷きなさいっ!」と毎晩のように怒っていた母が、こっそりと私の布団を
敷いてくれていたのです。

それを見つけた私は、

「なんで俺の布団を敷いてんだよ!」

と、怒りました。

「あんたが今日はツイテないって言うから、今日ぐらいは私が敷いてやろうと
思ったんだがね」

「自分の布団ぐらい、自分で敷けるだろ! なんでそういうお節介なことをす
るんだ!」

私の心無い母への責め立てが、母を著しく失望させたことは言うまでもありま
せん。

「もう二度と、あんたの布団なんか敷かないからねっ!」

母にそう言われてから、私は我に返り、なんて馬鹿なことを言ったんだろうと
反省しました。

母にすぐ謝りに行きましたが、しばらく口をきいてくれませんでした。私はそ
の夜、布団を頭から被ったままずっと泣いていました。

家は貧乏長屋ですから狭く、その泣き声は父や母、姉にまで筒抜けです。それ
でも私は泣き疲れて眠りに落ちるまで、泣いていたのではないかと思います。

この2月23日を「人生最悪の日」だと思い込み、それから、ずっと2月23
日が来るのを毎年恐れていました。

剣道部の部活動をサボり、先輩たちにリンチにあったのも2月23日でした。

学校を卒業して最初に勤めた会社、CSK(現SCSK)の退職を決める事件
が起きたのも、2月23日でした。

青年海外協力隊のとき、職場のグアテマラ人たちに総スカンされる事件が起き
たのも、2月23日でした。

勝手な思い込みだと思っていても、毎年何かが起こるのではないかと思い、2
月23日だけは大人しくしていたい、あまりスケジュールは入れたくないと今
でも考えてしまうのです。

ところで今年の2月23日はどうだったか、と言いますと……

朝から六本木ヒルズで打合せ、それから銀座へ移動してある大企業の部長たち
とランチ。

さらに銀座で出版社の方と打合せ。再び六本木ヒルズへ戻り、カフェで「絶対
達成する部下の育て方」のプロモーションを手伝ってくれるという社長と打合
せ。

さらに夜は六本木ヒルズで講演。

けやき坂で講演先のマネジャーの方々と会食……でした。

夜、ホテルに戻るまで「何かあるんじゃないか?」「何か忘れてるんじゃない
か?」と考え続けたのですが、

今年は何事も起こらずに、2月23日は終了しました。

昔から「アクセル」しか踏まない性格の私ですが、この2月23日が近づくと、
「急ブレーキ」を踏みたくなるのです。

ま、そういう日が一年に一度ぐらいあってもいいかな、と思っています。

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