2012年4月1日

脳の基礎体力をつけるために必要なこと、不必要なこと

いよいよ4月となりました。多くの企業で新しい期を迎えているのではないで
しょうか?


新年度のスタートですので、今回は「脳の基礎体力」をアップするにはどうす
ればいいかという話を書きたいと思います。


少し前の話になりますが、


私のセミナーに来られた、ある企業のマネジャーと部下との、少し残念な会話
をご紹介します。


おそらく、こんな会話だったとような気がします。


皆さんも、何がおかしいのか、何が残念なのか、少し考えてみませんか?


部下:
「横山講師が言ったヤーキーズドットソンの法則のとおり、少しストレスが
かかっていたほうが生産性はアップすると思います」


マネジャー:
「過剰なストレスはダメだけど、過小なストレスもダメだって話か」


部下:
「はい。ですから、ダラダラと会議をやっているとストレスがかからないた
め、生産性は低くなります。こういう会議はもうやめましょう」


マネジャー:
「うん……。でもさ、そういう会議もある種のストレスを感じるよね? そ
れもストレスなんだからいいんじゃないか?」


部下:「……うーーん。……そうですか。はい」


……ここまでです。


何が残念なのか、書かなくてもわかると思います。


マネジャーは強い現状維持バイアスがかかっているため、部下からの意見を論
理的に噛み砕いて理解しようとしていません。そもそも「姿勢」が間違ってい
ます。


ですから会話が噛み合っていないのです。


このような噛み合わない会話を、これまでにどれぐらい聞いたか、わかりませ
ん。


それにしても、なぜこのように噛み合わない、残念な会話になってしまうので
しょうか? 前出のマネジャーでいえば、間違いなく「脳の基礎体力」が落ち
ているからです。


「基礎体力」が落ちているから、セミナーで聴いた話も理解できていないし、
部下が言っていることも理解できない。


これでは問題解決能力があるとは言えないですよね。


残念なことは、マネジャーの思考が論理的でないことにより、部下の思考まで
影響を受けることになります。


なぜなら上記の会話ですと、部下はどうして自分の意見が退けられたか論理的
に理解しようがないからです。


このような会話が長く続くと、部下の思考がまっすぐになりません。そうする
と、部下の脳の「基礎体力」まで落ちていくのです。


しかし、「脳の基礎体力」をつけましょうね! と呼びかけたとしても、どう
すればいいかわかりません。


そこでどのようにすれば「脳の基礎体力」がアップするのか、書いていきまし
ょう。


脳の基礎体力をつけるには、前頭葉の体力が日常的に鍛えられていることが重
要だと言われています。


それでは、どのように前頭葉を鍛えられるか、ということですが、これがとて
も簡単です。


「日常的な雑務を面倒くさがらずに片付けること」


なのです。


つまり、ラクをしたい。面倒なことはしたくない。自分がやらなくても誰かが
やってくれるだろう。


という、脳の「原始的な欲求」に従って動いている人は、脳が鍛えられなくな
り、物事を論理的に捉えることができなくなるというのです。


コンビニやインターネット、スマホ……、便利なものが増え、昔は「10」の
労力をかけなければ成し得なかった物事が、現在は「3」とか「4」の労力で
できるようになってきました。


すると、我々現代人は、正しく意識をしないと普通にしているだけで、「脳の
基礎体力」自体が減退していくということが理解できます。


にもかかわらず、過去と比べて変化が激しい時代になっているので、その副作
用がドンドンと「心」に負担を与えるのです。


目の前の雑務を面倒くさがっていては、問題解決能力も上がりませんし、クリ
エイティブな仕事もできないということですよね。


(稀に、雑務をロクにしないのに、素晴らしい創造性を発揮する人がいますが、
生まれつきのセンスの場合が多く、凡人が真似しようとしてもダメです)


今週木曜日、4月5日は「脱会議」の出版日ですから、私にとって今週は「脱
会議ウィーク」ということになります。


したがって、ここからは「会議」のネタを使って考えていくことにします。


皆さんに質問したいですが、会議に出席している時間内に「脳が鍛えられる」
と実感する時間はどれぐらいあるでしょうか?


脳が鍛えられる会議ってありますよね。まさに「ブレーンストーミング」と呼
ばれるような会議であれば、かなり鍛えられます。


しかし、


社長や管理者の演説を延々と聞かされる会議、


出席者の報告だけを淡々と聞かされる会議、


誰かのネガティブな言い訳を聞かされる会議


に出席していて、脳の基礎体力は鍛えられますか?


会議にばかり出ていて、そこで腕を組んで、ただうなだれて時間をやり過ごし
ている人が自分の上司だと思うと、やり切れない気持ちになりませんか?


私は聞きたいです。


組織内の、ちょっとしたルーチンワーク(雑務)は低次な仕事ですか?


それに比べて、会議で過ごしていること自体は高次な仕事ですか?


もしあなたがそのような思い込みをしているとすると、それはとんだ勘違いで
す。脳の基礎体力が失われて、会議中毒になっているだけです。


会議の時間は、決して「高次」な仕事ではありません。


問題解決能力のある人財が、組織の問題を解決するためにプランを考え、それ
に基づいて現場を動かし、組織の正しい成果を得るために改善活動をすること
そのものが、


どちらかというと「高次」な仕事ではないでしょうか。


会議に明け暮れている人は、問題解決能力が高いとは言えないでしょう。


そういう人は、論理的思考能力が落ち、人とのコミュニケーションに支障をき
たしてくるかもしれません。


相手が何を言っていても、腹に落ちないのです。
葛藤さえ覚えないのです。


「あなたに忠告しているんだ」というメッセージさえも「私には関係がない」
という表情で、上の空で受け止めるのです。


特に、若く、まだ実務経験の少ない人が最初から「企画部」などに配属され、
会議に明け暮れていると、脳の回転数が上がらないまま年齢を重ねていきます。


テレビで映し出される行政の方々の、民間人とはかけ離れた発言を何度見たこ
とがあるでしょうか。


私が23歳ころのことです。


知的障がい者のボランティア活動をする中で、多くの団体と署名運動などを通
じ、行政機関と話し合いを重ねたことがあります。


その内容についてはともかく、行政側は、私たちの主張をどのように退けるか、
そのシミュレーションを一週間もかけて打合せをしていたと言います。


ある団体に行政側の職員もいましたので、そのような内部事情が漏れてきたの
です。


私はまだ若く、血気盛んでしたが(今もそうですが)、「民間人の主張を退け
るための訓練を一週間もかけて打合せをしている」という話を聞き、うすら寒
い思いをしました。


相手はまともな神経の持ち主ではない、と思ってしまったのです。


当然のことながら、すべての行政機関がそうしているわけではなく、たまたま
私たちと対立していた部署がそのような対策を講じていただけなのですが、


まだ若かった私は、そんな仕事で毎日明け暮れていたら、心も体も健康でいら
れるはずがないと思っていました。


4月5日に出版する「脱会議」では、なぜ会議がメリットよりもデメリットの
ほうが多いのか、そしてどのように「脱会議」をし、会議に頼らない組織マネ
ジメントをすべきかを解説しています。


武田双雲氏に題字を書いてもらったのは、


「目立つ」ためです。


なぜ「目立つ」必要があったのか?


「脱会議ムーブメント」を起こすためには、本の中に文章で論理的に書いたと
しても、伝わらない相手がいますから、その問題を解決しなければなりません。


ですから「武田双雲」なのです。


この「本」自体が【仕組み】となっているのです。


この書籍という【仕組み】を使って、私は脱会議ムーブメントを起こしていき
ます。


その仕組みについては、今週4月5日のメルマガをお楽しみにしていてくださ
い。


◆「脱会議 今日からできる! 仕事革命」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822274004/attaxsales-22/ref=nosim


4月5日直前に、書籍キャンペーンページをご案内します。
できれば、そのキャンペーンページの案内を待ってご購入いただけると嬉しい
です。


今回は、以下の音声データ2種類が無料ダウンロードできます。
お楽しみに!


●音声データ1「会議をなくし、どのように上司と部下とコミュニケーション
をとればいいのか? 資料を使った会話テクニックについて」
(1)会議コミュニケーションが陥るワナ「選択的認知」について
(2)マネジメント資料を使ったコミュニケーション「イエスセット」「バッ
クトラッキング」
(3)なぜマネジメント資料に「グラフ」が必要なのか?
(4)「1対1コミュニケーション」でなければPDCAサイクルを回せない
理由

●音声2「『脱会議』では書けなかった、会議デメリットの真実について」
(1)なぜ会議ファシリテーション能力は身につかないのか?
(2)「社会的手抜き」「社会的怠惰」について
(3)他人の意見に影響を受ける「アンカリング効果」「集団同調性バイア
ス」
(4)「総論賛成各論反対」のメカニズム
(5)統制範囲の原則——スパン・オブ・コントロールについて
(6)本当の会議コストとは? 「機会コスト」の重要性について
(7)会議が多いとなぜ「働きがい」を感じられなくなるのか? 「自己実現
の欲求」の意味


いつもありがとうございます。


以上