2012年4月15日

「頑張っているのに……」という痛すぎる言い訳【オープンクエスチョン】

● 今回のテクニック:【オープンエンドクエスチョン(19)】

オープンエンドクエスチョンとは、イエス・バット法と同様にコミュニケーシ
ョンテクニックとしては代表的な手法。「4W2H」もしくは「5W1H」等
の疑問詞を駆使し、質問していくことで相手の心の中に潜む問題点や潜在的ニ
ーズを探り当てること。

「イエス/ノー」で答えられる質問は極力避けることが重要である。クローズ
ドクエスチョンとは反意語。

オープンクエスチョンはヒアリングの基本であるが、ペーシングなどの技術を
活用しながら質問を続けないと「尋問」のようになってしまいがちであり、注
意したい。


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● 今回のコミュニケーション例


部下 :
「部長にしぼられました」


マネージャー :
「今日はお前か」


部下 :
「あの人、よくもまァ、あんなに長時間も人のことをボロクソに言えるもん
です。ある意味、感心します」


マネージャー :
「あれが部長の仕事だから」


部下 :
「課長も、あんな風にやられますか?」


マネージャー :
「オレは昔から、そんなに酷い扱いを受けたことはない」


部下 :
「いいですねェ。コツを教えてくださいよ。……こんなに頑張ってるのに、
どうしてわかってくれないんでしょうね」


マネージャー :
「何を?」


部下 :
「え?」


マネージャー :
「だから、何を?」


部下 :
「何を? ……って言いますと、何を、ですか?」


マネージャー :
「だから、何を頑張ってるんだよ」


部下 :
「……え……。仕事、ですけど」


マネージャー :
「仕事を頑張ってる? ちょっと別の角度から質問するけど、君の場合、ど
うなったら頑張ってなくて、どうなったら頑張ってるの?」


部下 :
「……」


マネージャー :
「もう少し具体的に聞こうか? この部署の中で誰が頑張ってないのかな?
誰にも言わないから、君の意見を聞かせてよ」


部下 :
「うーーん……。ま、みんな、頑張ってると、思います」


マネージャー :
「……」


部下 :
「……違い、ますか?」


マネージャー :
「ん? 違わないよ。俺もそう思う。みんな頑張ってるって」


部下 :
「じゃあ、どうしてそんなこと聞いたんですか?」


マネージャー :
「オレが聞きたいよ。なんで君は『頑張ってるのに』って言ったんだ?」


部下 :
「……え?」


マネージャー :
「『〜なのに』って言うということは、相手が想像している以下だと評価さ
れている気がするから、そういう言葉が出るんだろう? 部長はお前のこと
を頑張ってないって言ったのか?」


部下 :
「いえ……、それどころか、『頑張ってるのはわかるけど』みたいなことを
仰ってました」


マネージャー :
「だったら『頑張ってるのに』なんて言うほうがおかしいだろ? それって
どういう不満なんだ?」


部下 :
「うーん……」


マネージャー :
「オレが屁理屈みたいなことを言ってるのはわかってる。だけど、無意識に
出たその不満は、君が正しく成長していく思考を萎えさせていくだけだ」


部下 :
「……じゃ、どうすれば?」


マネージャー :
「部長に怒られたのは、前期のプロジェクトが暗礁に乗り上げたからだ
ろ?」


部下 :
「そうです。私なりに頑張ったんですよ」


マネージャー :
「わかってるって! 頑張ったか頑張ってないかは、他人が言うことだ。自
分で表明しなくたっていい」


部下 :
「すみません」


マネージャー :
「それで今期はプロジェクトを再構築するんだろ? 【誰】を召集するん
だ?」


部下 :
「それを……K課長に相談しようと思ってます」


マネージャー :
「【いつ】?」


部下 :
「うーん。今月中は難しいと思います。バタバタしていて」


マネージャー :
「それで?」


部下 :
「それでっ……て?」


マネージャー :
「だーかーらー! 【いつ】? とオレが質問してるのに、どうして今月が
難しいという返答をするんだよ」


部下 :
「すみません」


マネジャー :
「いいよ、謝らなくたって。【いつ】K課長に相談をするんだよ」


部下 :
「うーーーーーん。4月は難しいですし、ゴールデンウィーク明けもイベン
トがあるんですよ」


マネージャー :
「……」


部下 :
「……」


マネージャー :
「……で?」


部下 :
「う……ん」


マネージャー :
「だーかーらー! プロジェクトの再構築をしなちゃならないと、さっき
まで部長に怒られまくったんだろ? そのメンバーを誰に招集したらいいの
か、K課長に相談する日程さえ決められないのか?」


部下 :
「す、すみません」


マネージャー :
「……」


部下 :
「……」


マネージャー :
「もういい。君は頑張ってない」


部下 :
「え……」


マネージャー :
「何が『頑張ってるのに……』だ。どこがどう頑張ってるんだ? 言ってみ
ろ? 繰り返すけど、いま君は何を悩んでるんだ」


部下 :
「プロジェクトの再構築をするために、召集するメンバーについてです」


マネージャー :
「違う。K課長に相談する日程を決めるのをいつにしようか、それだけのこ
とを悩んでるんだ。さっきも言っただろう?」


部下 :
「んんんん……」


マネージャー :
「もういい。オレが今から一緒にK課長のところへ行ってやる。その場で相
談しろ」


部下 :
「本当に、すみません……」


マネージャー :
「頑張るとか、努力するとか、抽象的な表現を使うのは、部長だけにしてく
れよ。前期のように、そうしている間に時間がドンドン過ぎていく」

……上司と部下とのコミュニケーションをするのに、この「オープンエンドク
エスチョン」は基本です。

とても簡単なテクニックですが、習慣にできていない人が多いですね。

「いつ・誰が・何を・どこへ・どのぐらいの量・どのような方法で」

を質問するクセをつけましょう。

自分に対しても、です。

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【編集後記】

4月26日に、丸善丸の内本店にて、「脱会議」の出版記念講演があります。
http://www.junkudo.co.jp/tenpo/shop-maruzen_marunouchi.html
(※ページの下のほうに案内が書いてあります)

昨年も「絶対達成する部下の育て方」の講演をこの『聖地』で開催しました。
そのときの感動が思い出されます。

ところで、

この昨年12月26日に実施された「丸善講演」前日に送ったメルマガ編集後
記は、ものすごく反響がありました。

メルマガの編集後記に反響があるというのも驚きですが、実際にこの編集後記
を読んで手紙を書いてくださった方もいます。

今日はそれを転載したいと存じます。


 ↓↓↓↓↓ ここから ↓↓↓↓↓

今日12月25日は、朝から雪が降っていました。

岐阜に近いからでしょうか。午後からは本降りとなり、一面、雪景色となり
ました。

私には、雪を見るとフラッシュバックする、嫌な思い出があります。

子供が生まれ、妻が実家に戻っているとき、8年ほど前のことでしょうか。
私は毎晩、終電でアパートに帰り、虚ろな日々を送っていました。

1月の予算編成時期のころだったと思います。

当時、日立製作所にいた私は、予算を策定したら辞表を出すと決めており、
風の強い日に落ちてくる雪のように、不安定な自分でありました。

ある日、

いつもどおり終電で、アパートの最寄駅まで帰った夜のこと。

駅についてもアパートに帰ることなく、私はなぜか地下鉄の駅の周りをウロ
ウロとさまよい、歩いていたのでした。

35歳。

第一子が生まれたばかりだというのに、結婚以前よりも責任感を抱くことが
できないほど、心の中はがらんどうでした。

駐輪場に置いてある自分の自転車には雪が積もっていました。

いつから雪が降っていたのか。

それさえ気付かないほど、ぼんやりと駅の周辺をしばらく徘徊していたのだ
と思います。

サドルに積もった雪をはらい、自転車に乗ろうとすると、かごの中に置かれ
たポケットティッシュが目に入りました。

駅前でティッシュ配りをしていた人が、自転車のかごの中に置いていったの
だろうか。

私はふと疑問に思い、自分の自転車から離れて、他の自転車のかごの中を見
て回りました。

夜更けの駐輪場に置かれた自転車は、かぞえるほどしかありません。

すべての自転車をチェックすると、大量のティッシュが手に入りました。私
は当時、ダウンのコートを着ており、そのコートのポケットに入りきれない
ほどのティッシュを押し込んで、持ち帰ろうとしたのです。

さらに、

駐輪場に突っ立ち、頭から雪をかぶってティッシュをかき集めていた私は、
何かを察知するのです。

もしかして……

私は駐輪場の地面を見ました。

雪でところどころ白く濁っていましたが、目をこらすと地面にもポケットテ
ィッシュが落ちているのです。

自転車のかごに入っていたティッシュを、その場で捨てていった方がたくさ
んいたのでしょう。

足で雪を払いながら探すと、さらに大量のティッシュが手に入ったのです。
私はコートのポケットの中に、ぎゅうぎゅうに押し込んで、誰もいないア
パートにそのティッシュを持ち帰りました。

なぜその夜、私はポケットティッシュを欲しがったのか?

ただ、あると便利だと思ったからです。

自転車のかごの中にあるとはいえ、落ちているのと一緒だ。もらってしまっ
たもかまわないだろう。

そういう気分で、コートのポケットに入る分だけのティッシュを持って帰っ
てきたのです。

もちろん、

私はそのとき、普通の精神状態ではありませんでした。

自身を正しく制御する何らかの装置が、私の体の中で正常に動作していなか
ったのだと思います。

つい先日、そのことを妻に質問すると、

「覚えてる、覚えてる。あれから家を引っ越したあとも、まだあのティッシュ、
大量に残ってたから」

雪を見ると、なぜか思い出すのです。

われ知らずポケットティッシュを拾い集めた夜のことを。

今は12月25日です。

明日は12月26日。

日本最大級のメガ書店、東京丸の内の「丸善」での講演の日です。この聖地
での講演に、私は今年のすべてを賭けたいと思います。

そのために、明日、私は、あの夜着ていたダウンのコートを身にまとい、上
京します。

あの夜の私のように、心の調子を崩す人がひとりでも出ないように、私は今
私しかできない言葉で、会場に来られた方々に伝えたいのです。

伝えたいことが、あるのです。


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