2012年4月23日

「SWOT分析」はどこまで効力があるのか?【エレベーターピッチ】

● 今回のテクニック:【エレベーターピッチ(4)】

エレベーターピッチとは、起業家が、あるプロの投資家と偶然エレベーターに
乗り合わせた際、エレベーターが目的の階に着くまでのわずかな時間(数十秒
から1分以内)で、自身のビジネスプランの魅力、優位性を伝えられるか?
伝えられるか伝えられないかでビジネスの明暗を分ける、と言われたことに由
来するプレゼンテーションスキルの概念。

営業がお客様に商材のトピックを伝えるときはもちろんのこと、マネージャの、
部下に対するコミュニケーションにおいても同じことが言える。

短い時間でポイントを正しく伝えることの大切さをあらわしている。


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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「君が、あの有名企業からやってきた戦略家か。よろしく頼むよ」


部下 :
「戦略家だなんて、そんなことはありません。どうぞよろしくお願いいたし
ます」


マネージャー :
「あんな大企業で戦略を考えていたんだろう? 凄いなと思って」


部下 :
「……大企業といっても、いいことばかりじゃありません。いろんなしがら
みがあって、小回りがきかないものですし」


マネージャー :
「大企業だと意思決定スピードが遅そうだからな」


部下 :
「そうかもしれません」


マネージャー :
「ところで、1月に当社へ来てから、何をしてるんだ?」


部下 :
「SWOT分析です。この分析をキッチリして、差別化戦略を練り上げてい
きます。SWOTは環境分析の基本ですからね。ここをないがしろにするつ
もりはありません」


マネージャー :
「わが社の『強み』が見つかるか?」


部下 :
「社員73名にヒアリングを実施したんですが、なかなかそこが浮かび上が
りません。どちらかというと、『品質』だとか、『会社の歴史』とか、『提
案力』といった曖昧なものが多く、コレといって出てこないのです」


マネージャー :
「それで?」


部下 :
「私は営業の皆さんについていって、お客様のとこへも出向き、ヒアリング
を試みました。しかし当社の強みを簡潔に答えられる方はあまりいません」


マネージャー :
「なるほど」


部下 :
「エレベーターピッチでご存知ですか? 短いフレーズで当社の『強み』を
誰かに答えてもらいたいと思い、いろいろあたってみました。しかし、そこ
が出てこないのです」


マネージャー :
「……」


部下 :
「結局のところ、社員もお客様も当社の『強み』を簡潔に表現できないこと
が、当社の『弱み』であると、私は結論づけました。内部環境の分析はひと
まず終えて、外部環境の分析に入りたいと思っています」


マネージャー :
「君は、わが社の新しいビジネスモデルを作ろうと思って、当社に入ってき
たのか?」


部下 :
「違います。新しい事業を作り上げるのは大変ですから、まずは現事業の建
て直しをすることが先です。社長からもそのように言われております」


マネージャー :
「だろうね」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「ところで、さっき当社の社員73人にヒアリングしたというけど、私は聞
かれてないが?」


部下 :
「あ、ああ……。すみません」


マネージャー :
「わが部署のS君にもヒアリングしていないよね? Y主任には、ヒアリン
グしたか?」


部下 :
「いえ。SさんもYさんも、なかなか時間を頂戴できないものですから」


マネージャー :
「それでも内部環境分析は終了したんだよね」


部下 :
「ええ。期限を切りたいんです」


マネージャー :
「君のヒアリングの仕方は2点、間違ってる」


部下 :
「?」


マネージャー :
「質問の仕方がマズイ。当社のビジネスモデル。商材についての『強み』し
か質問していないことが1点。もう1点は、ヒアリングの対象者だ」


部下 :
「……」


マネージャー :
「わが社の商材の『強み』ではなく、わが社の『強み』を私に質問してみろ。
エレベーターピッチを使って答えてやる」


部下 :
「すみません、部長に質問しておらず……。当社の『強み』について、部長
のご意見を聞かせてください」


マネージャー :
「『スピード』だ」


部下 :
「……」


マネージャー :
「当社には『スピードマスター』と呼ばれている営業パーソンが4人いる。
その4人が、当社の営業利益の27%を稼いでいることは知っていたか?」


部下 :
「いえ……」


マネージャー :
「内部環境を分析するときに、まず財務を見ることからスタートしないと、
何もわからないだろう? 君がやったのはただの『意識調査』だ。財務を見
てから、誰に何のヒアリングをすべきかアタリをつけてからやりたまえ」


部下 :
「……すみません」


マネージャー :
「1月から4月まで、それだけしか分析していないだなんて、遅すぎるよ。
仕事が遅すぎる。いくらS君やY主任がスピードマスターだからといっても、
この数ヶ月間、1度もコンタクトがとれないだなんてあるわけがない」


部下 :
「……」


マネージャー :
「君のその仕事の遅さでは、当社の『強み』を理解できるはずがない」


……書籍「絶対達成する部下の育て方」にも書きましたが、

脳は「刺激—反応モデル」です。

外部からの刺激を受けて、体が反応します。その反応を言語化できるかという
と、実は非常に難しいのです。

ヒアリング結果の信憑性を正確に問うていかないと、正しい成果を手に入れる
ことができません。

成果に焦点を合わせているのは誰なのか?

その人を特定することも重要ですし、しかし、果たしてその人が言語的に正し
く表現できるかというと、そうでもないのです。

人間の嗜好、ニーズ、課題……について考える場合、いろいろな分析フレーム
ワークがあるのですが、

人間の脳が「刺激—反応モデル」である限り、その分析結果の有用性は疑わし
いケースが多いと私は考えます。

やはり、責任と権限を有するリーダー、もしくは、外部のエキスパートが正し
い目で決断することが重要ではないかと思っています。

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【編集後記】

私のこの1年間を振り返ってみると、いろいろなことがあったとわかります。

昨年12月にダイヤモンド社から「絶対達成する部下の育て方」が、4月には
日経BP社から「脱会議」が出版されました。

他にも思い出深いことといえば、

昨年の4月、震災チャリティセミナーと称して「怒りとイライラの感情をコン
トロールするアンガーマネジメント講座」を開催しました。

大変に盛況でした。

昨年の8月には、地元名古屋の営業猛者50名を集めて「トップセールスセミ
ナーDVD」を収録しました。

このとき以上に熱いセミナーは、もう2度とできないのではないか、と思うぐ
らいの内容に仕上がりました。

これもとても感慨深い出来事です。

仕事以外では、昨年夏に家族で石垣島へ行ったり、友人の編集者たちと台湾へ
旅行したり、

部下たちと、長野の小淵沢へ合宿旅行したりしました。

心に残る、いろいろなイベント、出来事があった一年でしたが、

この1年間の中で、私にとって一番、嬉しかったことは、もっともっと地味な
出来事です。

私は知的障がい者のボランティア活動を21歳のときから続けています。
在籍期間はもう20年を超えています。

毎年4月に開講し、3月に閉講するのですが、

先月の閉講式のとき、私は「皆勤賞」で表彰されました。
(といっても、特典として靴下をもらうぐらいですが)

月に1回の行事に1度も休まずに参加した、というだけのことです。

しかし、

20年以上、私はボランティアをやってきて、この「皆勤賞」をもらったのは
過去に、代表をしていた時期の2度しかありません。

まさに、13年ぶりに「皆勤賞」をとったのです。

20代のころと違って、結婚し、子供も生まれ、郊外へ引越しし、仕事も忙し
くなってきて、

参加率が減ってきても、誰からも文句は言われないでしょうが、

昨年度は、皆勤賞を「絶対達成」しようと私は心に決めました。

自分自身の体調を崩してもいけませんし、家族に何か問題があっても、参加し
づらくなります。

日ごろからの、家族との協力関係、ラポールも大切です。

もちろん仕事の調整も同じ。

1年にたった12回の行事なのですが、これをすべて皆勤するのは難しく、学
生も、フリーターの子も、OLの方も、主婦の方も、普通のサラリーマンも…
…。

数十名いるボランティアの中で皆勤賞をとるのは、毎年1人か2人です。

以前は、「皆勤賞なんて絶対にムリ。できなくて当たり前」と思っていたので
すが、

昨年、「絶対達成」しようと決めて、本当に達成させることができました。

私にとっての現状維持バイアスをはずすことができた、とても大きな出来事で
す。

今年度はどうなるかわかりません。

しかし、今まで「所詮ムリ」と思い続けてきたことが「やればできる」とわか
った今、

いろいろなことを挑戦できるような気がしてきて、とても気分がいいです。

妻をはじめ、家族のみんなに、とても感謝しています。

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