2012年6月28日

「残業ゼロ」実現への2つのポイント【ホールパート法】

● 今回のテクニック:【ホールパート法(5)】

ホールパート法とは、最初に話の全体像、ポイントを(WHOLE)を相手に
伝え、それから話の枝葉、部分(PART)を説明する話し方。

相手の「頭」を整理させるうえで、とても簡単で効果的な技術。

「ポイントは2つある」
「ここで私が言いたいのは1点だけだ」

このように伝えてから、それぞれのタイトルを話す。

「効率化と、情報共有」
「お客様の声だ」

その後、タイトルに沿った話を展開させていく。報道番組でキャスター、コメ
ンテーターなどがよく活用しているので注意深く聞いてほしい。


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マネージャー :
「圧倒的な結果を出す、人よりも数倍の行動スピードで仕事をしていると、
人を動かしやすくなるし、他人にも振り回されなくなる、という話をしたよ
な」


部下 :
「ええ。確か『権威の原理』でしたよね」


マネージャー :
「うん。誰よりも結果を出したり、愚痴もこぼさずスピーディに仕事をこな
したりしていると、周囲との信頼関係が厚くなるからだ」


部下 :
「うーん、私もそうなってみたいですね」


マネージャー :
「最近、ますます業務の効率が悪くなってるんじゃないか?」


部下 :
「そうなんですよ。最近、夜の9時前に退社したことはないんです。もっと
早く帰りたいんですけど……」


マネージャー :
「残業はダメだよ。先月だって60時間を超えていただろ」


部下 :
「ええ。だいたい9時か10時までは残ってましたね」


マネージャー :
「子供はまだ小さいんだろ」


部下 :
「ええ。3歳と0歳です」


マネージャー :
「奥さんは、君の帰りを待ってるんじゃないか?」


部下 :
「ま、そうですけど……。でも仕事だからしょうがありませんよ」


マネージャー :
「仕事だから、しょうがないって?」


部下 :
「ええ」


マネージャー :
「冗談はよせ」


部下 :
「……?」


マネージャー :
「君が言える立場か? 会社が頼んだ残業じゃない」


部下 :
「あ……」


マネージャー :
「去年から、さんざん指導してきたはずだ。自分の意志で勝手に残業してお
いて、奥さんに『仕事だからしょうがない』だなんて、よく言えたもんだ」


部下 :
「わ、私だって、好きで残業してるわけじゃ、ありません」


マネージャー :
「だったら、早く帰ればいいだろうっ」


部下 :
「く……」


マネージャー :
「……」


部下 :
「んん……」


マネージャー :
「……悔しいか?」


部下 :
「別に……。悔しくありませんよ。なんか……悲しいだけです。好きで残業
してるわけじゃないのに、上司にこんな風に言われるなんて」


マネージャー :
「だったら、残業やめればいい。誰が頼んだんだ?」


部下 :
「……」


マネージャー :
「誰も頼んでないことをするな」


部下 :
「だってしょうがないじゃないですか、結果が出てないんですから」


マネージャー :
「結果が出てないのに残業が多いなんて、根本的に間違ってる。それじゃあ、
結果が出るようになったら残業が減るのか」


部下 :
「…………うーーん……」


マネージャー :
「とはいえ、結果が出てないのに早く帰宅できないというのはわかる。そこ
で、ワークライフバランスを実現させるポイントを2つ言う」


部下 :
「……? 2つ、ですか? それだけ?」


マネージャー :
「そう。結果と退社時間だ」


部下 :
「結果と退社時間?」


マネージャー :
「結果を出せ。君はまわりに振り回されっぱなしだ。お客様に言いように使
われているし、社内でも仕事を丸抱えして役割分担ができない。他人をリー
ディングできないし、他人からはリーディングされている」


部下 :
「……んん」


マネージャー :
「結果を出すことで『権威の原理』が働き、周りをうまく使いこなせるよう
になるし、お客様からも便利屋的に使われるようなことは減るはずだ」


部下 :
「……」


マネージャー :
「あとは強制的に退社時間を決める。業務効率化も役割分担も考える必要は
ない。期限を決めて、毎日やろうと思えば自然とそうなっていく。業務効率
は、ほとんどの場合、テクニック論じゃない」


部下 :
「……確かに」


マネージャー :
「毎日、夕方の6時に帰ってみろ。一年間も続けたら、二度と夜遅くまで残
業したいとは思わなくなるだろう」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「先日、奥さんが会社に来たぞ」


部下 :
「え……!」


マネージャー :
「下の子は、まだ小さいじゃないか」


部下 :
「子供を、2人連れて来てたんですか?」


マネージャー :
「今回がはじめてじゃない。もう何回も来てる」


部下 :
「え……」


マネージャー :
「君が残業してることを確認しにきてたんだ」


部下 :
「妻は、僕が本当に毎日残業してるかどうか疑ってるってことですか」


マネージャー :
「……だろうな」


部下 :
「……なんて、ことだ」


マネージャー :
「……」


部下 :
「ひどいですね。まさかそんな風に疑われるとは思ってませんでした」


マネージャー :
「お客様とも、社内とも、奥様とも、ラポール……信頼関係を構築しろ。そ
れをしないと、とにかく何もかもうまくいかない」


部下 :
「そうですね……」


マネージャー :
「逆に、それさえうまくいけば、ワークライフバランスはすぐに実現する」



……やることもやらず、結果も出していないのに「ワークライフバランス」を
主張する、ということは非常に難しいですよね。

前回のメルマガに書いた「自己実現を強調しすぎのモンスター」と見られてし
まいます。

私どもはコンサルティング先で、徹底して業務効率化させていきますが、多く
の場合は「気合い」でできます。

一番よくないのが、業務効率化できない本人に「どうしたら効率化できる?」
と質問することです。

人間には「一貫性の法則」があります。過去、自分がやってきたことは一貫し
て正当化したくなるものですから、「効率化は難しいです」と言い返されるの
がオチです。

退社時間を強引に決めるぐらいにしないと、本当の「効率化」は難しいと言え
るでしょう。

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【編集後記】

多くの人に、

「横山さんって、よくあれだけメルマガを出し続けられますね。どこにそんな
時間があるんですか?」

と質問されます。

しかし、

今週は余裕がないですね……。余裕がない。

昨日、最寄り駅から自転車で帰宅途中、田んぼを見つめながら、

「この田んぼに自転車ごと落ちたらどうなるかな……」

と、ぼんやり考えている自分がいました。

「スーツ、どろどろになるだろうなー。意外と面白いかな。でも、妻からメチ
ャクチャ怒られるだろうなー」

そんなこと、考えたりしていました。

ちなみに今日、6月28日は43回目の誕生日です。

日経ビジネスオンラインで、「ふんばろう東日本支援プロジェクト」代表、西
條剛央さんとの対談が掲載された日でもあります。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20120621/233634/

西條さんは、私のように、こんな馬鹿げたことをぼんやりと考える余裕すらな
い日々を、今も送ってるんだろうな、と思ったりしています……。