2012年7月5日

「言い訳データベース」を作ろう!【時間的フレーミング】

● 今回のテクニック:【時間的フレーミング(10)】

時間的フレーミング(テンポラルフレーミング)とは、時間の単位を変えて表
現することにより、敢えて物事の捉え方を変えさせることをいう。

大きな期間で表現するよりも、小さな時間の単位で伝えたほうが、より具体的
で身近に感じられるため説得効果が高まる。

会議の終了間際にコミットメントをとる場合に使うと、非常に有効である。誰
でも簡単に使えるテクニックであり、セルフコーチングにも役立つ。


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マネージャー :
「相手の行動を効果的に誘導するためには、『権威の原理』を活用したほう
がいいという話をしたよね」


部下 :
「ええ。圧倒的な知識を持つことで、権威付けができるという話もありまし
た。確かに当社にもいますよね。誰よりも知識があると、信頼性が増しま
す」


マネージャー :
「とはいえ、すべての知識の量で他を圧倒するのは、けっこう難しい」


部下 :
「確かに……。製品知識だけを覚えるなら何とかなるかもしれませんが、そ
れだけではないですものね。いろいろな経験がないと、権威付けなんて難し
いです」


マネージャー :
「そうだよな。ただ、もっと別の知識を大量に身につけることで、相手を効
果的にリーディングできることを知っているか?」


部下 :
「え? と、言いますと?」


マネージャー :
「言い訳だ。言い訳」


部下 :
「言い訳……ですか」


マネージャー :
「何か商品を売ろうとしたときに、決まって相手が言う断り文句があるだろ
う? 買わないという言い訳だ」


部下 :
「高いとか、機能が足りないとか、予算がないとか、ですか?」


マネージャー :
「そうそう。その言い訳をさせなように、事前に布石を打つ」


部下 :
「事前に言うってことは、よく『高い』と言われるんなら、高いと相手から
言われる前にその理由を事前に伝えておく、ということですか」


マネージャー :
「そう。言われてから切り返す、というのは、なかなか難しいからだ」


部下 :
「確かに、応酬話法はどんなに訓練しても、なかなか体得できないですもん
ね」


マネージャー :
「というか、そもそも応酬話法なんて訓練してないだろ?」


部下 :
「ええ…………まあ……」


マネージャー :
「1日100回、3ヶ月間ぐらい練習したら体が覚えるよ。しかし、そこま
でやる奴はほとんどいないし、だからといって成功率もそれほど高くない」


部下 :
「それで、先手必勝っていうことですか」


マネージャー :
「そう。言い訳データベースを作っておくと重宝する」


部下 :
「なるほど……」


マネージャー :
「ま、それはさておき、そういう相手をリーディングするコミュニケーショ
ン技術を使って、とにかく新規のお客様を獲得して欲しい。新規で今期はい
くらぐらい稼ぐつもりだ?」


部下 :
「いきなり話題が変わりましたね……。昨年は500万円の売上しか作れま
せんでしたので、今期は、あと8ヶ月で2000万円は作りたいです」


マネージャー :
「あと8ヶ月で2000万円だね?」


部下 :
「ええ」


マネージャー :
「新規顧客リストの作成時間や、そのためのチラシの準備時間は考慮してい
ないなんて、たまに言う人がいるけれど、それはいいよね?」


部下 :
「え?」


マネージャー :
「先日、面談した部下がそう言ってきたんだ。あと8ヶ月で1500万円新
規でやりますって言っておきながら、それだと200万円平均で毎月、新規
顧客で積み上がってくるんだな。しかも今月からだろ、って聞いたから、そ
れなら無理ですって言いだした」


部下 :
「ああ……」


マネージャー :
「その部下は今期に入ってから4ヶ月間、何も新規開拓の活動をしていない
から、これからダッシュをはじめて成果が出はじめるのは3、4ヶ月後だと
いう。それを計算していなかったんだよ」


部下 :
「……。なるほど」


マネージャー :
「そういう意識の低い部下には本当にまいるよ。ところで、君の場合はこれ
まで新規開拓はキッチリやってきてるの?」


部下 :
「ええっと……」


マネージャー :
「たまにさ、『いつから始めるんだ?』って質問すると『ちょうど今月から
スタートしようと思ってました』なんて言う奴がいるが、ああいう言い方は
やめて欲しいよな」


部下 :
「え、ええ……。私はですね、ええっと……。ここ数ヶ月間、大きな案件が
あったものですから、新規はちょうど今月から始めよう……と、って……。
いや、これは本当に今月から、やろうと、思ってたんです」


マネージャー :
「今月から始めるといってもすぐに成果は出ないよね? 何ヶ月後ぐらいか
ら数字ができはじめるの?」


部下 :
「うーーーん。はやくても……。3ヵ月後、ぐらいからではないか、と」


マネージャー :
「ということは、残り5ヶ月間で2000万の数字を作るんだね?」


部下 :
「え? 5ヶ月? ああ! ああ……そうですね。確かに、すぐに今月から
結果は出ないですから、そうか、5ヶ月で2000万か……」


マネージャー :
「そうなると毎月平均400万の結果が必要だ」


部下 :
「ええ……。理論上は、そうです……が……」


マネージャー :
「期末になって『がんばりましたけど、できませんでした』なんて謝罪され
ても困るし、そういう言い方をする人間は、来期も同じことを言うに決まっ
ているから、とにかく今期は死に物狂いで達成してもらわないとな」


部下 :
「は……はい……」


マネージャー :
「5ヶ月で2000万円だったよね? 予材管理で考えると、目標の2倍の
材料だから、5ヶ月で4000万円、つまり……1ヶ月800万円の予材が
どこにあるのか、一緒に考えていこうか」


部下 :
「……え、ええ」


マネージャー :
「どうかしたか?」


部下 :
「マネジャーは、私たちがよく口にする『言い訳』を、完全にデータベース
化してるな、と思って……」



……「断り文句」「言い訳」を研究し、相手に言われる前に先手を打っておく
ことはとても有益です。

さらりと言うことが重要ですし、ツールを活用してもいいでしょう。

当社のホームページに、DVDに関する「よくある質問」が掲載されています。

こういうFAQは、言い訳を言わせないための布石として、とても有効ですの
で、ご参考にしてください。

この「よくある質問」を掲載してから、明らかにDVDの売上はアップしまし
たから。

http://www.attax.co.jp/seminar/dvd_qa.html#1

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【編集後記】

今年の人間ドックで、「水腎症」という所見を言い渡され、6月に近くのクリ
ニックでMRIを受けました。

おそらく「結石」だろうと私は覚悟しており、1泊2日ぐらいの手術で何とか
ならないかと思っていたのですが、

「原因がわかりませんね。しばらく放置しておきましょう」

と言われてしまいました。

私はこの見立てが不服で、

昨日(7月4日)、何とか休みをとって大きな病院へ行き、セカンドオピニオ
ンをもらおうとしました。

ところが、です……。

初動が遅かったのも原因なのですが、新患の外来に対しては容赦のない「待ち
時間」が待っていました。

朝から入ったのに、実際に診察してもらったのは昼過ぎの「2時」です。

そして「造影剤を入れてレントゲンを撮りましょう。今度、いつ来られます
か?」

などと、なんと! レントゲンの予約をするだけで終わってしまったのです。

「何か日常生活で気をつけたほうがいいこととかないですか? 食べてはいけ
ないものとか?」

と、私は聞いたのですが、

「まだ何もわかりませんから、何とも言えません」

と言われただけ。

とはいえ、平日にそれほど休めるわけがないので、少し先の日程でレントゲン
を撮ってもらうこととなりました。

待合室の中では、いつ呼ばれるかわからない状態で数時間を過ごしていたので、
何度も感情が乱れそうになりました。

しかし……!

私は「日本アンガーマネジメント協会の認定ファシリテーター」でもあります
から、イライラの感情ぐらいはコントロールできないといけません。

あまり思考ノイズが入ることなく、待合室での5時間以上をうまく過ごすこと
ができました。

あなたも怒りやイライラの感情のコントロール術を体得しませんか?
(どさくさに紛れて宣伝です! 営業セミナーと違い、少人数のセミナーとな
ります)

● メモ帳ひとつで怒りとイライラの感情をコントロールする
「アンガーマネジメント講座」
【名古屋 8/9】http://www.attax.co.jp/seminar/detail/01404.html
【東京 8/24】http://www.attax.co.jp/seminar/detail/01405.html