2012年7月9日

「20歳」を過ぎると、人は変わらない???【譲歩の返報性】

● 今回のテクニック:【譲歩の返報性(1)】

譲歩の返報性とは、「返報性の原理」のひとつ。

相手に譲歩することで、相手もこちら側に譲ってくれる可能性が高まる。

相手とペースを合わせる「ペーシング」の基本。

コミュニケーション相手の言い分をまず受け止めることは、こちらの主張をい
ったん飲み込んで譲歩することと似ている。

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マネージャー :
「何をそんなに怒ってるんだ?」


部下 :
「確かに私は『20歳を過ぎたら人は変わらない』と言いました。でも、実
際にそうだから、そう言ったまでです」


マネージャー :
「うん、そうだったな」


部下 :
「ところがK係長ときたら、『そんなこと絶対にない!』の一点張りです。
まったく人の意見を聞く姿勢がないんです」


マネージャー :
「うんうん」


部下 :
「課長、ああいう態度、どうなんですか? 何でもかんでも否定するのって
私は異常だと思います」


マネージャー :
「そうだねェ」


部下 :
「課長はどう思うんですか? Kさんの態度はおかしいですよね」


マネージャー :
「うーん、まァ、そうだなァ」


部下 :
「前だってKさんは頭ごなしに否定してくるんですよ。私は課長の意見が知
りたいです」


マネージャー :
「ま、それはそうと……。君の意見がわからないでもない。20歳を過ぎた
ら、けっこう人は変わらないかもなァ」


部下 :
「ね! そうでしょう? 私の周りの友達は、みんな変わってませんよ」


マネージャー :
「君はいくつだっけ?」


部下 :
「25歳です。今年、26歳になります」


マネージャー :
「そうか、私の知り合いでね。大学時代に釣りに夢中になったのがいて」


部下 :
「釣り、ですか」


マネージャー :
「うん。2年生のころだったから19歳ぐらいだろ? 釣りばかりやって、
大学に来なくなっちゃったんだ」


部下 :
「へェ」


マネージャー :
「30歳までにプロになり、いろいろな雑誌の取材を受けていたそうだが、
それからは釣りに人生を賭けているのかどうか……」


部下 :
「……」


マネージャー :
「俺は今年で45歳。そいつも同じ歳だ」


部下 :
「その方、今は何をされてるんですか?」


マネージャー :
「この前、大学時代の友達に聞いたら、食品加工工場で働いて、細々と暮ら
しているらしい。一度結婚したようだが、うまくいかなかったみたいだ」


部下 :
「はァ」


マネージャー :
「そいつも、やはり20歳のころからは全然変わってないんだろうなァって
思うよ」


部下 :
「……そう、ですか」


マネージャー :
「人間が変わるっていうのは、確かに、難しいよな」


部下 :
「課長は……課長が、20歳のころは、どうだったんですか?」


マネージャー :
「オレか? オレは、ちょうど大きな失恋をした年齢だったから、もう荒れ
まくってた」


部下 :
「え!? 課長が?」


マネージャー :
「そうそう。今じゃあ、こんなんだけど、20歳のころなんて、大変なもの
だったよ。酔っ払って、道ばたで叫んでいたら補導されたりとかさ、電車の
車掌と喧嘩したこともあって……」


部下 :
「……そう、ですか。信じられませんね」


マネージャー :
「さっき、釣りに人生を捧げた奴の話をしただろう?」


部下 :
「え? ええ……」


マネージャー :
「そいつに振られたんだ」


部下 :
「ええっ!!」


マネージャー :
「なんだ? 驚いたか? 釣りに人生を捧げるのは、男性ばかりじゃない
ぞ」


部下 :
「あ、……そうか」


マネージャー :
「それが『思い込み』、という奴さ」


部下 :
「『思い込み』……。そう、そうですね……」


マネージャー :
「昔の話、さ」


部下 :
「……課長、すみません。なんか、話を合わせてもらっちゃって」


マネージャー :
「ん?」


部下 :
「20歳を過ぎたら人はもう変わらない、なんて……。そりゃあ、もちろん
そんなことありませんよね」


マネージャー :
「……」


部下 :
「でも、それを言ったら、K係長がすごい剣幕で私を否定してきたんで、つ
いカッとなってしまって……」


マネージャー :
「そうかそうか」


部下 :
「ありがとうございます」


マネージャー :
「いや、オレも20歳を過ぎたら、本当に人って変わらないかもなァ、なん
て本当に思ったから」


部下 :
「課長……」


マネージャー :
「ま、でも、気をつけたほうがいいのは、自分の主張を否定した相手の態度
に感情的になってしまうってことだよ。何が自分を怒らせているのか、それ
を見極めないと、正しく感情の処理ができないから」


部下 :
「……いやァ、まったく、その通りだと思います。自分を見失うっていうの
は、まさにこのことです」


マネージャー :
「ネガティブな感情に満たされると、周囲にも伝染していくから気をつけた
いな。これを『情動伝染』って言うんだ」


部下 :
「『情動伝染』ですか……。ホント、気をつけます」



……怒りやイライラの感情を、その場で処理をしないと、

自分の体の内側で、どんどん転移していってしまいます。

さらに、体の外に出て周囲の人にまで感染させていきます。

心構えではなく、論理的に感情をコントロールする技術「アンガーマネジメン
ト」を覚えませんか?

夏の講座を東京、名古屋で開催いたします。(少人数の講座です)


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【編集後記】

6月末にシンガポールへ旅行に行き、帰ってきてから、なぜか「モチベーショ
ン」が上がらない日々を送っていました。

体調もなぜかすぐれず、先週末の土日は、両日ともに昼寝を繰り返したりして、
家族に退屈な思いをさせてしまいました。

セミナーの受講者の方々から、よく、

「横山さんはどうやってモチベーションを高めていますか?」

と質問を受けます。

私はそういう質問を受けると、決まって、

「モチベーションを上げるようなことはしません」

と答えるようにしています。

モチベーションだとか、気分だとか、そういうものが上がったり下がったりす
るのは、当然あるものだと、最近特に感じるからです。

重要なことは、そういう「モチベーション」「意欲」などといった、曖昧な概
念に左右されてしまわないことです。

体調が悪いのなら仕方がないですが、

「モチベーション」が落ちていることなど、どうでもいい話です。

私の場合、完全に「放置」です。

気分が高揚するまで、「待つ」だけです。

モチベーションが上がらないのには、何か理由があるのではないかと、理由を
探しにいったり、

それを解消するためのテクニックを知ろうとしようとしたり、

もう、そういうことはしません。

そうすればするほど、遠回りだからです。

重要なことは、モチベーションなどというものに左右されずに、目の前のやる
べきことをキッチリやる、ということです。

それを正しく続けていけば、自然と気分は上がっていきます。

おかげさまで、

昨日(7月8日)、久しぶりにスポーツジムへ行き、筋トレをしてからプール
で1キロを泳ぐことができました。

しかも、ノンストップで、です。

水泳をやっている人にとっては、全然たいしたことはないでしょうが、私は昨
年まで、25メートルプールで「5往復」するぐらいしか泳げませんでした。

しかも、休み休みで、です。

ところが今年に入ってから「20往復」まで泳げるようになりました。

しかし、休んでばかりいるので、1キロ泳ぐのに1時間以上はかかっていたの
ですが、

昨日、休むことなく、一気に「20往復」泳げるようになり、めちゃくちゃ気
分が高揚しました。

時間は大幅に短縮して、30分で泳ぎきりました。

特に「14往復」ぐらいからは、完全に「ランナーズハイ」になり、いつまで
でも泳いでも疲れないだろうと思えるほど、幸福感に満たされていました。

こういうことってあるんですね。

モチベーションが落ちてるな、と思ったら「放置」です。

淡々と、日々やらなくてはならないことをこなしていると、モチベーションは
自然と上がってくると思いますので、ごちゃごちゃ考えずに、自分を信じて待
ったらいいかなと。