2012年7月23日

相手に少しずつ要求を飲んでもらう技術【フット・イン・ザ・ドア】

● 今回のテクニック:【フット・イン・ザ・ドア・テクニック(9)】

フット・イン・ザ・ドア・テクニックとは、はじめに小さな依頼を受け入れて
もらい、次に本当に頼みたいことを受け入れやすくするテクニックのこと。

最初の承諾が人間の心を拘束する心理術を応用している。ドアを開けた瞬間に
片足を捻じ込むセールスマンのテクニックからこの名が付けられた。ドア・イ
ン・ザ・フェイス・テクニックの反意語。


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マネージャー :
「他人に対しても、自分に対しても、否定を繰り返していると論理的に物事
を考える力が落ちてくる、こういう話をしたよね?」


部下 :
「ええ。否定する、と決め付けているわけですから、ロジカル思考ではいら
れなくなってきますよね」


マネージャー :
「自分で決めたことなのにそれさえもしない、というのも自己否定につなが
るということも言ったよね」


部下 :
「そうですね……。私も気をつけなくてはいけません」


マネージャー :
「少しずつ変えていったらいい。いきなり高いハードルを超えようとするか
ら遠回りになる。小さいハードルを越え続けたほうが、結果的に断然近道な
んだから」


部下 :
「そうですね……。近道ばかり考える人間にはなりたくないとは思ってま
す」


マネージャー :
「まずは、他人に対して否定的なコメントをするのはやめよう。反論したく
なるときもあるだろうが、否定から入るのはやめたほうがいい」


部下 :
「そうですね。私も後輩が言うこと、すぐに否定したくなるときがあります
が、それはやめておきます」


マネージャー :
「あと、自己否定するのもやめたほうがいい。さっきも言ったとおり、自分
で決めたことを先送りにしたり、中途半端にしかやらないのは、自分を裏切
っていることと同じだから、これもやめてしまおう」


部下 :
「そうですよね。それも、やめます。自分で決めたことなんですから」


マネージャー :
「自分で決めたことはやり切る、と決めると、やり切れないことは中途半端
に引き受けなくなる。これがいいんだよな」


部下 :
「うーん……。耳が痛いですね。確かに、適当な気持ちで引き受けてしまう
ことがあって、頭が整理できなくなるときがあります。論理的思考能力が落
ちてしまうのも無理ありませんね」


マネージャー :
「やり切る習慣がないと、頭は整理されていかないよ。ストレスがたまるば
かりだ。それと、やはり上司が言うことに対しても否定するのはやめよう。
少し違う、と思っても、まずはやってみないとわからないんだから」


部下 :
「そうですね……。っていうか、私はそんなに上司に対して反抗したりとか
していないと思いますが」


マネージャー :
「そうだっけ?」


部下 :
「そうですよ、課長」


マネージャー :
「そうか。そうだよな。最近、多いんだよ。自分の決めたこともやらず、上
司の依頼さえも断るのが」


部下 :
「とんでもないですね。給料をもらっている以上、そんなこと許されるわけ
がないというのに……」


マネージャー :
「あ、そういえば8月のお盆休みまでに9月の新製品発表会に向けた準備を
進めないといけないという話になった」


部下 :
「ええ」


マネージャー :
「それで、準備プロジェクトを作るから君も入ってくれるかな?」


部下 :
「あ、まあ……はい」


マネージャー :
「それで、できれば君にプロジェクトリーダーになってもらいたいんだ。さ
っき言ってた君の後輩もプロジェクトの一員になるから、君がリーダーだと
やりやすいだろうと思って」


部下 :
「私がリーダー、ですか?」


マネージャー :
「そう。大丈夫だよね?」


部下 :
「え、まァ……。んんん、はい」


マネージャー :
「それで明日、ちょうど夜7時からミーティングがあるので出て欲しい。商
品開発部の連中も来てもらいたいから、彼らにも案内しておいてもらえない
かな」


部下 :
「え? 私ですか?」


マネージャー :
「君がリーダーだからだよ」


部下 :
「あ……はァ」


マネージャー :
「とはいえ残業はできる限り減らして欲しいから30分以内で切り上げてく
れ。そのためには事前に資料を作っておいたほうがいい。今から作ってくれ
ないかな。私も手伝うから」


部下 :
「え? あ……はい」



……小さなお願いから、少しずつ「お願い」のレベルや量を上げていくのを、

「フット・イン・ザ・ドア」

と言います。

これは単なるコミュニケーション技術で利用するだけでなく、事業そのものに
も当てはめられる概念ですよね。

商品は、「フロントエンド商品」と「バックエンド商品」とに大別できます。

この考え方も、結局のところ「フット・イン・ザ・ドア」。

購買の最終ジャッジはいつも人間がするわけですから、このように行動心理学
を深く知っておくということは重要なポイントになると私は考えています。

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【編集後記】

先週の土曜日(7月21日)から、沖縄の宮古島へ家族で来ています。

2日連続で、朝から妻と、宮古島の海岸線を目にしながら早朝ランをして、い
い汗をかいています。

また、ホテルにフットサルのコートがあったので、

昨夜は「サッカーが大好きなくせにリフティングの苦手な息子」に、リフティ
ングの特訓!

私はサッカーについてド素人ですが、練習を繰り返していると、

日ごろから10回や20回しかできない息子が、何とか「40回」までできる
ようになりました。

40回までできたときは、もう、それはそれは嬉しくて、息子と抱き合って喜
びました。

どんなにレベルが低いことであろうと、他人との比較ではなく、過去との比較
で、

少しでも成長していれば、その実感は喜びに変わりますね。

明日も妻と「朝ラン」して、岐路につきます。

そして、これで私の、家族との夏休みは終わりです。(苦笑)

お盆周辺は一週間、東京でまた「NLPトレーナーズトレーニング」がありま
すので……。