2012年8月3日

世界一シンプルなマネジメント術【イエスセット】

● 今回のテクニック:【イエスセット(16)】

イエスセットとは、相手(部下)が必ず「イエス」と答える質問を繰り返し、
「同意」を促す手法。

コミュニケーションをコントロールしやすくすることが目的である。「ハイ」
と手を挙げさせて催眠にかける「催眠商法」と原理は似ている。

打合せをはじめる冒頭に3、4回(2回程度では少ない)必ず相手が「はい」
もしくは「そうですね」と答える質問を繰り返し、本題に入ると効果的と言わ
れている。


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マネージャー :
「先日、目標を達成することに『運』は関係がないという話をしたよね?」


部下 :
「はい。そうですね。目標が達成するまで試合をすればいいということでし
た」


マネージャー :
「そうそう。時間はたっぷりある。運が悪いときもあるだろうけど、いくら
でも取り返しがつくということだよね」


部下 :
「確かに、そうですよね。時間はたっぷりある、と思わないといけないです
よね」


マネージャー :
「オリンピックとは違うから」


部下 :
「はい。そうですね。オリンピックで頑張っている人たちを観ていると、自
分の目標ぐらいは達成しないと恥ずかしいですよね」


マネージャー :
「本当にそうだな。とはいえ、なかなかそういう風に考えられない人もいる
だろうけどね」


部下 :
「ええ。そうですよね」


マネージャー :
「ところで、先日の営業会議に社長が出席していたよね?」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「あのとき社長、目標は絶対達成して欲しい。しかしコスト意識もしっかり
持てと言っておられたよね?」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「これをどう解釈するか、だが、新たにコストをかけずに、売上をアップし
ろということだから、やはり我が営業部の動きを変えて欲しいという気持ち
だと思うんだよな」


部下 :
「そうですね」


マネージャー :
「ということは、営業の動きを変えろ、ということだよね?」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「営業の動きって、量と質とに分割できるよね?」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「量は、客観的に評価できるけど、質は、客観的に評価しづらいよね?」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「ということは、営業の活動量をアップするということになるよね?」


部下 :
「そうですね」


マネージャー :
「コストをかけず、しかも労働時間も増やさずに、活動量だけを増やすとい
うことになると、お客様との接触時間はドンドン減っていくよね?」


部下 :
「ええ。確かに、そうですよね」


マネージャー :
「実は接触時間が短ければ短いほど、相手とのラポール、つまり信頼関係は
増していくんだ。テレビのコマーシャルとか、とても短いよね?」


部下 :
「あ、はい。確かに」


マネージャー :
「インターネットの広告も熟読なんかせず、チラッと見るだけだよね?」


部下 :
「ええ。まァ」


マネージャー :
「ちょっとした接触が、とても重要なんだ。この単純なる接触機会を継続し
て行うと、単純接触効果が働く。『単純接触』って……単純な接触と書くよ
ね?」


部下 :
「あ、はい」


マネージャー :
「その接触事態にあまり意味を持たせず、相手の記憶に刷り込むように接触
していく、これがいいんだよ」


部下 :
「へえ」


マネージャー :
「そういえば、君は職場で知り合った人と結婚したよね?」


部下 :
「あ、はい」


マネージャー :
「近くにいつもいる人とは、単純接触効果が働いて、親近感を覚えるものさ。
理屈じゃない」


部下 :
「ああ、そうです、ね……」


マネージャー :
「今は携帯電話とかインターネットがあるからいいけど、昔は遠距離恋愛っ
てなかなか続かなかった。これも、論理的に説明できるよね?」


部下 :
「なるほど……。単純接触効果で愛も深まるわけですか」


マネージャー :
「そう。だから、家族のことを考えたら、毎日早く帰宅したほうがいいよ
ね?」


部下 :
「そうですね。本当にそう思います」


マネージャー :
「でも、結果も出していないのに、早く帰るのは気が引けるだろうから、と
にかく結果を出して毎日定時で帰るようにしよう」


部下 :
「わかりました。とにかく活動量を圧倒的に増やします。そして、単純接触
効果を狙って、お客様との距離を近づけます」


マネージャー :
「そうだな。お客様との愛を深めよう」



……『単純接触効果』とは、アメリカの心理学者、ロバート・ザイアンスが提
唱した「ザイアンス効果」のこと。

単純な接触を繰り返すことで、相手との信頼関係が構築されていくというもの
です。

その単純接触を部下育成やマネジメントに生かす名著があります。

お勧めです!

【参考書籍】「世界一シンプルなマネジメント術 3分間コーチ」

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4887596251/mysterycon0c-22/ref=nosim

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【編集後記】

8月1日の夜、大阪にて「お祭り騒ぎ的」な講演がありました。

東大阪を拠点に置く、機械工具の若き経営者が集まる、大阪機会工具商青年部
(OMJC)が主催してくれた講演です。

その講演には、大阪機会工具商青年部の会員の皆様を含め、90名ほどが出席
していただきました。そして大変盛況に終わることができました。

特筆すべきことは、

大阪機会工具商青年部に所属する経営者の皆さんが率先して「脱会議」を実施
してくださったことです。

以前、アナウンスしたとおり、5月24日より、

「脱会議100日マラソン 〜1億円の会議コストを削減して日本を元気にし
ようプロジェクト」

がスタートしています。

FBページ → http://www.facebook.com/kaigicost
関連ページ → http://ameblo.jp/kaigicost/

そのプロジェクトに協力する形として、総額2500万以上もの会議コストを
削減し、計上してくださったのです。

いろいろな経営者の方と意見交換したのですが、

「ほぼ全支店の会議をなくしたが、何ひとつ問題がない。逆に、組織内のコミ
ュニケーションが増えた」

「過去の報告をする会議は全部なくし、未来の話しかしないようにした」

などと、嬉しいコメントをたくさんいただきました。

今回の講演は「営業に夢と希望を!」というテーマでしたが、そのためには無
駄な会議をしていてはダメですね。

上司は部下とのコミュニケーションを会議室で実施するのではなく、日ごろか
らの「単純接触」でやってほしいですよね。

「単純接触」であれば、「時間がない」などとは言えないはずですから。

さて、

前述した「脱会議100日マラソン」もあと8月21で終了します。

会議を削減された方は本メルマガの返信でいいですから教えてくださいね。

削減された会議の「数」「時間」「参加者数」を教えていただければ、我々プ
ロジェクトメンバーが計算しますので。

お待ちしております!