2012年8月15日

脳の3大原則のひとつ「空白の原則」とは?【好意の返報性】

● 今回のテクニック:【好意の返報性(7)】

好意の返報性とは、人は好意を受けられると、それを返したくなるという習性
のことで、ミラーリング効果ともいう。

相手とコミュニケーションをする際も、好意をもって接するのと、そうでない
のとでは相手の反応も異なる。特に信頼関係(ラポール)が崩れてきたときに
は、「きっと……に違いない」と思い込み、決め付けたような悪意ある物言い
をしてしまうものである。

ニューロロジカルレベルの概念を意識し、どんな相手であろうと、その「アイ
デンティティ」や「価値観」には好意を持ち(承認し)、相手のとった「行
動」にこそフィードバックしたいものだ。


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マネージャー :
「現状を変える行動をすることで脳は活性化され、幸運を引き寄せられると
思うんだよ」


部下 :
「ええ。そうですよね」


マネージャー :
「そうでないと、脳の中に雑草が生い茂り、たとえ幸運の光に照らされていても、その光に気付かないだろうから」


部下 :
「はい。脳の中の雑草を踏みしだいて、道を作っていく必要がありますね」


マネージャー :
「そのためには、行動をすることだな。過去からの延長線上にない行動をす
ることで、道は拓けてくる」


部下 :
「まさに、道を開拓する、という表現がぴったりですね」


マネージャー :
「君は理解がはやい」


部下 :
「いえいえ。そんなことありません」


マネージャー :
「今年の1月に中途入社してまだ7ヶ月ぐらいしか経過していないのに、他
の営業と遜色のない活動をしている」


部下 :
「いえいえいえ。たまたまです。多くの人に助けられています」


マネージャー :
「たまたまじゃないよ。これはスゴイことだ。本当に私は君に好感を持って
いる」


部下 :
「いやいや……」


マネージャー :
「君の採用面接をしたのが私だから、よけいに嬉しいね」


部下 :
「ありがとうございます。40歳を過ぎて転職してきたものですから、もう
必死です。若い方に助けられています」


マネージャー :
「その謙虚な姿勢は素晴らしい。前の会社では製造部長だったよね?」


部下 :
「はい。営業なんてやったことがないものですから、もうどうしたらいいか
わからなくて、周りの人に質問しまくっています。皆さんに迷惑をかけてい
るんじゃないかと心配で……」


マネージャー :
「その姿勢がスゴイんだよ」


部下 :
「いえいえ、そんな……。当たり前だと思います」


マネージャー :
「その当たり前のことが、なかなかできないんだ。君の面接をしたとき、他
に30歳ぐらいの候補者が3人いた」


部下 :
「え? そうなんですか?」


マネージャー :
「そう。でも私が採用したのは君だけだった。正直なところ社長や専務は、
もっと若い人を採ってほしいと言われたんだけど、私は譲らなかった」


部下 :
「部長……」


マネージャー :
「君は採用面接のときに、当社のホームページや社長のブログを一字一句全
部読んできたよね?」


部下 :
「あ、はい」


マネージャー :
「しかも、わが社のパンフレットや商品カタログを事前に入手して、ほぼす
べて暗記して面接に臨んだ」


部下 :
「はい……。当たり前だと思いますが」


マネージャー :
「当たり前?」


部下 :
「はい。履歴書にも書いたとおり、私は高校中退です。40過ぎで、前の会
社では部長という役職についていました。こんな人間、誰が雇ってくれるん
ですか? 30社ほど履歴書を送ったんですが、すべて落ちているんです」


マネージャー :
「……」


部下 :
「この会社だけですよ。私を面接にまで呼んでくれたのは。そりゃあ、必死
になります」


マネージャー :
「しかし、面接に来いと言われてから面接の日まで、3日しかなかったはず
だ」


部下 :
「3日もあれば、ホームページや社長ブログ、商品カタログに書かれている
ことは覚えられます。現場も行けますし、御社の商品を妻と買ってみて、試
すこともできました」


マネージャー :
「え? 現場まで行ったの?」


部下 :
「もちろん行きました。お客の振りをして、販売員に商品の説明を聞いたり
しました」


マネージャー :
「……どうして、そこまでやれるんだ? 採用されるかどうか、わからない
だろう?」


部下 :
「どうしてって……? そこまでやらなくてどうするんですか?」


マネージャー :
「……!」


部下 :
「もちろん、採用されるかどうかはわかりませんが、就職活動は自分の人生
を決める、これ以上にない重要なことだと思っています。言葉は正しくない
かもしれませんが、死ぬ気でやりました」


マネージャー :
「……」


部下 :
「もしこの会社が落とされても、また別の会社の面接を受けるときに、死ぬ
気で準備したと思います。当たり前だと思います」


マネージャー :
「スゴイね、君は」


部下 :
「スゴイですか? 普通です」


マネージャー :
「前の会社を退社してから、一度もやったことのないことに必死になって取
り組んだ。だからものすごく脳は活性化され、幸運の女神が降り注いだ」


部下 :
「部長が女神だったんですね」


マネジャー :
「いやいや、俺が女神ってことはないだろう」


部下 :
「部長は女神ですよ。妻と子供にも、いつも言ってるんです。本当に命の恩
人だと」


マネジャー :
「入社してからも、同じような姿勢で、周りの人に相談しまくってるだろ
う? 君はとにかく動き回ってる」


部下 :
「本当に皆さんにはお世話になっています」


マネジャー :
「そのがむしゃらな姿勢は、本当に好感が持てるね」


部下 :
「いやいやいや、普通だと思います」


マネジャー :
「普通か……。それがなかなか普通にできないものなんだよ。おそらく君の
脳には常に空白があるんだ。『脳の空白の原則』からすると、その空白を埋
めるために能動的に動きたくなる」


部下 :
「空白の原則……」


マネジャー :
「他の連中には、その空白がない。空白がないから、動けないし、他人の話
を聞いても吸収しない。だから成長もしない。結果も出せない」


部下 :
「いえいえ。私は普通のことをしているだけです」


マネジャー :
「好感もてるねェ。君は」


……現在私は、1週間、東京にて、米国NLP協会理事クリスティーナ・ホー
ル博士の下で、「NLPトレーナーズトレーニング」を受講しています。

あらためて「脳の空白の原則」の大切さ、重要度を思い知らされています。

全国から集まった27人のトレーナー候補の皆さんは、おのおの巨大な空白を
お持ちで、彼らの探究心の旺盛さを目の当たりにして、私は圧倒されていま
す。

拙作「絶対達成する部下の育て方」や私のセミナーなど、すべてのノウハウの
ネタ元と言ってもいい、「NLPの基本がわかる本」を今一度紹介したいと思
います。

このメルマガで何度紹介したかわかりません。私が最もお勧めする傑作です。

【参考書籍】「NLPの基本がわかる本」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/482074447X/mysterycon0c-22/ref=nosim


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【編集後記】

先日、「続ける技術」「教える技術」で有名なベストセラー作家、石田淳さん
と、ランチをしました。

石田さんは「続ける技術」を書いたときから、編集部の方々とマラソンをはじ
め、さらに今ではトライアスロンが趣味だとのこと。

ランチしているときも石田さんから、

「一緒にトライアスロンやろうよ」

とやたらと誘われました。さらに妻からも

「やったらいいよ!」

と背中を押され、そのせいもあってか、少しずつにその気になってきました。

トライアスロンは距離によって、いろいろな種類があるようです。

一番ライトなもので「オリンピック・ディスタンス」というものがあり、

これなら、スイム「1.5キロ」バイク「40キロ」ラン「10キロ」でいい
ようです。

ちなみ私は、現時点では1キロ泳ぐことはできますが、メチャクチャゆっくり
です。相当鍛えないと、制限時間内に泳ぎきることは無理でしょう。

ロードバイクは所有さえしていません。

走るのは、3キロぐらいしか走れていません。

現在、東京でトレーナーズコースを受講していますが、毎日のようにランニン
グして、距離を6キロぐらいにまで伸ばしてきています。

トライアスロンに参加するかどうは別にして、何か目標に焦点があたると、
日々のトレーニングに対するやる気もあがってきますね。

現状維持ではとうてい叶わない目標を設定することで、脳に大きな空白ができ
たからだと思います。

とはいえ、このことは石田さんには黙っておこうと思っています。

(石田さんの部下のひとりが、このメルマガの読者なので時間の問題だとは思
いますが……)