2012年8月23日

最速で結果を出す人の『戦略的』時間術【ロー・ボール・テクニック】

● 今回のテクニック:【ロー・ボール・テクニック(9)】

ロー・ボール・テクニックとは、まずは相手が受け取りやすいボールを投げて
から、徐々にオプションを増やしていく方法である。

説得される側は、気がついたときには最初の条件よりも吊りあがっているため、
騙されたと感じるかもしれず、リスクは高い。

フット・イン・ザ・ドア・テクニックよりも強力な説得技術と言われているが、
多用は禁物である。


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マネージャー :
「今日も遅くまで仕事をしてるな」


部下 :
「あ、すみません。もうすぐ帰宅します」


マネージャー :
「夜の10時だよ」


部下 :
「大丈夫です。前の会社では、11時でも12時でも平気でしたから」


マネージャー :
「何か勘違いしてないか? 長時間労働はダメだよ。この会社では」


部下 :
「あ、すみません」


マネージャー :
「前も話したとおり、脳が活性化していないと『幸運』とも巡り合えないも
のなんだから」


部下 :
「ああ、そうですよね。でもU主任が言っていたんです。一心不乱に、がむ
しゃらに動いていたら、幸運の恵みは微笑んでくれるって」


マネージャー :
「……いやいや」


部下 :
「ち、違いますでしょうか……」


マネージャー :
「がむしゃらに働くことを否定はしないけど、さっき言ったように、脳が活
性化していないとダメなんだ」


部下 :
「私はどちらかというと『夜型人間』なんです。夜は強いので大丈夫です」


マネージャー :
「だーかーらー、そういうことじゃないって」


部下 :
「はい……」


マネージャー :
「昨日、提出してくれた資料なんだけどさ、クリアファイルに入れて持って
きただろ?」


部下 :
「あ、はい」


マネージャー :
「このクリアファイル、返しておくよ」


部下 :
「ああ、別にいいですよ。クリアファイルぐらい、いくらでもありますか
ら」


マネージャー :
「中に手紙が入ってた」


部下 :
「……!?」


マネージャー :
「クリアファイルの中、見てみろ」


部下 :
「……」


マネージャー :
「……」


部下 :
「……」


マネージャー :
「お子さん、いくつだ?」


部下 :
「……さ、3歳です」


マネージャー :
「宛名がないから、俺への手紙かと思って開けてしまった」


部下 :
「……」


マネージャー :
「封が閉じてあったということは、いま初めて読んだんだろ?」


部下 :
「はい……」


マネージャー :
「どうしてそんな大切な手紙を、会社の資料と一緒にクリアファイルへ放り
込んだ?」


部下 :
「いや、これは……! 別にわざとそうしたわけじゃないんです。間違えた
んです」


マネージャー :
「わかってるよ! 嫌味な質問をした俺が悪かった」


部下 :
「いえ、すみません……」


マネージャー :
「3歳のお子さんが描いたその絵は、海水浴している絵か?」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「奥様の手紙も入ってた」


部下 :
「はい……」


マネージャー :
「旅行代理店のパンフレットの写真を見て、お子さんは描いたんだって」


部下 :
「……」


マネージャー :
「一度も海水浴に連れて行ったことはないんだな」


部下 :
「……プールにも、ありません」


マネージャー :
「お子さんといつ会うんだ?」


部下 :
「平日は会っていません」


マネジャー :
「そりゃそうだろう。誰よりも早く出社してるもんな。7時過ぎだろ、会社
に来てるの」


部下 :
「ええ。前の会社でもそうでしたから」


マネジャー :
「お盆休みのときも、半分は出社してただろう?」


部下 :
「……」


マネジャー :
「むごいことを言うが、長時間労働をしてる奴を俺は認めん」


部下 :
「……すみません」


マネジャー :
「能力がないから労働時間が長くなるんじゃない。労働時間を長くしている
と、能力が上がらないんだ。『逆算思考』で考えてくれ」


部下 :
「……」


マネジャー :
「明日から残業はゼロにさせる」


部下 :
「え……!」


マネジャー :
「絶対に残業はさせない。定時の6時になったら帰れ。猶予時間は15分だ。
6時16分になっても事務所にいたら、外へ放り出す」


部下 :
「し……しかし、いきなりそれは無理です。業務が立て込んでいるものです
から」


マネジャー :
「そんなこと知らん。俺が横についてすべての業務を割り振ってやる。だい
たい君は仕事を抱え込みすぎだ。俺の裁量で一気に役割分担させる」


部下 :
「……」


マネジャー :
「見ていると、やるべきこと以外のこともやりすぎだ。いま抱えている仕事
を俺がいったん片付けてやる」


部下 :
「ど、どうして、そこまで私にしてくれるんですか?」


マネジャー :
「え?」


部下 :
「だって前の会社では『いつも頭をもっと使え』としか言われなくって」


マネジャー :
「あたりまえだ」


部下 :
「え?」


マネジャー :
「俺はお前の上司だからだよ」


部下 :
「……!」


マネジャー :
「……」


部下 :
「……」


マネジャー :
「今日はもう帰れ」


部下 :
「は、はい」


マネジャー :
「あ」


部下 :
「え」


マネジャー :
「来週の月曜日、休みをとれ」


部下 :
「え?」


マネジャー :
「ここに長島スパーランドのチケットがある」


部下 :
「長島……?」


マネジャー :
「ちょうど3枚ある。月曜日に行ってこい。誰を連れて行ってもいい」


部下 :
「え、いや……。そんな、残業もできないのに、休みなんかとれるわけがな
いと思います」


マネジャー :
「だから俺がついてるから大丈夫だって。俺を信用していないのか?」


部下 :
「いえ……でも」


マネジャー :
「あ、それとさ」


部下 :
「はい」


マネジャー :
「ジャズドリーム長島っていう、アウトレットモールがあるんだよ。そこで、
香水を買ってきてくれ。俺の妻が欲しがってるから」


部下 :
「……」


マネジャー :
「頼むな。月曜日に休みをとってもらうから、明日からこれまでの3倍ぐら
い集中して仕事をしよう」


部下 :
「……」


マネジャー :
「泣くなよ」


部下 :
「部長は……私の娘が……、娘の誕生日が月曜日だって知ってて……」


マネジャー :
「しょうがないだろ、手紙、読んじゃったんだから」


部下 :
「それでチケットを……」


マネジャー :
「俺って恩着せがましいだろ?」


部下 :
「部長」


マネジャー :
「短い期間で仕事を完遂させることで脳の基本回転数は上がり、もっと脳は
活性化していく。そうすれば、必ず素晴らしい運に巡り合えるさ」


……いつも定時で帰り、プライベートの時間はしっかり確保しつつ、常に最高
の結果を出す!

そんな夢みたいなことができるのか?

できます。

マーケティングコンサルタントとして活躍中の理央周氏が、MBAの知識を応
用した時間戦略というものがあります。それを解説した書籍を今日は紹介いた
します。

大ヒットした「サボる時間術」と伴わせて読むと理解が深まります。

ちなみに……

本書には、私、横山信弘が紹介されるページがあります。

理央さんはそのことを私に一切教えてくれませんでした。アタックスのコンサ
ルタント2人から、「この本に横山さんが出てくるよ!」と教えられてはじめ
て気付いたのです。

理央さん、憎いことやってくれますね……。でも、ありがとうございます!!


【参考書籍】「最速で結果を出す人の『戦略的』時間術」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569805523/mysterycon0c-22/ref=nosim

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【編集後記】

5月14日にスタートした「脱会議100日マラソン」が8月21日に100
日目を迎え、終了いたしました。

このプロジェクトは、100日間で無駄な会議を1億円分削減し、日本を元気
にしよう! という掛け声のもと、有志13人が集まって結成されたものです。

私以外は、アタックスからも、日経BP社からもメンバーは加わっていません。

完全なるボランティアで集まったメンバーが100日間、奔走してくださいま
した。

FBページ → http://www.facebook.com/kaigicost

実際に、積み上げられた会議削減額は、【1億879万8700円】!

まるで計算されたように、ゴール直前に1億円を突破しました。

ここにいたるまで、私はこの100日間、相当に濃密な時間をすごさせていた
だきました。

脱会議を実践してくださった多くの方は、経営者や経営幹部の方々ではありま
せん。

無駄な会議をなくし、組織改革を進めようと奔走してくださった、中間管理職、
もしくは一般社員の皆様でした。

本当にありがとうございます。

私も正直なところ、この100日間、何度かくじけそうになり、「ちょっと無
理なんじゃないか」と思ったことがありました。

それでも「幸運」は引き寄せられるのですね!

メルマガで理論ばかりを発信するだけでなく、リアルに現在進行形でこのよう
に活動報告をすると、

大きな緊張感、プレッシャーを感じます。しかし達成できたときの喜びはひと
しお。

感動の大きさが違います。

とはいえ「脱会議」は一過性のテーマではありませんね。

今後も、無駄な会議をなくしていけるよう、草の根運動を続けたいと思います。

どうぞよろしくお願いいたします。