2012年9月2日

科学的に「共感」を得る方法とは?【ハード・トゥ・ゲット・テクニック】

● 今回のテクニック:【ハード・トゥ・ゲット・テクニック(10)】

ハード・トゥ・ゲット・テクニックとは、「あなただけが手に入れられる」
「あなたしかできない」という選民意識を相手に植えつけ、こちらの思惑通り
の行動へ誘導させるコミュニケーション術である。

営業のモチベーションアップ、もしくは行動変革を促す場合には、「君がオン
リーワンの存在なんだ」と訴えかける必要がある。

どんなコミュニケーション術でもそうだが、特にハード・トゥ・ゲット・テク
ニックを実践する場合は話す側の「心」が必要だ。本気で「あなただけ」とい
う気持ちがないと伝わるはずがない。


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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「思い込みって怖いよな。思い込みが強すぎると、チャンスを引き寄せられ
なくなるから」


部下 :
「先入観って奴ですね」


マネージャー :
「そう。先入観が強い人間は、運を引き寄せることができなくなる」


部下 :
「何かにレッテルを貼ってばかりいると、物事を多元的に見られないですも
のね」


マネージャー :
「いいこと言うじゃない」


部下 :
「昔、野球に打ち込んでいたときに監督に言われたんです」


マネージャー :
「どんな風に?」


部下 :
「いろんな角度で物事を見られるようになるまでには、何年もかかるもんだ
って。それだけなんですけど、社会人になってから、その監督の言葉がすご
く役立ってます」


マネージャー :
「君は商社の出身だったな」


部下 :
「ええ。倒産してしまいましたが、最後まで会社に残りました」


マネージャー :
「辞めていく同僚も多かったんじゃないか?」


部下 :
「はい。船が沈む前に脱出したほうがいい、と散々言われました。親にもそ
う言われました」


マネージャー :
「どうして辞めなかったんだ?」


部下 :
「倒産すると思わなかったんです」


マネージャー :
「……」


部下 :
「みんなから、『バカじゃないの』って言われました。でも、私は社長を信
じていました。社長は『俺ひとりが残っても会社を立て直す』って言われて
ましたから」


マネージャー :
「……それで、辞めなかったのか」


部下 :
「怖かったですけど、私はまだその会社に入って3年しか経っていませんで
した。いろんな角度で、仕事について見られるようになったわけでもないの
に、決め付けた言い方はできませんでした」


マネージャー :
「ほう……」


部下 :
「自分で判断できないなら、社長を信じてみようと思ったんです」


マネージャー :
「なるほど。でも実際に倒産してしまった」


部下 :
「はい。メチャクチャ残念でした。でも、今となっては、本当にいい経験で
した。いろんな世の中のことを見ることができて」


マネージャー :
「その後、その社長はどうしてるんだ?」


部下 :
「……いや、わからないです……」


マネージャー :
「え?」


部下 :
「今はどうされてるか、わかりません。ある日出勤したらオフィスに入るこ
とができなくなっていて……。社長とは音信不通状態なんです」


マネージャー :
「……」


部下 :
「あのときは私もどうしたらいいかわからなくなって……。でも、半年以上
経ってから、少しずつ前向きに考えられるようになりました」


マネージャー :
「けっこう傷ついただろ?」


部下 :
「平気だった、といえばウソになると思います。でも、おかげで物事をいろ
いろな角度で見られるようになってきました」


マネージャー :
「君は いくつだっけ?」


部下 :
「26です。今年、27歳になります」


マネージャー :
「若いのに、いろんな修羅場を体験しててるんだな」


部下 :
「いえいえ」


マネージャー :
「そういえば、フェイスブックはどうだ? もう3ヶ月経っただろう? 友
達は増えたか?」


部下 :
「あ、いえ……」


マネージャー :
「どうした?」


部下 :
「いやー。なんか、私には、性に合わないというか……。何を書いたらいい
かわかりませんし、リアルな友達もそんなに多くないですから」


マネージャー :
「何を言ってるんだ。【君だからこそ】、フェイスブックはすごい武器にな
るはずだよ」


部下 :
「え? そうですか? 私なんかより、もっとITとか詳しい人のほうがい
いんじゃないですか? 私の周りの人はみんなそう言ってますよ」


マネージャー :
「ははは。それがいわゆる『先入観』って奴だ。そんなことはない」


部下 :
「あ、そうですね。まだ始めたばかりなのに、決め付けた言い方をしてしま
いました」


マネージャー :
「どうやったら、人から共感されるかわかるか? 苦境はあっても乗り越え
て目標を達成しようとするその姿に、多くの人は共感する」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「共感って言うのは、他者と感情を共有することだ。感情は、過去の体験を
下敷きに作られているから、まったく同じ体験でなくとも、自分の過去と照
らし合わせて同じような感情を抱けば、共感されることは多くなる」


部下 :
「ええ」


マネージャー :
「誰だって、苦労して苦労して苦労してつかんだものはあるだろう。だから、
君の体験したこと、これからしようとしたことを記事としてアップすれば、
多くの人から共感される」


部下 :
「そうですか……」


マネージャー :
「それは【君だからこそ】できることなんだよ」


部下 :
「わかりました。とりあえず、2、3年は続けてやってみます。先入観がな
くなるまでは、やってみます」


マネージャー :
「君なら、同じように苦労して素敵な目標を手に入れた友達が寄ってくるに
違いないよ」


部下 :
「以前、お世話になった野球部の監督や、そのときのメンバーをフェイスブ
ックで探してみます」


……本メルマガは、過去の体験によってできた「現状維持バイアス」をはずし、
コツコツと前へ進もうとしている人に読んでもらい、

「共感」を得られるような内容にしています。

ですから、

「誰にでも手っ取り早くうまくいく方法を教えてくれ。ストレスなんかかけず
に、とにかく早く結果を手に入れたいんだ」

という人には「共感」されない内容となっています。

しかし、

私は、「面倒くさいことはせずに、成功する方法がどこかにあるはずだ」と、
潜在意識の奥深いところから信じている人など、実存しないのではと考えてい
ます。

誰しも、何かを成し遂げようとしたときに、それなりの苦労や、辛いことを繰
り返し繰り返しした体験があるはずです。

その努力や労苦があってこそ、何かを達成した喜びもひとしおなのですから。

人に「共感」されるためには、どれだけ過去に「苦労して続けたことがある
か」「ストレスはかかってもやり遂げた経験があるか」

に、かかっているのだと思います。

私のフェイスブックの記事に来てくださる方々も、多くはそういう過去を持っ
ている人たちですね。

【横山信弘のフェイスブック】
http://www.facebook.com/nyattx

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【編集後記】

先日、妻が朝日新聞の「天声人語」を、専用ノートに毎日書写しているという
記事をフェイスブックにアップしたところ、

多くの方から「いいね!」を押下され、コメントもいただきました。

以前、

5歳の娘が近所のゴミ拾いを100日間続けたという記事をアップしたときも、

膨大な「いいね!」をもらい、数え切れないほどの「シェア」をされました。

やはり、

「何かいいことないかな」と呟きながら、気持ちの浮き沈みで、やるか、やら
ないか、を決めるのではなく、

諦めることなく何かを続ける。

結果を出すか出さないかは別にして、続けている人の言動に多くの方は「共
感」し、賛辞を送るのだなと、

フェイスブックをしながら、強く感じます。

人から、誤解されることもあるでしょう。

しかし、それ以上に理解してくれる人は確実にいます。

何かを継続する、その事実だけで、それに「共感」し、パワーをくれる人が集
まってきますね。