2012年9月6日

芸術とは、最も美しい嘘のことである。【イエス・バット法】

● 今回のテクニック:【イエス・バット法(14)】

イエス・バット法とは、『応酬話法』の代表的なテクニックである。

部下とコミュニケーションをしている最中、相手の答え/考えが間違っていた
り、的を外していたりすると、ついつい反射的に抵抗してしまいたくなる。

それをグッと我慢し、まずは相手の反応を受け止め(Yes)、柔和に反論し
(But)、戦略的に交渉を進める方法である。

マネージャが部下の行動変革を促したい気持ちが強い場合、また部下のことを
考えて話しているのにもかかわらず頭ごなしに否定されたとき、いかに感情を
セーブできるかがポイントである。

簡単そうに思えるが、訓練・場数を踏まないと瞬間的に対応することは意外と
難しい。



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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「先入観が強すぎると、見えているはずのものも見えなくなるという話をし
たよね?」


部下 :
「そうですね。思い込みはよくないですよね」


マネージャー :
「チャンスを掴め、なんて言うけれど、思い込みが多い人はチャンスをチャ
ンスと見分けることができないんだろうね」


部下 :
「そうでしょうね。柔軟な発想が必要ですよね」


マネージャー :
「ところで、2週間前に頼んだ資料作成ってできてるかな?」


部下 :
「ああ。そういえば、そうでしたね」


マネージャー :
「そうでしたねって……どういうこと?」


部下 :
「いや、ええっと……。2週間前に言われたときって、まだ今度の展示会の
話は進んでいなかったですよね?」


マネージャー :
「【そうだね】確かに展示会の話は進んでいなかったよね。【でもさ】、私
が言っているのはその話じゃなくて、商品開発のためのモニタリング資料の
ことだよ」


部下 :
「あ! そのことですか」


マネージャー :
「そうだよ。どうなってるんだ? 一度も相談に来てないけど」


部下 :
「ええっとですね。開発部のK主任とは話をしました」


マネージャー :
「【なるほど】。K主任とは話をしたんだよね。【でもね】、私が言ってい
るのは資料作成のことだよ。開発した商品がお客様からどのような反応があ
ったのか、それをモニタリングするための資料のことだ」


部下 :
「ああ、それですか……」


マネージャー :
「どうなってるの?」


部下 :
「実は、あれからすぐに作り始めたんですが、エクセルでどのように作った
らいいかわからなくなってしまってですね」


マネージャー :
「【そうか。そうだよね】。作り始めたんだけど、エクセルがよくわからな
かったんだね? 【でもさ】、2週間も期間があるなかで、誰にも相談しな
かったの?」


部下 :
「ええ。やはりこういうことは自分の力でやり抜いてこそ、力になると思っ
たんです。ですから、いろいろ図書館とかに行って、エクセルでの資料作成
について勉強したりして……。それで遅くなってしまいました」


マネージャー :
「うーーん。なんか思い込みが激しいね。そんなこと言ってないで、誰かわ
かる人に相談すればいいんだよ。とにかく今できている段階のものを見せて
くれないかな?」


部下 :
「え?」


マネージャー :
「だから、現段階のものを一度見せてくれよ」


部下 :
「いや……。実はパソコンが今朝からおかしくなって、ですね」


マネージャー :
「はァ?」


部下 :
「ちょうどシステム部の人に相談しようと思ったんです」


マネージャー :
「パソコン?」


部下 :
「そうなんです。その資料を格納していたフォルダだけが、なぜか消えてし
まってまして……」


マネージャー :
「【わかった】。せっかく作った資料が消えてしまったんだね。【しかし】、
本来なら私が声をかける前に、進捗具合を自分で報告するものだよ」


部下 :
「わかりました。以降、気をつけます」


マネージャー :
「ところで、ドビュッシーって聞いたことあるかな?」


部下 :
「え……? 名前ぐらいは知っていますが」


マネージャー :
「かつてドビュッシーは『芸術とは、最も美しい嘘のことである』という名
言を言っている」


部下 :
「へえ」


マネージャー :
「君の言い訳は、まるで芸術だよ。美しくはないけど」


部下 :
「はぁ」


……メルマガを発行しはじめて4年と5ヶ月が経ちました。

時間に余裕がないときもありますが、やはり継続しないといけませんね。

今日は本当に余裕がないのですが(汗)、「気合い」で書こう! と思い立ち
書いています。(苦笑)

今後ともどうぞよろしくお願いいたします!

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【編集後記】

ものすごく嬉しいことがありました。

日経ビジネスオンラインの「2012年8月」の月間アクセスランキングで、
私のコラムが1位となったようです。

50万に迫るページビューがあったと聞いています。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20120903/236300/?ST=top

昨年連載した「脱会議」でさえも、月間1位をとったことはなかったので、す
ごく嬉しいですね。

池上彰さんをはじめ、有名コラムリストがひしめく中での快挙です。

昨日、掲載された第3回目のコラムは、

私のパワフルなメッセージが多分に含まれていますので、こちらも読んでもら
えると嬉しいです。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

■「営業はなぜ社内にいないほうがいいのか?」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20120903/236289/