2012年10月18日

「自信」の定義とは?【アンダードッグ効果】

● 今回のテクニック:【アンダードッグ効果(6)】

アンダードッグ効果とは、弱い立場にある人や不利な状況に追い込まれている
人を見ると、人間誰しも応援したくなるものである。もしその方々の一所懸命
に努力する姿を目の当たりにする機会があれば、その思いはいっそう高ぶるも
の。そんな心理効果をアンダードッグ効果といい、「負け犬効果」ということ
もある。

選挙予測報道で不利とされた候補者に同情票が集まるなどの効果も、このアン
ダードッグ効果のひとつ。

部下とのコミュニケーションに活用するためには、上司自身がプライドを捨て
なければならなかったり、多少の演技も要求される。このことなどから、現実
的にはなかなかに難しい。多用もできないだろう。

それよりも、部下にアンダードッグ効果を使われないよう気をつけておく必要
があるかもしれない。


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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「本当にまいったよ……。本当に、今回は、本当に、まいった」


部下 :
「どうしたんですか、課長?」


マネージャー :
「明日、部長から話があると思うから、言ってもいいだろう。K君が会社を
辞めたんだ」


部下 :
「え! K君がですか?」


マネージャー :
「そうだよ。本当に残念だ。期待していたのに」


部下 :
「辞めたって……。過去形なんですか? 今週も出勤してましたよね?」


マネージャー :
「うん。辞めた。もう出勤してこない」


部下 :
「……何か、トラブルでも?」


マネージャー :
「正直言って、トラブルだったら、俺もまだ納得がいくんだけど」


部下 :
「じゃあ……?」


マネージャー :
「営業はイヤだ。本当にやりたいことじゃない、って言われて」


部下 :
「え……。それだけ?」


マネージャー :
「うん」


部下 :
「……」


マネージャー :
「よくわからないけど、営業をやっていく自信がなくなった、だと」


部下 :
「K君の成績、そんなに悪くはなかったと思いますけど」


マネージャー :
「これからだったんだよ。俺の言い方が悪かったのかなァ」


部下 :
「K君に何か言ったんですか?」


マネージャー :
「あいつって、すぐに『ムリです』って言うだろ?」


部下 :
「ああ。確かに。悪い癖ですよね」


マネージャー :
「ムリだと思うことを敢えてやれよって言ったんだ。ムリだと思うことをや
るから『考える』という習慣が身につくし、それでもわからなければ誰かに
『相談』することになる。報告・連絡・相談も自動的に習慣化するって」


部下 :
「なるほど……」


マネージャー :
「言い方に問題があったのかなァー」


部下 :
「うーん……」


マネージャー :
「ホント、参ってるよ」


部下 :
「今年に入ってから、他にも2人辞めてますもんね」


マネージャー :
「ああ、T君とYさんだろ。彼らは仕方がない。家の事情とか、出産とかが
あったんだから」


部下 :
「K君が受け持っていたお客先、どうなるんですか?」


マネージャー :
「ひとまず、俺が全部受け持つよ」


部下 :
「え! でも、T君とYさんのお客先も、ほとんど課長がフォローしてるじ
ゃないですか」


マネージャー :
「しょうがないよ。君には新規開拓をしっかりやってもらいたい。それは譲
れないんだ」


部下 :
「……」


マネージャー :
「既存のお客は、俺と、H主任で何とか守る。君には新しいお客様を見つけ
てほしい」


部下 :
「でも……。課長、ほとんど家に帰ってないでしょう? 聞いた話によると、
お母さんの具合もあまり良くないんじゃ」


マネージャー :
「それを言うなよ」


部下 :
「だって……」


マネージャー :
「既存のお客様は守ってみせる。さらに、時間外労働も大幅に削減してみせ
るよ」


部下 :
「そんなのムリですよ」


マネージャー :
「ムリ? ムリじゃあ、ない」


部下 :
「え?」


マネージャー :
「ムリだと思うことをやるから、それが自信になっていくんだ。俺はK君に
そう言った。だから俺はムリだなんて言わない」


部下 :
「!」


マネージャー :
「俺は昔から、何をやってもうまくいかなかった。だから自信なんて持った
ことがなかった。でも、ようやくこの会社に入って、少しずつ自信が芽生え
てきた。お袋の体は弱ってるけど、自信のない自分を見せたくはない」


部下 :
「……」


マネージャー :
「な、もう少し、ムリをさせてくれ」


部下 :
「……」


マネージャー :
「……」


部下 :
「……私、新規開拓、やります」


マネージャー :
「……ん」


部下 :
「私が新しいお客様をドンドン開拓してくれば、課長はもっと休むことがで
きるはずです」


マネージャー :
「おいおい」


部下 :
「やります。絶対に、やります」


マネージャー :
「お前までムリをする必要はない」


部下 :
「いえ! 今まで、私は甘えすぎていました。ムリをします。不可能なこと
はやりませんが、少しぐらいはムリをします。私も自信をつけたいんです」


マネージャー :
「俺の部下がそんなこと言ってくれるなんて……。嬉しいなァ。俺も自信に
なるよ」


……相手の状況も知らないのに、

「そんなにムリをしないで」

とか

「自分らしく生きればいいじゃない」

とか、

アドバイスをする人がいます。

しかし、目の前のやるべきことを放っておいて、ムリをせず、自分らしくやっ
ていても、達成感は味わえませんし、自信は身につきません。

周りも迷惑です。

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は、11月2日発売です。お楽しみに!


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【編集後記】

そもそも「自信」とは、どういうものだろうか? と考えるときがあります。

いま、私が考える「自信」の定義は、

「ムリ」だろうと周囲から思われていることを「やれる」と言い、

おそらく、この人なら「やるだろうな」「やるに違いないに違いない」と思わ
れることかな、と考えています。

しかし、そのためには「歴史」が必要ですね。

何でもかんでも「やれる」と言うことはできますが、

「この人ならやるだろうな」と周囲に見せつけてきた過去、実績があるからで
すよね。

ということは、

「自信をもて。君ならできる」

と言って、自信を持つことができるわけではありません。

ですから、

「いまムリだと思うことをやれ。ちょっとぐらいムリをしろ」

と言うことで、「自信」がつけられるのではないかと思うのです。

「成功への階段」を昇れる気がするのです。

昨今、

「ナンバーワンよりオンリーワン」「本当にやりたいことをやればいい」

と言った、ソフトタッチの声掛けが増えすぎていて、「自信を失っている人」
が多すぎる気がします。

ストイックになれということではありません。

心が風邪をひいているのならともかく、

不可能なことをやれというのならともかく、

少しぐらいムリをしたほうが、人生は楽しいと私は思っています。

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