2012年10月4日

「MECE」とロジカルな話し方【サンクコスト効果】

● 今回のテクニック:【サンクコスト効果(11)】

サンクコスト(埋没費用)とは、既に支出(投資)された費用のうち回収不能
なもののことである。

サンクコスト効果(塹壕効果)とは、せっかく支出(投資)したのだから無駄
だとわかっていても計画を続行してしまう心理的傾向を言う。

要するに「諦めきれない」心理のことである。「コンコルドの誤謬」はまさに
歴史上最も有名な「サンクコスト効果による誤謬」と言われている。

投資を継続することにより損失が増大することが目に見えているにもかかわら
ず、これまでに費やされた費用と労力を惜しむあまりにコンコルドの開発を中
断することができなかった。

このサンクコスト効果を活用したコミュニケーションテクニックを考える。

つまり「すでに費用と労力が十分に費やされている」ことを強調することで、
相手の行動改革を促す。


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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「自分が何をやりたいのか、よくわからない。だから目の前の仕事に意欲的
になれない、という言い分は通らないよな」


部下 :
「ええ。確かにそうですね」


マネージャー :
「話が論理的につながってないんだよ。やる気が起こらないという主張の論
拠が、自分のやりたいことがよくわからない、では、因果関係がわからな
い」


部下 :
「ああ。論拠と主張がかみ合っていない、ということですか」


マネージャー :
「結局は、やる気がないのは、やる気がないからなんだよ。その主張にもっ
ともらしい論拠を当てはめようとするから、無理がある」


部下 :
「うーん、確かに」


マネージャー :
「論拠と主張とが『つながらない』話を聞いていると、相手に対する信頼度
は、自然と落ちてきてしまう」


部下 :
「ええ。わかる気がします」


マネージャー :
「ところで、今後の営業戦略について考えてもらいたいと話したが、どう
だ? どういうお客様を対象としていくのかについて聞かせてほしい」


部下 :
「ええっと……。いろいろと考えてみたんですけど、やはり建設業界しかな
いかな、と思うんです」


マネージャー :
「ほう、どうして?」


部下 :
「やはり過去の取引先を見ていても、圧倒的に建設業界が多いですし、当社
の部材を扱ってくれる業界というと……他は、なかなか難しいんじゃないか
と」


マネージャー :
「なるほど。でも、論理的な考え方じゃないね」


部下 :
「え。すみません。そうですか?」


マネージャー :
「ミーシーって知ってるか? MECEと書くんだけど」


部下 :
「ええ。もちろんです。ロジカルシンキングの研修で習いましたから。モレ
なくダブりなく、という思考方法ですよね」


マネージャー :
「そう。問題を整理する考え方として基本だけど、やはり有効な手法だと思
う」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「当社の部材を扱ってくれるような業界を漏れることなく、思案してみたか、
ということだ」


部下 :
「ああ……」


マネージャー :
「過去の体験が邪魔し、先入観を持って考えたんじゃないの?」


部下 :
「いや、そういうつもりは……」


マネージャー :
「ロジカルシンキング研修で習ったロジックツリーは使ったの?」


部下 :
「いえ、それは……使ってません」


マネージャー :
「あの研修、何日間やったんだっけ?」


部下 :
「えーっと、トータルで4日間だと思います」


マネージャー :
「一人あたり、いくら会社が支払ってると思う?」


部下 :
「え……。いくら、ですか?」


マネージャー :
「20万円だよ、20万」


部下 :
「え! 20万! ひとり20万ですかっ!」


マネージャー :
「そう」


部下 :
「うわー……。20万も……」


マネージャー :
「当社にはお金をかけた分だけ元はとらないと、という精神はない。投資対
効果ばかりを考えて教育なんかやっていると、いずれ教育なんて要らないと
いう、これまた非論理的な発想を誘い出してしまう」


部下 :
「ええ。そうですね。教育がいっさいない会社なんかに、いい人財は集まら
ないですから」


マネージャー :
「とはいえ、せっかく4日間も研修を受けたんだから、そこで習った思考や
ツールは活用してみないと」


部下 :
「まったく、その通りですね」


……ロジカルシンキングはとても重要です。

論理的な思考ができないと、成果の再現性がないからです。

「念ずれば、叶う」というような「精神論」ではなく、論拠と主張に因果関係
があるか?

「念ずる」以外に「叶う」方法は他にないのか?

論理的な発想ができないと、考えが前向きになりませんし、すぐに発想が行き
詰っていきます。

ただ……。

「現状維持バイアス」がかかっている人にロジカルシンキングは無理です。

結果が出るかどうかは別にして、過去と異なる行動を繰り返して、新たな習慣
を身につける、

そのプロセスにおいてバイアスは外れます。

論理的思考能力、ロジカルな話し方をするためには、やはりまずはバイアスを
はずすところからですね。

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【編集後記】

先月(9月)のランニングの目標距離を70キロで私はロックしていました。
そして結局、どうなったかと言いますと、

何とか、最後の3日間で猛チャージして、77キロまで伸ばし、「絶対達成」
いたしました。

ただし、週末は台風も来ていましたし、ギリギリになっての達成というのは、
とてもリスクが高いと思い知らされました。

今月はもっと余裕をもって、前倒し、前倒しで、やっていきたいと考えていま
す。

そういえば、私のメルマガやフェイスブックを見て、走り始めた、ウォーキン
グを始めた、という方もけっこういらっしゃるようです。

走るのはともかく、「ウォーキング」は間違いなく体に良いので、習慣化する
といいですよね。