2012年11月12日

「大数の法則」で、すぐに結果の出る確率について考える【オープンクエスチョン】

● 今回のテクニック:【オープンエンドクエスチョン(21)】

オープンエンドクエスチョンとは、イエス・バット法と同様にコミュニケーシ
ョンテクニックとしては代表的な手法。「4W2H」もしくは「5W1H」等
の疑問詞を駆使し、質問していくことで相手の心の中に潜む問題点や潜在的ニ
ーズを探り当てること。

「イエス/ノー」で答えられる質問は極力避けることが重要である。クローズ
ドクエスチョンとは反意語。

オープンクエスチョンはヒアリングの基本であるが、ペーシングなどの技術を
活用しながら質問を続けないと「尋問」のようになってしまいがちであり、注
意したい。


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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「あれこれ言い訳ばかりしていると、言い訳というノイズに頭が浸って、
『腐った流木』になるという話をしたよな」


部下 :
「はい。やることもやらずに言い訳ばかりしていると、思考停止になります
から」


マネージャー :
「この情報時代には、人を迷わせる膨大なノイズがあるから、正しくノイズ
をカットしていかないと、決断力が落ちて、どうしても流されていってしま
うからな」


部下 :
「ええ」


マネージャー :
「10月から営業活動を思いっきり変えただろ?」


部下 :
「はい。特に、商社を中心にまわるようにしています」


マネージャー :
「商社を?」


部下 :
「はい。営業3課の係長に聞いたところ、商社からの引き合いが増えている
そうなので、そちらを重点的にまわっています」


マネージャー :
「これまでまわっていた先はどうした」


部下 :
「ええ。ちょっと、今はやめています。なかなか結果が出ないものですから、
もっと確率の高いところを攻めたほうがいいと判断したんです」


マネージャー :
「【誰が?】」


部下 :
「え?」


マネージャー :
「誰が【いつ】そういうことを判断したんだ?」


部下 :
「え、あの……。私が、10月ぐらいに」


マネージャー :
「【どこ】に、【何回】、まわろうと決めた」


部下 :
「引き合いが来そうな商社19社をピックアップし、月に1回はまわろうと
考えています」


マネージャー :
「掛け算すると、月にたかが『19回』じゃないか」


部下 :
「も、もちろん、そうですが、既存の取引先もありますので」


マネージャー :
「それで、1ヶ月以上まわってみて、手ごたえはあったのか?」


部下 :
「うーん、これと言って……ないです。年内、商社を重点的にまわって、あ
まりに引き合いの来る確率が低ければ来年からどうするか考えようと思って
います」


マネージャー :
「まず、その考え方がおかしい」


部下 :
「え?」


マネージャー :
「『大数(たいすう)の法則』って知ってるか?」


部下 :
「たいすう……? いえ」


マネージャー :
「簡単に言うと、繰り返し、膨大な数、何度も試していると、経験的確率が、
理論的確率に近づいていくという法則のことだ」


部下 :
「……?」


マネージャー :
「たとえば、何の細工もしていないコインを投げた場合、表か裏が出る確率
は50%だ」


部下 :
「そうでしょうね」


マネージャー :
「これが理論的確率という。だけど20回投げたら、表が15回。裏が5回
出たとする」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「これを経験的確率という。少ない数の試行だと、経験的確率と理論的確率
と差が出るケースがあるということだ」


部下 :
「あっ……!!」


マネージャー :
「そうだろ」


部下 :
「なるほど」


マネージャー :
「コインを1000回も2000回も投げたら、表もしくは裏が出る確率は
50%に近づくだろう。つまり、少ない数の試行で、確率論を語ることはで
きないということだ」


部下 :
「……確かに」


マネージャー :
「商社への訪問に力を入れるのはいい。しかし10月までまわっていた先に
も同じように行け」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「それから、年内で結論を出そうとするな。来年も引き続き、商社をまわ
れ」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「つまり」


部下 :
「……」


マネージャー :
「全部まわれ」


部下 :
「は、はい」


マネージャー :
「そして、何度もまわれ」


部下 :
「……はい」


マネージャー :
「まだ理論的確率がわかってもいないのに、『選択と集中』など、する必要
はない」



……私たちが提唱している「予材管理」は、リスク分散と複利効果をあわせ持
つマネジメント手法です。

「全部まわれ」「何度もまわれ」は、まさにそのまま「リスク分散」と「複利
効果」の意味合いをあらわしています。

今年最後の予材管理セミナーが12月にあります。

ぜひお越しください!


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「最低でも目標予算を達成させる!営業会議の進め方&予材管理の徹底解説」
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【編集後記】

11月11日(日)、私は43年生きてきて、はじめてマラソンに挑戦しまし
た。

愛知県の稲沢市で開催された「稲沢シティマラソン」というものに出場したの
です。

距離は10キロ。制限時間は70分です。

マラソンにエントリーしたのは数ヶ月前のことでしたので、そのこと自体は何
の問題もありません。

その約1週間前に新刊「絶対達成マインドのつくり方」が出版されましたが、
そのこともずいぶん前から決まっていたことなので、いいのです。

ただ、

11月に入ってからマラソンまでの日々に、いろいろなイベントをスケジュー
ルに入れてしまったため、まったく準備ができませんでした。

自己管理ができていなかったですね……。

本当に反省しました。

7月に40キロ、8月に70キロ、9月に80キロ以上、走り、準備をしてき
たのですが、

9月に右足の甲を痛めたせいで10月に練習がストップ。

10月は30キロしか走れず、

しかも11月になってからはほとんど練習ができない日々を送り、

そうして11月11日(日)を迎えました。

生涯初のマラソンですから、タイムなんかどうでもいいです。

最下位でもいいから「完走」したい。そう考えたのですが、不安でいっぱいで
した。

10キロの制限時間は70分なのですが、7キロ地点を45分で通過しなけれ
ば待機しているバスに回収されるとも言われていました。

したがって、7キロまでは「1キロ6分ペース」ぐらいで走る必要があります。

ここ数ヶ月、「1キロ6分ペース」で走る練習を重ねてきました。

しかしビギナーの私には、けっこうキツかったです。

だいたい「1キロ5分45秒ペース」で練習するのですが、3キロも走ると、
かなりヘバってきます。

11月に入ってから、少しだけ練習しましたが、練習不足で心肺機能が低下し
ているのか、毛細血管の発達も減退したのか、

ここ最近は夏のころに走りこんだ貯金が失われているな、と実感していたので
す。

不安を抱えたまま当日を迎えました。

天候は雨模様。

気温は低く、スタートまでの間、3回もトイレへ行きます。

体内の水分が減ると、走っている最中に体温の上昇を招くのではないか、

そうすると脱水症状になり、足が動かなくなる可能性もある……。

などと、

あれこれ考えてトイレへ行きました。現地は寒いのだから仕方がありませんね。

私は「ナイキ・プラス」と呼ばれる腕時計を持っていて、その時計に表示され
る「ペース」を見ながら走ります。

1500名近い方がマラソンに参加されたようです。

スタートしてすぐ、集団に巻き込まれながら走ったのですが、

想像していたとおり、ペースが速い!

時計を見ると「5分15秒ペース」。

こんなペースでは、すぐにバテてしまう!

妻を含めた友人たちは、そのペースで走っていきます。

私はとてもついていけません。

自分との「ペーシング」です。

どんなに速くても「5分45秒ペース」。

このペースでも7キロ走ったことないわけですから、これ以上のペースアップ
はいけません。

ドンドン抜かれていきましたが、自分のペースを信じて走りました。

前述したとおり、この「5分45秒ペース」で走っても、3キロも走れば、か
なり息があがってしまうと思ったのですが、

やはりマラソン大会ということで、アドレナリンが出てるのでしょうねェ。

想像以上に、頑張れました。

3キロを過ぎても、ペースが落ちません。

しかし、4キロ地点で左足の靴紐がほどけてしまうという、ド素人っぽいアク
シデントが!

急ブレーキをかけ、すぐさましゃがんで靴紐を結びなおし、リスタート!

しかしながら、すぐにペースを上げられません。

どんなにピッチを速めても、「6分30秒ペース」から上がらないのです。

それから約1キロを費やして、何とか再び「5分45秒ペース」まで押し上げ
ました。

5キロを過ぎても、「5分45秒ペース」から落ちません。

雨がぱらつき、沿道で声援を送っている人たちも皆さん傘を差しています。

声援には勇気付けられましたが、感謝の気持ちを表現する余裕はまったくあり
ません。

6キロを過ぎてもペースダウンはせず。

あと1キロだっ!

あと1キロふんばれば、まず完走はできる。

そこから一気にペースダウンしても、10キロを70分で走破できる計算だ!

しかし、この1キロが長い……。

寒いので走っている最中からトイレへ行きたくなるし、メガネは吐息と雨で曇
り、

「なんでこんなこと、やってるんだっけ。俺は……」

と思いながら、

何とか、7キロを同じペースで走りきりました。

7キロを過ぎたら、完走する確率は一気に跳ね上がります。

ここから一気にペースダウン。

「6分30秒ペース」まで落とそう、と考えたのですが、なぜかペースを落と
せません。

やはり「流れ」ですね。

周囲で走っている人の顔ぶれは似通ってきます。

敢えて、その人たちと別れを告げて、自分だけ後方に下がっていくこともない
かな、と。

苦しくてもペースはほとんど落とさず、「6分ペース」で最後の3キロを走り
きりました。

時計で確認するペースにはいつも多少の誤差があり、実際にゴールインしてみ
ると、

タイムは「1時間1分」でした。

つまり、10キロを61分で走ったことになります。

全体の中でも遅いほうでした。

54分で走った妻と比べても、7分も遅いタイムです。

しかし、

他人との比較ではなく、自分の過去と比較したいと私は思います。

青年海外協力隊の候補生だったときに走った「10キロマラソン」のときは、
地獄の苦しみを味わいました。

あのときから長距離走は嫌いになったのですが、

19年以上が経過し、

ある一定のペースを保ちながら、同じ距離を気持ちよく完走できた自分に、今
は拍手をおくってやりたいと思っています。

さて来春、名古屋シティマラソンで「ハーフ」を走る予定ですので、

これからまた準備をしていきます。

その周辺は、じゅうぶんな練習ができるよう、余裕のあるスケジュールを入れ
ていきたいと考えています。

今日は当然、全身筋肉痛……。(苦笑)