2012年12月10日

「年収が下がる」と不安視する部下とのコミュニケーション【アクノリッジメント】

● 今回のテクニック:【アクノリッジメント(12)】

アクノリッジメント(アクノリッジ)とは、相手に関心を寄せて承認し、その
ことを肯定的な言葉で伝えることである。

どのようなときも感謝の気持ちを忘れず、相手の可能性だけを見つめることに
より、行動の変革を促すことができるようになる。

承認することを目的とするぐらいに、承認を意識することが重要である。

承認が目的になってしまうと心が伴わない、と思われる方も多いだろうが、そ
れを気にしていたら何もできない。

「気持ちはあとからついてくる」

と考えるようにして、まずは「相手を承認する」という体験を積むことにフォ
ーカスして取り組むぐらいがちょうどよい。


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● 今回のコミュニケーション例


部下 :
「すみません。このまま仕事ができないままだったら、僕はもう、この会社
にはいられないと思います」


マネージャー :
「どうしてそんなことを言うんだ、そんなことはない。君は必要な人材だよ。
この前だってコピー機の周りに散らかっていた資料を片づけてくれたよね。
本当に助かったよ」


部下 :
「コピー機の周りを片づけることなんて誰だってできます。このまま評価が
落ちていって、年収もドンドン落ちていくんだと思うと、夜も眠れません」


マネージャー :
「評価が落ちるなんて誰も言ってないよ。それに、誰でもできることを、き
ちんと実践できる人材が欲しかったんだ。大丈夫。この前だってロッカーの
ファイル整理をひとりでやっていただろう、ご苦労様だったね」


部下 :
「仕事がないからやってたんです。他にできることなんてありませんから」


マネージャー :
「あのロッカー、2年ぐらい整理されないまま放置されてたんだよ。君が整
理してくれたおかげで、お客様や各種プロジェクトのファイルがどこにある
のかすぐにわかるようになった。本当に助かったよ」


部下 :
「どこの会社に行っても、全然できないんです。年収は落ちるばかりで本当
に不安です。来月2人目の子供も産まれるし、このままだととても怖いで
す。」


マネージャー :
「そうか。年収について不安になっているっていうことは、とても家族思い
なんだね。今のまま当社に貢献してくれればちゃんと評価され、年収は徐々
にあがっていくよ。前の職場でもらっていた金額をすぐに追い抜くことがで
きるさ」


部下 :
「家族思いなんてとんでもないです。前職でクビになったとき、どんなに妻
に迷惑をかけたことか……」


マネージャー :
「奥様もいい人だね。いつも弁当を作ってくれているみたいだし、本当に羨
ましい。皆で噂してるんだよ。君はすごく家族思いの人なんだろうなって。
君の息子さんは何ていう名前なんだい」


部下 :
「大輝と言います」


マネージャー :
「大輝君か。大きく輝くって書くんだね。すごくいい名前じゃないか。君の
家族を、大きく輝かせてくれるお子さんになるだろうね」


部下 :
「部長、私は本当にダメな人間です」


マネージャー :
「自分のミスを、他人の責任にばかりしている人よりはいいさ。自発的に職
場をよくしようと努力してるんだから。朝早くから出勤してるので、そうい
うところに気がつくんだね」


部下 :
「早起きだけが取り柄なんです。妻に、とにかく誰よりも早く出勤しろと言
われてまして」


マネージャー :
「身重の奥様は、きっと朝ももっと長く君と一緒にいたいと思うだろう。に
もかかわらず、そうやって送り出してくれるなんて、素晴らしい奥様だね。
誰よりも朝早く出社しようと心掛ける人が、ダメ社員であるはずはないよ。
僕が断言する」


部下 :
「部長、私はダメな人間で……」


マネージャー :
「朝早く起きて、身の回りの片づけをする人は、脳の前頭葉が鍛えられてい
く。脳の原始的な欲求を制御できるようになり、思考力が高められると言わ
れているんだ」


部下 :
「え」


マネージャー :
「前の会社では残業ばかりだったんだろう?」


部下 :
「はい……。この会社に入って、残業をする仕事がないのが、不安で、不安
で」


マネージャー :
「私はイタズラに残業をする社員を認めないんだよ。野球でいえば、毎試合、
延長戦をやっているようなものだ。きちんと9回で終わらせてほしい。つま
り、定時で仕事を終えて帰って欲しいんだ」


部下 :
「そうなんですか?」


マネージャー :
「時間の制約がない人は、先ほど言った前頭葉の力が衰えていく。そうする
と、自分の感情を抑えられなくなって、面倒なことをできなくなっていく。
誰よりもはやく出勤し、朝から片づけをし続ける君は、間違いなく、以前よ
りも脳の基礎体力が上がっている」


部下 :
「……」


マネージャー :
「君の奥様に感謝したほうがいい。朝の習慣は脳力を確実にアップさせてく
れる。他人が面倒だと思うことをいかにやるか。過去の実績なんて関係があ
るか? 君の将来は明るいよ。私は信じている」


部下 :
「部長……」


マネージャー :
「さあ、これから新しいプロジェクトが立ち上がる。君にサブリーダーをや
ってもらうよ。失敗しても大丈夫。リーダーは私だからね」



……著書「絶対達成マインドのつくり方」で、先送りの習慣を治療する仕事術
として「倍速管理」を紹介しています。

面倒なことを先送りしてしまう人は、脳の体力が衰え、ストレス耐性が落ちて
いる可能性があります。

脳の原始的な欲求に振り回されている、ということですから、高次な処理がで
きるはずありません。

1日の中で最もストレス耐性の高い時間帯、朝の時間を大切にしましょう。


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【編集後記】

週末、ついにダウン。

今日のメルマガ本文は、2009年9月7日に配信した内容に、手をくわえた
ものです。

今年の7月、72キロあった体重が、ついに63キロまで落ちてしまいました。

痩せたくもないのに、痩せていくのはちょっと不本意です。

早期に回復いたします。