2012年12月17日

「選択と集中」の是非を問う【スノッブ効果】

● 今回のテクニック:【スノッブ効果(9)】

スノッブ効果とは、他者と同調したくないという心理作用が働き、敢えて他人
が所有しないものを欲しがったり、他人とは別の行動をしたりすること。

もともとは、誰もが簡単に入手できるようになると需要が減る消費現象のこと
を指している。

反対語はバンドワゴン効果。

部下とのコミュニケーションに応用するのであれば、プライドが高く、協調性
の低い相手に使うと効果が望める。ノーセットなどと組み合わせてもよい。

(協調性の高い相手にはバンドワゴン効果を使うことをお勧めする)


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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「君は『選択と集中』という言葉が好きのようだね」


部下 :
「過去に、そんなこと言いましたか」


マネージャー :
「最近、Y商事へばかり足を運んでるそうじゃないか」


部下 :
「Y商事ばかりとは限りませんが、私がご執心なのは事実です」


マネージャー :
「大きな案件があるのは知ってる」


部下 :
「本部長、少し私の話を聞いていただいてもよいですか」


マネージャー :
「なんだ」


部下 :
「実は、私には20年以上前、真剣に結婚を考えた女性がいました」


マネージャー :
「はじめて聞くが」


部下 :
「そんな話、したことありませんから」


マネージャー :
「まさか、その女性のことが忘れられないから、今も結婚しない、というわ
けじゃ」


部下 :
「……」


マネージャー :
「図星か」


部下 :
「なんとも言えません」


マネージャー :
「それで?」


部下 :
「Y商事で、その女性と出会ったのです」


マネージャー :
「……え」


部下 :
「申し訳ありません」


マネージャー :
「商談相手か」


部下 :
「……」


マネージャー :
「その女性が、商談のキーマンということか」


部下 :
「いえ」


マネージャー :
「じゃあ?」


部下 :
「トイレの清掃員でした」


マネージャー :
「……?」


部下 :
「Y商事の男子トイレへ行ったとき、見かけたのです。最初は目を疑いまし
た。しかし、事実でした」


マネージャー :
「清掃員……」


部下 :
「片膝をつき、男子トイレの便器を掃除する姿に、私は衝撃を受けました」


マネージャー :
「……」


部下 :
「何だか、とても複雑な感情を持ってしまって」


マネージャー :
「……その、女性と話をしたのか」


部下 :
「いえ、していません」


マネージャー :
「だろうな……。いや、というか、できないだろう」


部下 :
「ただ、私は一度、トイレの個室へ入っているときに、清掃員同士で話をし
ているところを盗み聞きしてしまいました」


マネージャー :
「えっ」


部下 :
「……」


マネージャー :
「……なんて?」


部下 :
「どうも、彼女は独り身のようです」


マネージャー :
「……!」


部下 :
「……」


マネージャー :
「……」


部下 :
「来年の成人式に、振袖を買ってあげたいが、お金がないと……。そんなこ
とを言っていました」


マネージャー :
「……」


部下 :
「……」


マネージャー :
「ど」


部下 :
「……」


マネージャー :
「どうする、つもりだ」


部下 :
「私には、どうすることも、できません。ただ……」


マネージャー :
「なんだ?」


部下 :
「私と彼女が別れたのは、婚約間近に、彼女が他の男性の子を身ごもってい
るという事実を彼女が言い出したからです。しかし、本当にそれが、私以外
の男の子なのか、私にはわからないままです」


マネージャー :
「ええっ」


部下 :
「彼女は20歳のころ、私の前から忽然と姿を消してしまいました。20年
間、私はずっとそのことを思い続けているのです」


マネージャー :
「じゃあ、来年、成人式を迎えるというのは……」


部下 :
「……」


マネージャー :
「……」


部下 :
「私の娘かも、しれないということです」


マネージャー :
「……」


部下 :
「だから」


マネージャー :
「だから、『選択と集中』なのか。みんな、目標達成をあまり考えず、何か
惹かれるものに集中したいと、そう思うようだ」


部下 :
「い、いえ」


マネージャー :
「君もそうなのだろう」


部下 :
「私は、違います」


マネージャー :
「じゃあ?」


部下 :
「Y商事以外の案件も、キチンととりにいきます。リスク分散の意味もこめ
て、もっと他のお客様もまわる予定です。部下にも、そう指示します」


マネージャー :
「そうか……」


部下 :
「頭にノイズが入ってどうしようもありません。気を紛らわすためにも、他
のお客様のところへドンドン行きます」


マネージャー :
「君は課長だ。課の目標に責任を持って欲しい。そして、自分の家族にも、
責任を持つ必要があるだろう」


部下 :
「……」


マネージャー :
「その女性と、話をしたらどうだ?」


部下 :
「冬休み、じっくりと考えてみます。それまでは、とにかくお客様のところ
を、がむしゃらに回り続けます」


……営業先を「選択と集中」することにより、リスクを背負い込むことになり
ます。

そのためのリスク分散をしましょう。

そのことを記した私の著書「絶対達成する部下の育て方」が、

アマゾンの2012年間ランキング(ビジネス・自己啓発部門)で19位に入
ったことを、この週末、知りました。

我ながら、スゴイことだと受け止めています。

1位は、神田昌典さんの「2022」。

その他、コヴィーの「7つの習慣」(2位)、

カーネギーの「人を動かす」(5位)

稲盛さんの「生き方」(11位)

ドラッカーの「マネジメント」(12位)などなど、

誰もが知っているような書籍の中に、私の本がランクインしている。そのこと
が不思議でたまりません。


● Amazon 2012年 BOOKS 年間ランキング
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【編集後記】

昨日(12月16日)は、20年以上続けている、知的障がい者のボランティ
ア活動でした。

クリスマス会。

みんなで料理を楽しみ、ケーキを囲んで、歌ったり、踊ったりをしました。

私が社会人になり、青年海外協力隊となって一度日本を離れたあとも、

その後、結婚し、子供ができ、転職を繰り返したあとも、

セミナー、講演と、全国を行脚するようになったあとも、

本を出版したあとも、

まったく変わることなく、この素朴な活動を続けています。

2012年、今年も1度も休むことなく、ボランティア活動の行事に参加する
ことができました。

この「あたりまえ」のことのように思えることを、「あたりまえ」にできると
いうことに、

私は「ありがたい」と受け止めています。

「絶対達成マインドのつくり方」に書いたように。