2012年12月25日

今年最後の、大切なメッセージ【バンドワゴン効果】

● 今回のテクニック:【バンドワゴン効果(8)】

バンドワゴン効果とは、多数の支持を受ける物事のほうが受け入れやすくなる
こと。要するに「勝ち馬/時流に乗ろうとする」心理のことである。

「さくら」を使うのは、このバンドワゴン効果を狙ったテクニックの一つとい
える。

ちなみに「バンドワゴン」とは祭りや行列の楽団車のことであり、パレードで
楽団車が通るとみんなが集まってくる。この現象からきた言葉である。

反対語は「アンダードッグ効果」。

【注意点】 効果的に使いたいときだけ活用すること。決して「他社もやって
いるから自社も追随しよう」という発想をしてはならない。正しい経営判断の
ためには、正しいデータに基づいた判断が不可欠である。


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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「今年1年、振り返ってどうだった」


部下 :
「そうですね……。個人的にはやり切った、という気持ちがありますが、部
下に対しては、やり切らせた、という気持ちがないです」


マネージャー :
「どうしてだろう」


部下 :
「うーん、やっぱり部下に『やらされ感』を覚えさせたくない、と私が思っ
てしまうからなんでしょう」


マネージャー :
「『やらされ感』か」


部下 :
「はい。自主的に動きたくなるような、そういう環境づくりを、来年はもっ
と心掛けていきたいです」


マネージャー :
「ふーん」


部下 :
「はい……」


マネージャー :
「ま、そういう適当な話は、俺、どうでもいいんだよ」


部下 :
「え、適当……?」


マネージャー :
「だって適当だろ」


部下 :
「いやいや、そんな。適当だなんて……。これでも真剣に考えているんです。
部下をどうしたら、やり切らせるようにさせられるかって」


マネージャー :
「だったら『自主的に動きたくなるような環境づくり』って何だよ」


部下 :
「うーーーん」


マネージャー :
「だろ」


部下 :
「……」


マネージャー :
「具体性がまったくない」


部下 :
「え、ええ」


マネージャー :
「上司の君の発言に具体性がないんだから、部下にやり切る習慣が身につく
わけない」


部下 :
「そう言われましても、あまりに強制力を発揮すると、部下はみんな萎縮し
ますよ」


マネージャー :
「誰が?」


部下 :
「え? ですから私の部下たちです」


マネージャー :
「いつ、そんなことを言ったんだ?」


部下 :
「いや……。言ってはいないですが、言わなくてもわかるんです」


マネージャー :
「そういう適当な話はやめてくれ。じゃあ、君の部下を全員ここに呼ぶぞ」


部下 :
「いや、あの……。すみません」


マネージャー :
「君さ、築山節氏の、『脳が冴える15の習慣』って読んだか?」


部下 :
「え、いや……。読んでいませんが。有名なんですか、その本?」


マネージャー :
「50万部を超えて、今もまだずーっと売れ続けている大ベストセラーだ
よ」


部下 :
「50万部、ですか! それはスゴイ」


マネージャー :
「とっても、ためになる本だから君も読んでみろ。仕事のことだけじゃなく、
日常生活においても、育児においても役立つことが脳科学的に書かれてあ
る」


部下 :
「わ、わかりました」


マネージャー :
「その中で、ものすごく感銘を受けたフレーズがある」


部下 :
「何でしょう……」


マネージャー :
「『人間はどこかで、自分以外の誰かに動かされている環境を持っていなけ
ればなりません。何も強制されていない環境に置かれていると、人間はいつ
の間にか、脳のより原始的な機能である感情系の欲求に従って動くようにな
ってしまいます』という部分」


部下 :
「うーん……。『動かされている環境』か……」


マネージャー :
「何も強制されていない環境に置かれると、人間はダメになっていく。そう
いう話だ」


部下 :
「……まったく、その通りだと、思います。返す言葉がありません」


マネージャー :
「何事もバランスが大事だ。だけど、やりたいようにやらせておけば、何が
やりたいことかわからなくなっていくのが人間」


部下 :
「そうですねェ」


マネージャー :
「来年は1個でいい。1個でいいから、部下に対する何らかの強制力を発揮
しろ。君の部下たちがドンドン弱っていく」


部下 :
「わかりました」



……2006年に出された本書には、

すでに「現代人は脳のタフさに欠けている」と書かれてあります。

脳を鍛えるには、ゲームの「脳トレ」をするのではなく、

日常生活において、いかに「面倒なこと」をやるかである。そうすることで
「耐性」とも言うべき力がついてくるのだが、

便利な世の中になって、現代人は普通にしていると、その脳のベーシックな部
分が鍛えられなくなる。

と、書かれています。

もし読まれていない方がいたら、冬休みにいかがでしょうか?

読書が「面倒」と思ったら、脳の原始的欲求にあらがえないという証拠かもし
れません……。

今年、最後にお伝えしたいメッセージは、何事にも「最低限の強制力は必要」
でした。


【参考書籍】「脳が冴える15の習慣」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4140882026/mysterycon0c-22/ref=nosim

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【編集後記】

まだ今年は終わっていませんが、

クライアントに対するコンサルティング、そして出版そのもの、

以外で、私の2012年において、心に残る出来事といえば、

意外と「脱会議」にまつわることが多かったなと思わされます。

特に2つあげるとすると、

1つは、6月に行われた盛岡での講演です。

テーマは「脱会議」。

日経BP社の主催で実施された講演です。私の父が東北出身だということもあ
り、

東北における初めての講演ということもあって、

ものすごく気合いが入りました。

しかし、気合いが入っているからといって、いつも素晴らしい講演になるとは
限りません。

受講する方々の気持ちも一つになって、最高の講演となります。

このときばかりは地元の方々に暖かく迎えられたこともあり、気分良く講演が
でき、最高の気分を味わいました。

今年は120回を超える、セミナーや講演をこなしましたが、

この盛岡での講演が、1番の出来だったと自画自賛しています。

もう1つ、心に残る出来事といえば、

「脱会議100日マラソン」です。

5月から8月までの「100日間」で、1億円分の会議コストを削減するとい
うプロジェクト。

アタックスも日経BP社も関係のない、有志の方々と一緒に作ったプロジェク
トです。

このプロジェクトに賛同してくださった「脱会議ランナー」たちの呼びかけに
よって、

数多くの企業が、会議の実施時間を大幅に削減させてくださいました。

よくあれだけの過密スケジュールをこなしながら、こういったプロジェクトを
100日間もできたなと今になって感じています。

こういうプロジェクトはもう2度とできない気がしています。
忘れられない思い出です。

次回のメルマガ編集後記には、

今年の配信したメルマガで、(というか、おそらく私が書いてきたすべてのメ
ルマガを通じても)最も反響の高かった号を、ご紹介します。

そのメルマガは、多くの人の手によって、ツイッターやフェイスブックでも繰
り返し繰り返しシェア・転送されました。

その結果、このメルマガの読者数をはるかに超える人たちが、その号の内容を
読むこととなったのです。

その思い出深いメルマガの内容を、次回(今週)、いま一度ご紹介いたします。