2012年12月31日

片付けの王道と、そのテクニックとは?【オーバーステート】

● 今回のテクニック:【オーバーステート(8)】

オーバーステートとは、文字通り「大袈裟な表現」のことである。

曖昧なことを繰り返す相手に、わざと大袈裟な数字を示して反論させ、具体的
な条件を引き出す方法。 少しふざけた調子で吹っかけるのがコツ。

「100%ダメなんですか?」 → 「100%ダメというわけじゃないです」
「年収1000万ぐらいもらってるんだろ?」 → 「半分くらいですよ」
「本当は彼女の3人や4人いるんだろ?」 → 「1人しかいませんよ」


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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「なんだ、冬休み中に出勤か?」


部下 :
「部長こそ。どうしたんですか」


マネージャー :
「A社の取締役と2日、ゴルフに行くのに、連絡先がわからなくなって事務
所に探しに来ただけだ」


部下 :
「そうなんですか。私はちょっとデスク周りを片付けしに」


マネージャー :
「デスク周りの片付け?」


部下 :
「年末、出張が連続していまして時間がとれなかったものですから。どうし
ても年内に終わらせておきたいと思いまして」


マネージャー :
「ほォ。マジメだねェ。君の家はさぞかし、無駄なものなど何ひとつないん
だろうな」


部下 :
「いやいや、そんなことありません」


マネージャー :
「これから、君のデスクの上に積みあがったこの書類の束、デスクの周辺を
も占拠している書籍の山を、すべて捨ててしまうんだろ」


部下 :
「いや、すべて捨てるっていうわけには」


マネージャー :
「君の家から事務所まで電車でどれぐらいかかる?」


部下 :
「えーっと、1時間10分ぐらいです」


マネージャー :
「1時間10分もかけて事務所に来たんだから、当然、中途半端な片付けで
終わることないだろ」


部下 :
「うーーーん。ま、そうですけど。全部捨てるつもりは……」


マネージャー :
「片付けの王道って知ってるか?」


部下 :
「あ、いえ。教えてください」


マネージャー :
「いったん全部、外へ出す。それから必要なものだけを戻す。残ったものは
捨てる。これだけだ」


部下 :
「いったん全部、外へ出す……」


マネージャー :
「たとえば引き出しの中を片付けたいとするだろう? 引き出しの中を覗き
ながら要らないものを捨てたり、品目に沿って整理しようとしてもダメだ。
なかなか片付かないし、時間もかかる」


部下 :
「なるほど、思い切ったやり方ですね」


マネージャー :
「思い切ったやり方? 普通だろう」


部下 :
「あ、はい……」


マネージャー :
「それと、もう一つ言うと、収納は増やさないのもテクニックのひとつだ」


部下 :
「収納を増やさない……ですか」


マネージャー :
「収納が増えると、自動的に物も増える。人間は空白があると、それを埋め
たがるからだ」


部下 :
「うーーーん。そうですか。実は、書類が増えてきたのでラックをもう一つ
増やしてほしいと、申請したばかりなのです」


マネージャー :
「あ。そう。俺が却下しておいてやる」


部下 :
「却下ですか!」


マネージャー :
「ごちゃごちゃ言ってないで、このデスクの上に積みあがった書類を全部、
あそこのテーブルに移動したまえ。俺も手伝うから」


部下 :
「いや、いや! 部長に手伝わせるなんて!」


マネージャー :
「そのほうが早く終わるから。引き出しの中にある書類も全部出せ!」


部下 :
「は、はい……」


……モノに執着すると、ヒトに対する関心が薄れてきます。気をつけたいです
ね。

組織マネジメントをするうえでも、いったん全部、外へ出して、必要なものだ
け残し、あとはすべて捨てませんか?

2012年、最後にご紹介する書籍は「脱会議」です。

この本は会議をなくせと、ただ書いているのではなく、正しいPDCAサイク
ルをまわすためには、

いったん会議や資料を全部リセットし、必要なものだけを残すべきだと主張し、

そのやり方を解説しています。

会議という名の「収納」を増やすことなく、組織マネジメントの片づけをしま
しょう。

武田双雲さんの字体を見れば、片付けたくなること、間違いなしです!

■「脱会議」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822274004/mysterycon0c-22/ref=nosim


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【編集後記】

「節目」というのはとても大切ですね。

私は正月が大好きです。

以前、編集後記に書きましたが、青年海外協力隊で未開の地によく足を運んだ
こともあって、私は「儀式」が好きだからでしょう。

元日は、1年で最も厳粛な気持ちにさせてくれる日です。

おそらく今年も、家族4人で家の周りを【早朝ごみ拾い】をするでしょう。

毎年の日課となりそうです。

いろいろな思いを胸に抱きながら、その日を過ごしたいと思います。

さて、

本メルマガは、NLP(神経言語プログラミング)をはじめとする行動心理学、
行動経済学、脳科学などのネタを使うと、

どのように人は誘導されるのか。これを中心に取り扱ってきました。

使用しているのはプレーンのテキストデータのみです。

しかし、このテキストのみで人を動かすこともできるのだということを覚えて
いただきたいと私は思います。

言葉の使い方で、人を動かすことも、人を動かさないこともできるということ
です。

このメルマガを読んでいる皆さんの中には、仕事上で年始の挨拶などをされる
方も多いでしょう。

そのときは、どうぞ、言葉の使い方には気をつけていただきたいと私は思いま
す。

「2013年となりましたが、依然と厳しい景況感が続く中……」

「東日本大震災、厳しい日中関係や欧州債務危機など、当社を取り巻く環境は
依然として厳しいものがあり……」

という年始の挨拶は、なるべく最小限に控えていただきたいということです。

気を引き締めさせることと、ネガティブ思考に陥らせることとは別の話です。

ふんどしを締めなおして前に進むのか、

怖気づいて思考停止になってしまうのか……。

表現者にその意図はなくとも、重要なのは、情報の受け取り手がどう解釈する
かです。

コミュニケーションの基本は、受け取り手の反応ですから、そこに関心を向け
ないことには何事もうまくいきません。

景気は、人の心理によっても大きく動きます。

組織が活性化するかどうかも、同様です。

不安の煽りすぎ、過剰な危機感の情宣は、やめましょう。

2013年も、きっといいことが起こります。

現状を正しく理解しつつ、それでも心は軽やかにやっていきましょう。

来年もどうぞよろしくお願いいたします。