2013年1月15日

もっと「ペーシング」を深く理解する【ダブルバインド】

● 今回のテクニック:【ダブルバインド(18)】

ダブルバインドとは一般的には「二重拘束」を指す。

そのダブルバインドの理論を精神治療用に変化させたのがミルトン・エリクソ
ンであり、迷える相手を「二者択一」の質問をすることにより、催眠誘導する
技。

相手がまだ決断をしていないにもかかわらず、「Aがよいか、Bがよいか」と
迫るため、リーディングするまでは十分にペーシングしておくことが不可欠で
ある。

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● 今回のコミュニケーション例


部下 :
「最近の若い人には、ホトホト困らされてます」


マネージャー :
「どうした」


部下 :
「私の部下に、冬休み中、本を2冊紹介して、読んできてほしいと言った
んです」


マネージャー :
「読んでこなかったのか?」


部下 :
「いや、読んできたようです」


マネージャー :
「だったらいいじゃないか」


部下 :
「ところが、まったく参考にならないと言うんですわ」


マネージャー :
「ほう」


部下 :
「彼に欠けているものを補えるだろうと思って、私が紹介した本です。それ
を、まったく参考にならないと言うんですわ。本の読み方を知らないとしか
言いようがないでしょ」


マネージャー :
「それと若さと、因果関係はあるのか?」


部下 :
「今どきの若い人は本を読まないと言いますからね。読み方を知らないのと
違いますか」


マネージャー :
「たとえ事実であっても、そういう先入観は危険だ」


部下 :
「ま……。そうかもしれません。偏見でしょうか」


マネージャー :
「ペーシングって、知ってるだろ」


部下 :
「相手とペースを合わせてコミュニケーションすることですよね? 私は部
下とペーシングしてますよ」


マネージャー :
「部下の、何とペーシングしてるの?」


部下 :
「え、何と……?」


マネージャー :
「部下のしゃべり方とペースを合わせているのか? それとも、部下の考え
方とペースを合わせているのか?」


部下 :
「去年、目標に対して95%と、未達成に終わっているので何とかしたいと
部下が言ってきたんです。悩んでいると思ったから、参考になると思った書
籍を紹介したんです」


マネージャー :
「だから君は書籍を紹介した。それでいいじゃないか」


部下 :
「ですから、さっきも言ったとおり、全然参考にならないと言われたんで
す」


マネージャー :
「だから何だ? いま現時点での話だろ」


部下 :
「え……」


マネージャー :
「悩む人間のほとんど共通してることがある。それは『すぐに結果を期待す
る』ことだ」


部下 :
「……んん」


マネージャー :
「君が期待した反応を部下が示さなかっただけで、それほど落胆するのか?
それだと本当のペーシングができない」


部下 :
「たしかに、ね……」


マネージャー :
「君の部下が、これまで目標に焦点を合わせ、どれほど考えたか、その回数
と深さにペースを合わせてくれ」


部下 :
「どれほど考えたか、ですか」


マネージャー :
「そう。目標を絶対達成しようと、どれぐらい創意工夫したのか? これま
での歴史とペーシングするんだ」


部下 :
「そう考えたら、楽になりました。私の部下に、『目標は絶対達成しろ』と
言うようになったのは、去年の秋からです。まだまだ歴史はないですわ」


マネージャー :
「君の場合は?」


部下 :
「私の場合? 私は入社してから15年、ずっと目標に焦点を合わせていま
す。目標達成するなんて当たり前じゃないですか」


マネージャー :
「プライドがあるからだろう?」


部下 :
「プライドも何も……。それが普通だと思ってきたからですわ」


マネージャー :
「書籍でダメなら、もっと他の手段を使って教育すればいいだけだ。そんな
ことで一喜一憂していたら人財育成などできない。会社は教育に投資を惜し
むことはないんだから」


部下 :
「わかりました」


マネージャー :
「3月に東京で2種類のセミナーがある。目標を達成させるノウハウについ
て学べるもの。もうひとつが目標を達成させられる武器に関して学べる講座
だ」


部下 :
「それじゃあ、武器に関して学んでもらいます」


マネージャー :
「じゃあ、君の部下に受講してもらう」


部下 :
「そのセミナーを受講させて効果がなくても、また次のセミナーに参加させ
てもいいですか」


マネージャー :
「洗脳されるようなセミナーでない限り、1回のセミナーで人間が変わるこ
となどない。そんなこと、会社側もわかってる」


部下 :
「1年以内に部下が変わってくれればいいです。ありがとうございます」



……人の思考を変えるためには、「インパクト×回数」が必要です。

脳の思考プログラムが過去の体験の、インパクトの強さと、その回数でできて
いるからです。

人間それぞれ過去の体験が異なる以上、その人の変え方も千差万別。

何事も、1回や2回トライしてダメだからといって、諦めたり、嘆いたりする
のは性急に過ぎますよね。

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【編集後記】

私の書籍(特に絶対達成する部下の育て方)を組織全員で読み、それだけで目
標が達成してしまった、という会社があります。

たまに、

そういう会社の社長やマネジャーの方が、私のセミナーに来てくださいます。

「セミナーにも興味はあったんですが、会社を改革してくれた著者の方に一言
お目にかかりたくて来ました」

このように言ってくださいます。

正直なところ、そのように言っていただけて私はとてもありがたいですが、

これは極めて稀なケースでしょう。

昨年11月に世に出た「絶対達成マインドのつくり方」を読み、いきなり行動
変革ができた。

人生が見違えるように変わったと言う人もいますが、

そのような気分になることはできても、本当にそのように行動が変わってしま
う人は10%ぐらいしかいないと私は考えます。

やはり、「インパクト×回数」ですね。

インパクトは「五感」です。「臨場感」。

臨場感のある体験をどこまでするのか、何度繰り返すのか、それに尽きると思
います。

拙速な姿勢は、遠回りするばかりですから。

2月に、私のセミナーで最も人気の高い「絶対達成マインド」セミナーが開催
されます。

短いセミナーだと、ほとんどの方が消化不良を起こすと思います。しっかりと
1日、深い技術まで伝えられたらと考えています。


◆ 科学的に自信と意欲をアップさせる!絶対達成するマインドのつくり方
『倍速管理』
【東京 2/12】http://www.attax.co.jp/seminar/detail/01514.html
【名古屋 2/20】http://www.attax.co.jp/seminar/detail/01515.html
【大阪 3/20】http://www.attax.co.jp/seminar/detail/01516.html