2013年2月7日

「永久保存版」進化した営業の組織・IT戦略 【ウェブレン効果】

● 今回のテクニック:【ウェブレン効果(4)】

ウェブレン効果とは、アメリカの経済学者、ソースティン・ヴェブレンの著作
「有閑階級の理論」で紹介された理論。

有閑階級の消費特徴は「顕示的消費」、つまりお金持ちの買い物は「見せびら
かし」であると断じたことからきている。

実際の機能よりも「価格が高い」というだけで、あたかもその消費の「価値が
高い」と思い込む心理作用のことを指しており、プライス戦略をするうえで参
考になる。


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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「君はなぜ、目標が達成しないか、わかるか?」


部下 :
「うーん、気持ちの問題でしょうか」


マネージャー :
「気持ち?」


部下 :
「はい。目標達成しようという気持ちが足りないと思います」


マネージャー :
「それじゃあ、もっと気持ちがあれば目標が達成するということだね?」


部下 :
「はい。そう思います」


マネージャー :
「俺はバカか?」


部下 :
「えっ」


マネージャー :
「俺はバカか? と質問してるんだ」


部下 :
「い、いえ……。課長がバカだなんて思っていません」


マネージャー :
「気持ちが入ってないから目標が達成しない。そうやって部下に言われて、
そうだよな。気持ちを入れれば達成するよな、なんて言うバカなマネジャー
がどこにいるんだ?」


部下 :
「す、すみません」


マネージャー :
「悪いけどさ、適当な返事はやめてくれ。仕事をしてるんだ。君はいくつ
だ?」


部下 :
「32歳です」


マネージャー :
「32歳にもなって、『目標が達成しない』事実の論拠が『気持ちが入って
いない』だなんて言うな。まったく論理的じゃない」


部下 :
「んんんん」


マネージャー :
「確かに、君の気持ちが今よりももっと変わったとしよう。そうすると、ど
のように行動にあらわれるんだ?」


部下 :
「行動、ですか? そうですね……。お客様からの引き合いが増える気がし
ます」


マネージャー :
「引き合いが増える? それは、君の行動じゃないだろう」


部下 :
「う……ん、確かに、そう言われるとそうですね」


マネージャー :
「悪いけど、君が訪問しているお客様のポテンシャル分析をしてみたところ、
たとえうまくいったとしても、今期の目標を達成できるほどの『予材』がな
い」


部下 :
「え……!」


マネージャー :
「これは理論値だ。だから正確にはわからないが、それでも、よほど幸運に
恵まれないかぎりは達成しない。つまり、気持ちの問題じゃないんだ」


部下 :
「そうなんですか……」


マネージャー :
「行くべき先を間違えている限りは、目標を達成できない。君は『やり方』
ばかり気にしていて、『行く先』に焦点をあてていない」


部下 :
「おお」


マネージャー :
「今回、導入した情報システムで分析すると、そういうことが簡単にわか
る」


部下 :
「情報システム、ですか?」


マネージャー :
「そのシステム、いくらで導入したかわかるか?」


部下 :
「え? システムの導入費用ですか? 見当もつきませんが」


マネージャー :
「7000万円だ」


部下 :
「な……! なな、せんまんえん、ですか!」


マネージャー :
「そう。7000万円だ」


部下 :
「そんな高価なシステムによる分析結果なら、間違いないでしょうね」


マネージャー :
「だろ? 営業企画部が分析をしてくれる。その結果にもとづき、君たちは
『気持ち』も込めて活動してくれ。組織が塊(かたまり)化するんだ」


……7000万円もの高価なシステムが必要かどうかはさておき、

「どこに」という視点が欠落していたら、「誰が」やっても「何を」やっても、
「いつ」やっても、「何回」やっても、目標は達成しません。

結果は出ても、安定して目標未達成のリスクは回避できないのです。

しかし、そのことを「現場」の人にすべて任せるには限界があります。どうし
ても「漏れ」が発生するからです。

昨年の6月、私は号外メルマガで、「マーケティング・リーダーシップ・マネ
ジメント」という構想を発表しました。

営業のブレインを別部署に移管させるという、大胆な構想です。

今朝の日経ビジネスオンラインで、その論説をさらにブラッシュアップし、公
開しています。

論文っぽい文章ですので、アクセス数は増えないでしょうが、私にとっては最
も力を入れたコラムとなっています。

● 日経ビジネスオンライン『売れる組織の「塊化」戦略』
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20130204/243277/

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【編集後記】

本日、掲載されたコラムは、私にとって【永久保存版】。

自分自身でも、何度も読み返します。

横山も、こんなお堅い文章を書くのか、と思われるような内容となっています。

知的好奇心を満たしたい方はぜひ!

このコラムだけは、最後まで読んでもらいたいです。

現場の営業の方は「よくぞ書いてくれた!」と言ってくださると信じています。

● 日経ビジネスオンライン『売れる組織の「塊化」戦略』
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20130204/243277/