2013年3月14日

人を動かすのに「理由」が要らない理由【エレン・ランガーの循環論法】

● 今回のテクニック:【エレン・ランガーの循環論法(5)】

「それらしき理由」がある場合、人は説得されやすくなる。これを証明したの
がエレン・ランガーであり、エレン・ランガーの循環論法とも言う。

循環論法とは、結論の真理が前提の真理に依存し、その前提の真理はそのまた
前提の真理に依存する……。というように、AだからBであり、BなのはCだ
からであり、CなのはAだからである……というように、論拠がぐるぐる循環
していること。

思い込みが思い込みを呼び、頭をどんなにひねっても、その思い込みの根拠が
別の思い込みによって証明される場合、解決しようがない。

ここで紹介するランガーの循環論法は、少し乱暴な説得技術のように聞こえる
が、人間は説得される「理由/証明」を探しているのかもしれない。

「コピーをとらせてもらえませんか?」

と聞くと60%の承諾率だが、

「コピーをとらないといけないので、コピーをとらせてもらえませんか?」

と質問すると承諾率は93%に跳ね上がる。「理由」になっていなくても、
「それらしき理由」があれば、人は説得されやすくなる。


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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「こんなに社内にいないで、もっとお客様のところへ行きたまえ」


部下 :
「どうしてですか?」


マネージャー :
「お客様と単純接触をすることで、相手との信頼関係が生まれるからだ。こ
れを単純接触効果と呼ぶ」


部下 :
「それは、なぜですか?」


マネージャー :
「相手と関係が構築されていないときに、どんなにテキスト情報を相手に渡
しても、相手は認知しないからだ」


部下 :
「なぜでしょうか?」


マネージャー :
「自分の都合の悪い情報、必要のない事柄は、脳が認知しないようにできて
いる。だから関係が構築されていないお客様にテキスト情報を提供しても、
相手が認知しない」


部下 :
「どうしてですか?」


マネージャー :
「人間の脳は、触れられるすべての情報を認知してしまうと壊れてしまうか
らだ。だから認知するものを自動的に選択している」


部下 :
「それはなぜなんでしょうか?」


マネージャー :
「自分で物事を考えることなく、人に質問ばかりする人間は、脳の思考系が
衰えている可能性が高い。思考系を鍛えるためには、意識ではなく行動を変
える必要がある。理由は行動の結果が教えてくれる。だからやれ」


部下 :
「どうしてでしょうか?」


マネージャー :
「俺が言ってるんだから、やれ。お客様のところへ行け。ぐたぐだ言わず、
外へ行け。これ以上、社内にいるな」


部下 :
「わかりました。も、申し訳ありません……」



……このように、しつこく聞いてくる部下はいないでしょうが、「理由」を知
りたがる人はいるものですね。

腹に落ちないと、決断できない。

納得しないと、行動を変えられない。

意味を理解できないと、新しいことにチャレンジできない。

何かの条件が満たされない限り、前へ進めないようではいつまで経っても成長
しないし、そもそも楽しくないですよね。

その仕事をすべき「理由」は、現在ではなく、未来が教えてくれるのですから。


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【編集後記】

昨年は、ゴールデンウィークと夏休みをすべて、NLPのトレーナーズトレー
ニングに費やしました。

時間もお金も相当につぎ込みました。

今年も自己投資をしっかりとやっていく決意を昨日、しました。長期間の研修
を受けます。

しばらく週末がつぶれますが、自分を成長させるうえで必要な投資ですよね。

なぜ、そんなに毎年、自己投資をするのか。研修を受けるのか……?

その「理由」は、受講したあと、もしくは受講してしばらく実践したあとに理
解すればいいのだ、と思っています。