2013年4月1日

なぜ人は「お金」で動かないのか?【アンダーマイニング効果】

● 今回のテクニック:【アンダーマイニング効果(3)】

内的動機づけ(モチベーション)に対して、報酬を与えるなど外的動機づけ
(インセンティブ)を行うことによって、反対に意欲が低くなる現象。

「過正当化効果」とも呼ぶ。

意欲的な活動をしている人物を評価し、金銭的報酬を与えると、かえって逆効
果になりやすい、などの例がある。


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● 今回のコミュニケーション例


部下 :
「課長、4月からもどうぞよろしくお願いいたします」


マネージャー :
「おう、気合が入ってるな」


部下 :
「はい。4月から部下が2人できたものですから、ビシッと鍛えます」


マネージャー :
「よし、頼む」


部下 :
「ところでさっそくですが、お願いがあるのです」


マネージャー :
「なんだ?」


部下 :
「実は部下にきっちり行動をさせるため、ロックした行動指標をやりきった
ときには、お小遣いをあげたらどうかと思うんです。たいした金額ではなく
ていいのですが、ご褒美があったほうが気持ちよく仕事ができると思います
から」


マネージャー :
「なるほど」


部下 :
「社長に掛け合っていただけませんか?」


マネージャー :
「あのさ、こういう話を聞いたことがあるんだ」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「ある会社で、君が提案したように、ある行動をやり切ったら金銭的なイン
センティブを渡すという制度を作ったそうだ。具体的に言うと、毎月500
0円」


部下 :
「そうそう。そういうことをしたいんです」


マネージャー :
「ところが、その会社では、その制度を導入したとたん、これまでやり切っ
ていた人までやり切らないようになってしまった」


部下 :
「ええっ……!?」


マネージャー :
「そりゃそうだろう。自分で決めた行動をやり切ることなどあたり前だと思
っていた人が、その常識的な価値観の値段が『5000円』だと経営者から
言われたわけだからな」


部下 :
「……」


マネージャー :
「そんな金銭的なインセンティブよりも、強力なインセンティブがある」


部下 :
「それは、何ですか?」


マネージャー :
「道徳的インセンティブと社会的インセンティブだ」


部下 :
「……?」


マネージャー :
「道徳的インセンティブというのは、正しくないとわかっていることはやり
たくないという価値観だ」


部下 :
「ああ」


マネージャー :
「そして社会的インセンティブとは、正しくないことをする人間だと周囲か
ら思われたくない、という価値観のこと」


部下 :
「なるほど……」


マネージャー :
「道徳的インセンティブは、君の教育によって与えられる。組織において、
何をすることが正しいのか正しくないのか、ということだ」


部下 :
「そ、そうですね」


マネージャー :
「社会的インセンティブは、組織風土だ。お互いで傷をなめあっているよう
なチームは、社会的インセンティブが働きにくい」


部下 :
「……」


マネージャー :
「だから金銭的インセンティブに頼ろうとする。しかし、これは間違いだ。
これをアンガーマイニング効果と呼ぶ」


部下 :
「アンガーマイニング効果……。確かに、震災のボランティア活動をしてい
るとき、お金をもらおうとは思いませんでした。お金がもらえると思ったら、
かえって参加しなかったかもしれません」


マネージャー :
「お金は重要だが、どうしたら分配されるのか、正しく理解したほうがいい
し、部下にも理解させたほうがいい」


部下 :
「考えが浅はかでした。改めます」


マネージャー :
「気持ちよく仕事をしてもらうには、正しいルールを作ることが重要だよ」



……社会通念で言われている多くのことが、間違っている。

このことを統計や行動経済学によって立証しているのが名著「やばい経済学」
です。

「道徳的インセンティブ」や「社会的インセンティブ」も、この書籍からの引
用です。「目からウロコ」の連続ですので、刺激が欲しい人にはおススメ!


【参考書籍】 ヤバい経済学 [増補改訂版]
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492313788/mysterycon0c-22/ref=nosim

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【編集後記】

今春、集客したらすぐに満員御礼となったセミナー

「絶対達成する決断力のつけ方」

で私は語りました。

決断するときは「節目」を狙うのがいい、と。

「節目」は、ストレス耐性が高まる時期です。「節目」を狙って大きな決断を
しましょう。

「ボチボチ変えていく」「徐々にやっていこう」はやめるべきです。

なぜならストレスがたまるだけだから。

なぜ飛行機は高度1万メートルを飛ぶのか?

それは、高度1万メートルは空気摩擦が少なく、高速巡航するのに抵抗を極限
まで減らせるからです。

低空飛行を続けていると、再び着陸したくなるものです。

4月のはじめです。

一気にテイクオフしましょう!