2013年4月30日

「やらされ感」を覚えずに済む方法とは?【ロー・ボール・テクニック】

● 今回のテクニック:【ロー・ボール・テクニック(11)】

ロー・ボール・テクニックとは、まずは相手が受け取りやすいボールを投げて
から、徐々にオプションを増やしていく方法である。

説得される側は、気がついたときには最初の条件よりも吊りあがっているため、
騙されたと感じるかもしれず、リスクは高い。

フット・イン・ザ・ドア・テクニックよりも強力な説得技術と言われているが、
多用は禁物である。


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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「プロジェクトはどうだ?」


部下 :
「はい。今のところ進捗状況は問題ありません」


マネージャー :
「そうか。5月から新入社員3人もそのプロジェクトに入ってもらう。頼む
な」


部下 :
「え! 新入社員?」


マネージャー :
「そう」


部下 :
「プロジェクト発足当時は、10人がマックスだと聞いていましたが」


マネージャー :
「1月からスタートしたプロジェクトなんだから、4月に入った新入社員の
ことは加味していなかった」


部下 :
「は、はァ」


マネージャー :
「そんなに不都合があるか」


部下 :
「けっこう大変なんです。全員部署が違いますから、それぞれの所属先に配
慮しなくちゃいけませんし」


マネージャー :
「このプロジェクトは、部署間の調整能力を身につけることも目的としてい
る」


部下 :
「しかも新入社員だなんて」


マネージャー :
「君の部署には新入社員、入ってないだろ。ちょうどいいじゃないか。接す
る機会が増えて」


部下 :
「最近の若い人とはどのように接したらいいかわからないです」


マネージャー :
「君だってまだ26歳だろう」


部下 :
「26歳にもなったら、ずいぶんと違います」


マネージャー :
「ほォ」


部下 :
「どうやったら『やらされ感』を覚えることなく仕事をしてもらうか、です
よ。僕らが若かった時代とは違うんで……」


マネージャー :
「君が若かった時代って」


部下 :
「ホント、最近の子は、すぐに『やらされ感』を覚えるそうですから。気を
つけないと」


マネージャー :
「それなら大丈夫だ」


部下 :
「え?」


マネージャー :
「新入社員の3人が、君の言う『やらされ感』を覚えることはない」


部下 :
「ど、どうしてですか?」


マネージャー :
「これは仕事だからだよ」


部下 :
「……?」


マネージャー :
「このプロジェクトは遊びじゃない。仕事なんだ。だから『やって当たり
前』のことであり、『やらされ感』など覚えることはあり得ない」


部下 :
「いや、これは仕事だから、やらされ感を覚えないと言われても……」


マネージャー :
「何か、問題があるか?」


部下 :
「え……」


マネージャー :
「というより、君が『やらされ感』を覚えてるんじゃないのか?」


部下 :
「……」


マネージャー :
「このプロジェクトをまとめるは君の仕事だ。そしてメンバーはプロジェク
トの成果を出すことが仕事であり、当たり前のことだ。その認識は大丈夫だ
ろうな」


部下 :
「……は、はい」


マネージャー :
「『やらされ感を覚える』という人は、依頼されたことをやって当たり前だ
と思っていないということだ。そうだろう?」


部下 :
「そ、そうですね……」


マネージャー :
「じゃあ、君が職場において『やらされ感』を覚えるときって、どんなとき
だ?」


部下 :
「……」


マネージャー :
「どうだ」


部下 :
「……」


マネージャー :
「……」


部下 :
「な……。ない、です」


マネージャー :
「ないのか?」


部下 :
「ない、ですね。本当に」


マネージャー :
「そうか」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「そういえば、ゴールデンウィーク明けに、インターンで学生が2人やって
くる。来年の3月末までだ。君のプロジェクトに入れてくれたまえ」


部下 :
「え!」


マネージャー :
「これもきっと君のいい経験になると思うよ」



……昨今「やらされ感」という表現をよく耳にします。

特にマネジャーが部下からの抵抗を予測し、

「『やらされ感』を覚えないようにするには、どう言えばいいか」

というような感じで使うことが多いようです。

「やらされ感」という表現を使う人のほとんどが、この言葉の意味を正しく理
解していないと私は考えています。

今日のYahoo!コラム「草創花伝」では、「やらされ感」について書いて
みました。

●「やらされ感」から脱出する考え方
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yokoyamanobuhiro/

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【編集後記】

私は20年以上、知的障がい者のボランティア活動を続けています。

そして直近は2年連続で、毎月の行事に欠かさず出席して「皆勤賞」をもらっ
ています。

40名以上いるボランティアの中で、「皆勤賞」をもらっているのは2人だけ
です。

小さな話かもしれませんが、私自身がそのうちの1人であるということに、私
はとても誇りに感じています。

10年以上前、ボランティア団体の代表をしていた頃は、「やらされ感」たっ
ぷりで、正直なところボランティア自体をやめたいと何度も思いました。

しかし、昨今はまったくそのような感情を持つことがありません。

長男は毎週末のようにサッカーの練習があり、妻と一緒にスタートしたマラソ
ンの練習もお互い続けています。

週末に研修のお仕事が入ることも増えました。

ドンドン「やるべきこと」「やりたいこと」が増えているのに、昔と比べて
「実現していること」もまた増えているのです。

当然「充実感を覚えるとき」も増加しています。

どうしてそうなっているのか?

それは、

<時間の流れを止めて、自分の思考にインパクトをかける>

このようなやり方で、正しい【決断】をすることが増えたからだ、と私は分析
しています。

私には、強制的にメリハリをつけられるスキルが、普通の方よりも高いのでは
ないかなどと思っています。

何度もメルマガに書いてきましたが、今年は「決断」の年です。

こういったノウハウを、近々皆さんにご提供していきたいと考えています。