2013年6月2日

どんな部下にも、褒める必要があるのか?【スリリングジョーク】

● 今回のテクニック:【スリリングジョーク(7)】

スリリングジョークとは、相手に対して、「もし●●しなければ、■■になる
ぞ」という脅しをしたあとに、すぐに「それは冗談だ」と撤回するコミュニケ
ーション技術。

相手の心象を悪くする可能性が高く、極めてリスキー。相手と強烈なラポール
が構築できていない限り、活用するのはやめたほうがよい。3年に1度ぐらい
使ってもいい、インパクトのあるリーディング技術である。

もちろん、乱用すればご自身の信用は著しく低下する。


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● 今回のコミュニケーション例


部下 :
「週末、リーダー研修を受けてきたんですが、部下育成にはやはり『褒め
る』ことが重要だと教えられました」


マネージャー :
「そりゃ、そうだろう」


部下 :
「なかなか部下を褒められなくて」


マネージャー :
「そんなことじゃダメだ。褒めるときは褒める。叱るときは叱る。メリハリ
をつけて接しないとダメだ」


部下 :
「そうなんですが……」


マネージャー :
「慣れだよ、慣れ」


部下 :
「でも課長、今だから言えますが、課長は私が新入社員のころ、全然私のこ
とを褒めてくれませんでしたよ」


マネージャー :
「当たり前だ」


部下 :
「どうしてですか。さっき言ったでしょう、褒めるときは褒めろって。私に
は言うくせに、自分はどうなんですか」


マネージャー :
「君のどこを褒めたらよかったんだ?」


部下 :
「え」


マネージャー :
「君が新入社員のころ、お客様のところに遅刻してくるわ、二日酔いで朝か
ら頭が痛いと言ったり、とんでもなく横着だった」


部下 :
「記憶が定かではありませんが……」


マネージャー :
「君は本当にひどかった」


部下 :
「そこまで言いますか?」


マネージャー :
「どうしようもなかっただろ。だから2年目のとき、方針発表会の後で私を
君を呼び出した」


部下 :
「当たり前のことを当たり前にできないなら、辞めろ、と言われましたよ。
めちゃくちゃ驚きました」


マネージャー :
「あとですぐに『ジョークだよ、ジョーク』と言ったはずだ」


部下 :
「ジョークとは言われましたが、あの後、ものすごく落ち込みました!」


マネジャー :
「スリリングなジョークだろ」


部下 :
「スリリングって……。7歳のころ、兄に財布の金を全部盗まれたあと、シ
ョックで寝込んだときと同じぐらいにインパクトがありました」


マネジャー :
「君の育ちのよさは聞いている」


部下 :
「そりゃ、どうも」


マネジャー :
「いずれにしても褒めるところなど何もなかった。メロンパンの中に、レー
ズンパンのレーズンを探すような真似はしたくない性格だったんでね」


部下 :
「私はどちらかというと食パンです」


マネジャー :
「君はそんなに、のっぺりとしてはいない」


部下 :
「とにかく、褒めるところがなければ褒めなければいいと?」


マネージャー :
「君の部下の、何を褒めるつもりだ?」


部下 :
「……うー」


マネージャー :
「会議の時間に遅れなかったら褒めるのか? 期限どおりに資料を提出して
きたら褒めるのか?」


部下 :
「いやァ……、会議の時間も遅れてきますし、期限どおりに資料も提出して
きません」


マネージャー :
「褒めるところを探してみろ」


部下 :
「そうそう。毎月、150件、お客様のところへ訪問しろと言ったら、何と
か訪問できるようになりました」


マネージャー :
「それで?」


部下 :
「それでって……」


マネージャー :
「賞賛に値することか?」


部下 :
「まだ結果が出ていないですから、賞賛に値するかと言われちゃ困ります
が」


マネージャー :
「俺が怖いのは、謙虚さがなくなることだ。月に150件、訪問するなんて
当たり前なんだよ。それまでが少なすぎただけだ」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「誰もができていることをできたあとに『君は凄いねェ。凄いじゃないか。
わが社に君が入ってきて本当によかった』なんて言えるか? 相手をバカに
しているようなもんだ」


部下 :
「部下が勘違いして、調子に乗ってきそうな気がします」


マネージャー :
「褒めるんじゃなくて、受け止めろ。受容しろ。笑顔で同意しろ。『結果を
出すためには、ここからだな』と言って尻をたたけ」


部下 :
「褒めるって、賞賛したり、評価することですから、やたら褒めてたら、相
手も勘違いするでしょうからね」


マネージャー :
「相手に暗示をかけるテクニックとして『褒める技術』はあるが、君はそん
な高度なスキルはない。だから勘違いされる」


部下 :
「わかりました、部下がやることをやったら、いったん受容し、そして尻を
たたきます」


マネージャー :
「常に、関心は寄せておけよ」



……正しく相手を「褒める」ためには、相手に2つの点が伴っていないと、褒
めるにも褒められません。

その「2点」とは何か?

コラム「草創花伝」に書いていますので、ご参考まで。


◆「褒める」技術とタイミングについて
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yokoyamanobuhiro/20130506-00024757/

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【編集後記】

先日、「なぜコーチングは機能しづらいのか?」というタイトルでメルマガを
書いたところ、

かなりの反響がありました。

日ごろから研鑽しているプロのコーチでない限り、そう簡単に「コーチング」
はできないものなんですよね。

おそらく、多くの人はうすうす感づいてはいたのだと思います。

にわか仕込みの「コーチング」で、相手に行動変容を促がすことなどできない、
と。

最近、「ゴールデンボンバー」と呼ばれる、パフォーマンス集団が人気です。

ロックバンドか? と勘違いしそうなのですがバンドではありません。楽器を
弾く振りをするだけで演奏しないバンドなのです。

エアーバンドと呼ばれています。

「エア」とは、実際はそこにないのにあるかのように振舞うこと、パフォーマ
ンスのことを言うそうです。

ギターがないのにギターを弾く振りをする「エアギター」がとても有名ですよ
ね。「エアギター」は世界選手権大会もあります。

「エア参拝」「エア焼肉」「エア彼氏」……などなども登場しているようです。

これにちなんで、

私は「エア・コーチング」というのも考えたいと。

「コーチング」はしていないんですが、「コーチング」した振りをすることで
一定の効果を狙うもの。

対話形式のコーチングではなく、

チームの「空気(エアー)」を変えることで、構成員の行動変容を促がし、目
標達成に向けた意識改革を実現させること。

そのために脳の「ミラーニューロン」を利用します。

皆さんご存知ですか?

緊張している人の近くにいると、なぜか緊張してくるものなのです。

これは「ミラーニューロン」の仕業と言われています。

油をいっさい使わずに唐揚げを作るかのごとく、

インタラクティブなコミュニケーションをせず、ほぼ空気だけで「コーチン
グ」と同等の効果を得る。

そんなアイデアをいずれ公開していきたいと思います。

「エア・コーチング」です。

ちなみに、運のよい人の近くにいると、運が「ついてる」状態になっていきま
す。

逆に、

運の悪い人の近くにいると、それこそ「運の尽き」という状態になります。

いつも怒っている人の近くにいると、イライラしがちになりますし、相手を否
定しかしない人の近くにいると、自信喪失していきます。

横山のセミナーに通う人、メルマガをいつも読んでくれる人、フェイスブック
をチェックする人は、目標を絶対達成できていきます。

少なくとも「目標達成が当たり前」だという思考は手に入っていきます。

なぜか?

私の周りには、そういう人が集まっているからです。

目標達成が当たり前で、そのことに対して疑いも持たず、ストレスも覚えない
人たちばかりがいるからです。

「空気」は人を暗示させていくのです。このメカニズムを理解すると、とても
楽になっていきます。

変えるのは「空気」です。