2013年6月10日

「腹の探りあい」をやめるコツ【カウンター・エグザンプル】

● 今回のテクニック:【カウンター・エグザンプル(6)】

カウンター・エグザンプルとは、物事に対して、ある「一般化」の思い込みを
している人に対し、それが真実ではなく、単なる思い込みに過ぎないことを気
付かせるテクニックである。

「一般化」の表現をしている人は、「みんな」「すべて」「いつも」という表
現をよく使う。

本当に「みんな」そうなのか? 本当に「すべて」そうなのか? 本当に「い
つも」そうなのか?

具体的な過去の体験について語ってもらうことにより、その思い込みを気付か
せることができる。

あいまいな表現をする人には「具体的に?」「たとえば?」という質問を使っ
てみよう。


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● 今回のコミュニケーション例


部下 :
「部長、新しく私の上司となった課長、正直なところ、何を考えているかわ
かりません」


マネージャー :
「何を考えているかわからない? 【たとえば】どういうときにそう思
う?」


部下 :
「5月の後半だったと思うんですが、課長に呼び出されたんです。突然、面
談したいと言われました」


マネージャー :
「それで?」


部下 :
「1時間ぐらい面談していただいたんですが、いまいち真意がわからないん
です」


マネージャー :
「君の話していることも、雲をつかむようで、よくわからない。【具体的に】
は、どんな話だったんだ?」


部下 :
「4月に提出した目標管理シートを、もう少し噛み砕いて表現してほしい。
そのためにまた資料を作ってくれ、と」


マネージャー :
「ふーーん……。確かに、真意はわからないな」


部下 :
「ですよね?」


マネージャー :
「それで、どうした?」


部下 :
「それからは何も……」


マネージャー :
「噛み砕いて表現したものを提出したのか?」


部下 :
「いえ、していません」


マネージャー :
「どうして?」


部下 :
「うーん、何のために課長がそんなことを私に頼んだのか、全然わからない
からです」


マネージャー :
「5月後半の話だろ? 何をやっているんだ」


部下 :
「え、私の責任ですか?」


マネージャー :
「責任とは、そういうことじゃない。腹の探りあいはやめたまえ。それを解
消するにはひとつしか方法がない」


部下 :
「え」


マネジャー :
「情報開示を早めることだ」


部下 :
「……」


マネジャー :
「腹の探りあいをしていると、信頼関係が失われていく。相手が何を考えて
いるのかわかりづらくなる」


部下 :
「まったくそのとおりです」


マネジャー :
「課長にすぐにでも資料を作って持っていけ。そしてコミュニケーションを
とるように心がけろ」


部下 :
「私が、ですか?」


マネジャー :
「情報開示は、まず部下からに決まっている。自分が相手のことをどう思っ
ているか、素早く伝えたまえ。思考ノイズが増えるばかりだろう」


部下 :
「すみません……」


マネージャー :
「いつ、課長とコミュニケーションをとるんだ」


部下 :
「そうですね、できる限りはやくします」


マネージャー :
「【具体的に】は、いつ?」


部下 :
「あ、今日じゅうにします」


……お互いの関係を正しく保つために、腹の探りあいはやめましょう。

自分がいま考えていること、はっきりさせたいことを早めに開示しましょう。

やはり「報告・連絡・相談」をスピーディにできる人が、信頼関係を築きやす
い人、と言えると思います。


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【編集後記】

私の処女作「絶対達成する部下の育て方」の韓国語版がついに登場しました!

フェイスブックに、その画像をアップしています。
http://www.facebook.com/nyattx/posts/580090622035792

「絶対達成」の文字は、このようになるのですね。

韓国で「絶対達成」「大量行動」「ロックPDCA」「予材管理」などの概念
がどのように受け止められるのか、とても興味深いです。