2013年7月22日

新奇性を重んじる人の心理【サンクコスト効果】

● 今回のテクニック:【サンクコスト効果(11)】

サンクコスト(埋没費用)とは、既に支出(投資)された費用のうち回収不能
なもののことである。

サンクコスト効果(塹壕効果)とは、せっかく支出(投資)したのだから無駄
だとわかっていても計画を続行してしまう心理的傾向を言う。

要するに「諦めきれない」心理のことである。「コンコルドの誤謬」はまさに
歴史上最も有名な「サンクコスト効果による誤謬」と言われている。

投資を継続することにより損失が増大することが目に見えているにもかかわら
ず、これまでに費やされた費用と労力を惜しむあまりにコンコルドの開発を中
断することができなかった。

このサンクコスト効果を活用したコミュニケーションテクニックを考える。

つまり「すでに費用と労力が十分に費やされている」ことを強調することで、
相手の行動改革を促す。


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● 今回のコミュニケーション例


部下 :
「ナイアシンって知ってますか?」


マネージャー :
「ナイアシン?」


部下 :
「夏バテ防止にいいそうです」


マネージャー :
「ナイアシンって何だ。食べ物か?」


部下 :
「エネルギー源である炭水化物を消化するには、ビタミンB1とB2が必要
だそうで、それを積極的に採ってたんですが、ナイアシンにもそのような働
きがあるそうです」


マネージャー :
「はァ?」


部下 :
「炭水化物をとっても、正しく消化しないと疲労物質になる脂肪や乳酸が増
えるだけだって」


マネージャー :
「……」


部下 :
「豚レバーとかけっこうナイアシンを含んでるそうです。レバーをもっと食
べないといけないんじゃないかなァと思うんですが。あとブリとかサバ」


マネージャー :
「またか」


部下 :
「え?」


マネージャー :
「いろんな情報を仕入れては試そうとする」


部下 :
「ええ、まァ……。知的好奇心が旺盛ですから」


マネージャー :
「効果があるのか?」


部下 :
「うーん、なんかダルいです。なかなか夏バテは治りません」


マネージャー :
「しょうがないな」


部下 :
「そりゃ、そうですが」


マネージャー :
「君はそうやって知識を得て満足しているだけだ。物事を足してばかりいる
と、やった気にはさせてくれるが、効果を実感させてもらえない」


部下 :
「……」


マネージャー :
「やった気になるだけだ。くどいようだけど」


部下 :
「確かに……」


マネージャー :
「目新しい情報を手に入れて喜ぶのはよせ。新しい情報を手に入れたら試し
たくなる。そこに費やした労力を回収したくなるからだ」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「サンクコスト効果だ。何か興味を持ち、調べる。今はインターネットの時
代だからすぐに調べられる」


部下 :
「ええ」


マネージャー :
「調べた時間はコストだ。そのコストをどうしても回収したくなるから、ま
たさらに時間を費やすことになる」


部下 :
「うーん」


マネージャー :
「夏バテ防止策なんて、だいたい誰もがわかってる。目新しい技術なんて要
らない」


部下 :
「どういう対策ですか。聞かせてください」


マネージャー :
「睡眠だ。それに汗をかくこと。適度に運動しろ。風呂に入れ。冷たいもの
を飲むな」


部下 :
「ああ……」


マネージャー :
「すでに知ってる内容ばかりだろう? 君みたいに新しいもの好きな人間に
は退屈なノウハウかもしれないが、人間の体は進化していない。昔から言わ
れていることはだいたい正しい」」


部下 :
「新しい情報を知ると嬉しくなっちゃって……」


マネージャー :
「ネットで検索ばかりしてるだろ。そうすると夜更かしする」


部下 :
「はい。課長が言うように、ネットで検索ばかりしていると睡眠不足になり
ます」


マネージャー :
「しかも毎日遅くまで残業してる。はやく帰って適度に運動し、30分ほど
ゆっくり風呂に入って、しっかり寝ろ」


部下 :
「足し算より、引き算ですね」


マネージャー :
「そうそう。足し算すると、何かやってる気がするけれど、本当に効果があ
るのは、だいたい引き算して導き出した解決策だ」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「君のように知らず知らずのうちに新奇性を重んじる人は、消費社会に欠か
せない存在だが、ほどほどにしておいたほうがいい」



……精神的にも不安材料があると、夏バテは解消されませんね。

私にとって、最も効果のある精神安定剤は「目標達成」です。

「今期も目標が達成する」とわかっていると心に平穏が訪れます。

「来期も間違いなく目標は達成する」とすでに把握していると、さらに気持ち
は晴れやかになります。

目標の「絶対達成」が心に余裕をもたらし、体調も整えてくれますね


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【編集後記】

私は今年になってから、心境の変化がありました。

それは服装に関することです。

最近、ランニングが習慣になり、たまにマラソン大会にも出るようになったせ
いか、

スポーツウェアを着用することがとても多くなりました。

週末、外へ出かけるときはだいたい「トゥモローランド」というブランドの服
を着ることが多く、

ちょっと「小ぎれい」に見えるよう心がけていました。(私はセンスがないの
で、100%妻のコーディネートです)

ところが最近は、もっぱらスポーツウェアです。

特に「アディダス」のウェアで上から下までコーディネートしています。

昨日(7月21日)日曜日は、20年以上続けている知的障がい者のボランテ
ィア活動がありました。ここへもアディダスのランニングシャツとウィンドパ
ンツというスタイル。

とても動きやすいし、心もアクティブになります。

以前は「ジャージ」のようなルックで外出するのはいかがなものか。ちょっと
だらしくないか、という先入観があったのですが、

最近のスポーツウェアはファッション性が高いせいか、抵抗がなくなってきま
した。

家にいるときも、だいたいスポーツウェアを着ています。

ミーハーなので、新作のウェアが出ると買ってしまいます。気持ちがアクティ
ブになり、動きたくなります。汗をかきたくなります。

「元をとりたくなる」からですね。

これはサンクコスト効果がポジティブに働いた好例だともいえます。