2013年8月1日

なぜ「予材管理表」は必要なのか? もう一度整理する【フリンチ!】

● 今回のテクニック:【フリンチ!(9)】

フリンチ!とは、相手からの無茶な指示や要求を飲まないために、冗談ぽく驚
いてみせること。

相手の言葉をはじめから「本気ではない/ジョークだ」と決め付け、大袈裟に
驚いたり笑ったりすることで、相手も本気だと言えなくなるという強引なコミ
ュニケーション技術。

言われた瞬間、間髪入れずに笑い飛ばすぐらいの覚悟が必要。例えばお客様か
ら「もう少し安くできない?」と言われたとき「ええええええ! 価格交渉な
んてあるはずないでしょう。いやだなァ〜、部長ときたらすぐにそんな冗談を
言うんだから〜。前も言ったじゃないですか、価格交渉はないって。もしいま
値引いたら僕が嘘つきになっちゃいます〜。ワハハハハ!」という感じで返す。

もちろん相手との強力な信頼関係(ラポール)が前提であり、それがないのに
実践すれば、大変な目に遭うことは間違いない。


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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「君のチームは、全然結果を出していない。どうしたんだ」


部下 :
「はい。今期はチーム内のコミュニケーションを活性化しようとしているの
ですが、なかなかうまく言っていない状況です」


マネージャー :
「コミュニケーションの活性化を目的としていないか?」


部下 :
「え?」


マネージャー :
「目的は結果を出すことだろう。チームのメンバーが全員、正しく結果を出
そうとしたら自然とコミュニケーションは活性化する」


部下 :
「そ、そういうものでしょうか?」


マネージャー :
「コミュニケーションを活性化しようとして、今期はどんな取り組みをして
きたんだ?」


部下 :
「の、飲み会を定期的にやろうと思いまして」


マネージャー :
「……」


部下 :
「……」


マネージャー :
「……」


部下 :
「……」


マネージャー :
「黙ってないで、何とか言えよ」


部下 :
「え、あ、いえ……。その、ですから飲み会をやろうと思ったんです」


マネージャー :
「やろうと思ってどうしたんだ?」


部下 :
「は?」


マネージャー :
「君はちゃんとコミュニケーションがとれるのか? 私の質問に正しく答え
たまえ。今のところ結果が出ていない。君はそれを予測し、今期の課題解決
策としてチーム内のコミュニケーション活性化を考えた。それで、飲み会を
やろうと思って……。で、どうしたんだ?」


部下 :
「そ、それで、なかなか飲み会も開催できずに、今にいたっています」


マネージャー :
「え、ええええええええっ!」


部下 :
「は……」


マネージャー :
「ちょ、ちょっと待て」


部下 :
「……」


マネージャー :
「冗談だろう? おいおい、冗談はやめてくれよ。3年連続目標未達成の君
のチームは、今期何とかこの問題を解決しようとチーム内コミュニケーショ
ンの活性化を訴えた。その打開策として出てきたのが『飲み会』。しかしす
でに今期がスタートして10ヶ月ぐらい経とうとしているのに、いまだその
飲み会が開催できない、というのか、いくらなんでもそれはないだろう」


部下 :
「はは」


マネージャー :
「はっはっはっはっはっはっはっはっ 冗談はよせ。いくらなんでもそれは
ない」


部下 :
「……」


マネージャー :
「飲み会を開くことと、結果を出すことの直接的な因果関係がない。飲み会
を開いてチーム内の雰囲気がよくなり、みんなのやる気が上がり、まわりま
わって結果が出る、ということはあるかもしれないが、あまりに都合のよい
考え方だ。そうだろう?」


部下 :
「え、ええ。まァ、そうですね……。私も、もちろん、それだけ考えていた
わけではないですから」


マネージャー :
「はっはっはっはっはっはっ! そんなこと当たり前だ。ところで、仕事に
関するコミュニケーションはどうしてるんだ? 予材管理表は使っているの
か」


部下 :
「いや……それが」


マネージャー :
「使ってないだろう。ファイルサーバにある予材管理表が全然更新されてい
ない」


部下 :
「え、ええ。なかなか使い方がよくわからないものですから」


マネージャー :
「おいおいおい! 冗談はやめてくれ。わからなければ私に質問すればいい
だろう? 君はまず私とのコミュニケーションを活性化しないといけないん
じゃないか?」


部下 :
「あ、はい……」


マネージャー :
「部下と話をするとき、まさか『手ぶら』か?」


部下 :
「手ぶら? ああ……。確かに」


マネージャー :
「現状とあるべき姿、そしてそのギャップを数値的に表現された資料もなく、
手ぶらでコミュニケーションをとっていると、部下が話している内容にしか
意識が向かない」


部下 :
「あ」


マネージャー :
「マネジャーが発生ベースでコミュニケーションをとっていたら、まるで意
味がない。部下の発想や行動に漏れがないか、それがわからなくて、どのよ
うにアドバイスをするんだ」


部下 :
「……」


マネージャー :
「なぜマネジメント資料が必要か、わかるか? そしてどのようにマネジメ
ント資料を作ればいいか、わかっているか? もう少し言うと、なぜ予材は
2倍、積まないといけないか、本当に理解しているか?」



……すでに発生している事象にのみ焦点を合わせてコミュニケーションをとっ
ていると、正しくマネジメントできません。

マネジャーが部下とコミュニケーションをとるうえで、いかに漏れをなくさせ
るか吟味してマネジメント資料を作成したいですね。

現在、「予材管理」をするうえで必要なツールを5種類、整理しているところ
です。

昨今、フェイスブックで紹介した「予材配線図」や「予材ポテンシャル分析グ
ラフ」「KPIカウントシート」そして「予材管理表」「予材の種 培養シー
ト」などを加えて、

「予材管理5つ道具」とし、今秋から冬にかけて徐々に公表していきます。

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【編集後記】

最近は「予材管理5つ道具」のことで頭がいっぱいです。

「QC7つ道具」に似せて、このネーミングにしました。

大量行動をし、目標の2倍の予材を積み上げる「予材管理」をすれば、目標が
絶対達成する、

と思い込んでいらっしゃる方がとても多いので、その誤解をといてもらうため
に、

「予材管理」にはもっと細々とした技法があることをわかりやすく伝えたいと
思い、考えました。