2013年8月16日

急激に成長するには、どのようなインパクトが必要か?【ユーティライゼーション】

● 今回のテクニック:【ユーティライゼーション(7)】

ユーティライゼーションとは「利用する」「活用する」という意味。相手の言
動の中に存在するものを効果的に利用して、無意識のうちに相手との信頼関係
(ラポール)を築くテクニック。

コミュニケーション技術としては、相手の口癖や、よく使う特異な表現・言葉
を活用することになる。そのためには、相手の言動をしっかりとキャリブレー
ション(観察)し、何気ない表現手法も見逃さない、聞き逃さない習慣が必要
だ。

高度なテクニックであるため、まずはバックトラッキングなどを無意識に使い
こなせるぐらいにまで練習してから、このユーティライゼーションに挑戦して
ほしい。(コミュニケーション版のミラーリング)


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● 今回のコミュニケーション例


部下 :
「知っていましたか、部長? 2年前に辞めていった私の後輩、今はマナー
講師をしているそうなんです。しかもけっこう人気があり、引っ張りだこの
ようです。アイツがマナー講師だなんて、現実的に考えられないです」


マネージャー :
「ドン詰まりから功名をあげたって話か。どうやってそんな人気講師にまで
上り詰めたんだ?」


部下 :
「わが社にいたとき、あまりにみんなからダメ出しされ続けたものだから、
会社辞めたあと、一から社会人としてやり直そうと思ったんだそうです」


マネージャー :
「それで?」


部下 :
「それで、100万円の借金をして、10万円を書籍代にし、あとの90万
円をセミナー代に費やしたんだそうです。勉強していく中で、自分が足りな
いものをハッキリと自覚し、それを克服するには講師になればいいと思った
んだそうです。僕にとっては発想自体が信じられないですけどね、現実的
に」


マネージャー :
「どうして講師を?」


部下 :
「教えられるより、教えるほうが自分の身になる、と考えたんだそうです、
現実的に」


マネージャー :
「その判断は確かに凄いな、【現実的に】」


部下 :
「そうですけれど、アイツのことを知ってる私にしてみれば、一番苦手なこ
とですよ、アイツに『マナー』だなんて、現実的に」


マネージャー :
「そうだな。でも、今は人気者だ、というのだから、苦手なことを克服した
体験が、受講者に共感を持ってもらえるのだろうな、【現実的に】」


部下 :
「まったくそうですよね、現実的に」


マネージャー :
「ところで、9月上旬に、営業部隊を全員集めて勉強会を開いてくれない
か」


部下 :
「いいですよ。勉強会の講師は慣れていますから」


マネージャー :
「『絶対達成する部下の育て方』という本を読んで、『ロックPDCA』の
重要性を営業の連中に教えてやってほしい」


部下 :
「え、あ……でも、私は営業ではありませんし、営業ではない私が講師をす
ると、よくないんじゃないかと思うんです。現実的に」


マネージャー :
「先ほど、君が言ったとおり、自分の苦手なことは人に教えることによって
身につくと思うんだ、【現実的に】」


部下 :
「現実的に、そうでしょうか?」


マネージャー :
「【現実的に】そうだろう。君自身が言ったことだ。君はとにかく、自分で
宣言したことをロックしてやり切ることが苦手だ。いい講師になるだろう」


……『絶対達成する決断力のつけ方』にも書きましたが、自分自身を変えるの
に一番インパクトの強い方法は、「アイデンティティ」を変えることです。

教えられる立場から、教える立場になったときに人は大きく成長します。


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【編集後記】

このメルマガのタイトルは『横山信弘のメルマガ「草創花伝」』です。

「草創花伝」というのは、簡潔に書くと、現状維持バイアスをはずして新しい
ことをスタートさせるための秘伝書——という意味です。

もちろん世阿弥の「風姿花伝」の名称を真似ています。コカ・コーラ社の「紅
茶花伝」もそう。

さて、

世阿弥の名言といえば「秘すれば花なり。秘せずは花なるべからず」。

つまり、

ミステリアスな存在・内容であることそのものが観る者に驚きを与え、花とな
る、ということでしょう。

私どもが紹介する「営業目標を絶対達成させる方法論」は、決して隠す必要は
ないと思いますが、

メルマガ著者である私自身のこと、私が書く内容はもっとミステリアスで良い
と考えています。

先日、私の部下の山北陽平と何となく話をしているときに、

「俺はもっとロックンロールをしたいんだよね」

ということを言いました。

山北は「何をまた言い出したんだ、この人は?」という表情で私を眺めていま
したが、まさに私が期待するのはその表情です。

目標を絶対達成させようという発想そのものが「ロックンロール」。どちらか
というと、大衆迎合したロックではなく、「パンク・ロック」に近いというか。

世の中の動きを見ていると、いかに「ラク」に「スマート」に「ソフトタッ
チ」な感覚を求めているか、わかります。

メディアが扇動しているようにも思えますが、スパルタ的な発想は毛嫌いされ、
昨今は草食的イデオロギーが強い勢力を持っています。

私どもの発想が社会一般に広く行き渡ることはないでしょう。

だからこそ、事業や商材を差別化しなくとも、「絶対達成」をスローガンにす
る企業は、その思想自体で差別化でき、永続的に生きながらえていくと私は考
えています。

休み中なので、このメルマガを読む人はそう多くないと思い、好き勝手書いて
います。

今後も大衆迎合しない思想で、メルマガのコンテンツは考えていこうと思って
います。