2013年8月22日

「絶対達成」の次にくるもの【無言クロージング】

● 今回のテクニック:【無言クロージング(7)】

クロージングを最も強力にしたい場合は、「無言」を貫くことである。

相手の要望・ニーズに沿った解決策/提案をしても、なかなか相手が決められ
ないときがある。理屈ではなく、踏ん切りがつかないケース。

ダブルバインドを活用して二者択一を迫ってもいいが、敢えて言葉を発せずに
待つという手もある。

人間は普通、「間」を嫌う。しかしその「間」を恐れずに無言を貫く相手から
は強烈なプレッシャーを感じるものである。無言が最強クロージング技術。し
かし難易度はかなり高い。


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● 今回のコミュニケーション例


部下 :
「ブルーオーシャン戦略っていいですよ。私たちも競合相手のいない領域
でビジネスをしたいです」


マネージャー :
「どうして? 腰抜けだからか」


部下 :
「こ、腰抜け……?」


マネージャー :
「そうだろ? 肝っ玉が小さいからだ」


部下 :
「本部長、ブルーオーシャン戦略を知らないんですか? れっきとした競争
戦略のひとつで……」


マネージャー :
「もういい、もういい。とにかくラクして儲けたいってことだろ? それだ
けだろ? 腰抜けの発想だ」


部下 :
「本部長、その言い方は失礼です」


マネージャー :
「今年の高校野球、観てるか」


部下 :
「もちろんです。甲子園を目指していましたから」


マネージャー :
「君はピッチャーだったな」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「今回、桐光学園の松井投手が大会前からものすごく注目されていた」


部下 :
「そりゃ、去年の夏、2年生なのに1試合で22奪三振を記録した投手です。
27個のアウトのうち22個が三振。とんでもない投手です」


マネージャー :
「次の試合でも19奪三振。その次が12。その次も15個。4試合で実に
68個の三振を奪った」


部下 :
「怪物の中の怪物、ですね」


マネージャー :
「しかし、その松井選手がいた桐光学園は今年、神奈川の地方大会を勝ち抜
けず、甲子園に出場することができなかった」


部下 :
「ええ、神奈川県は全国でも強豪校がひしめく激戦区ですから」


マネージャー :
「そうだよな。でも、君はそういう激戦区が嫌いだろう?」


部下 :
「な……! また失礼なことを言いますね! 私は愛知出身です。愛知だっ
て、かなりの激戦区ですよ」


マネージャー :
「本当はラクして勝ちたかったんじゃないのか」


部下 :
「ラクして勝っても意味ありません。あの松井投手だって、神奈川という激
戦区にいたから、あれだけのピッチャーになったのかもしれないんですか
ら」


マネージャー :
「そうだな」


部下 :
「……」


マネージャー :
「どんなにラクしても、ラクなまま続くことなどない」


部下 :
「……」


マネージャー :
「ブルーオーシャン戦略をとった企業の行く末を知ってるか?」


部下 :
「……」


マネージャー :
「永遠に、強豪相手のいない領域でビジネスをしている企業がどれほどあ
る? 最初は青かった海も、いずれ赤く染まるのが普通だ」


部下 :
「高校野球と、ビジネスは違うと思います」


マネージャー :
「ほお……」


部下 :
「……」


マネージャー :
「……」


部下 :
「……」


マネージャー :
「……」


部下 :
「い」


マネージャー :
「……」


部下 :
「いや」


マネージャー :
「……」


部下 :
「ち、違わないかも、しれません……」


マネージャー :
「企業を永続させるためには、ラクして勝てないときでも勝つ必要がある」


部下 :
「……」


マネージャー :
「だろ? 俺たちは、腰抜けじゃない。守るべき従業員と、従業員の家族た
ち、お客様たちがいる」



……ブルーオーシャン戦略は腰抜けの戦略ではありません。ただ、解決策を論
理的に導き出すことができないため、「再現性」を担保できないことは間違い
ないのです。

つまり、狙ってできることではない、ということです。

外部環境は、それほど都合よく変化してくれません。競合他社がひしめいてい
ようが、その領域で「勝つ」ための営業力・販売力を身につける。

市場を創り出すのではなく、競合をターンオーバー(ひっくり返す)しながら、
市場を浄化させ、活性化させる戦略を私は打ち出していきます。

いよいよ本日から日経コラムは「第2シーズン」へ突入します。「予材管理5
つ道具」、そして「ターンオーバー戦略」、「マーケティング・リーダーシッ
プマネジメント(MLM)」などのキーワードを解説していきます。


● 営業目標を絶対達成する『5つ道具』を公開します。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20130819/252369/

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【編集後記】

今年は例年以上に暑いせいか、私もすごく熱くなっています。

1年以上前に、「私はもうすぐ丸くなるでしょう。熱いのは今のうちだけ」と
編集後記に書いた記憶があるのですが、

今はすさまじく熱いです。

目標の「絶対達成」という言葉を使い始めて2年以上が経過しました。

いまだダイヤモンド社の「絶対達成シリーズ」は高水準で売れ続けています。
私自身は、そこに書いた以上のステージに立っている自負があり、

特にコンサルティングや企業研修において、現場を力強く「絶対達成」へと導
く、よりいっそう強い自信が芽生えてきました。

「結果」以上の説得力はありません。

触れる者、みな傷つける男を「ジャックナイフ」と呼ぶそうですが、

「触れる者、みな絶対達成させる男」と呼ばれたいですね。ま、それこそ「再
現性」のない話ですが……。

いずれにしても本日の日経コラムに書いたとおり、マインド、大量行動だけで
目標を絶対達成できるわけではありません。

「下地」として不可欠なだけであって、それいじょうのノウハウが必要です。