2013年8月26日

企業経営にも「アイドリングストップ機能」を!【フット・イン・ザ・ドア】

● 今回のテクニック:【フット・イン・ザ・ドア・テクニック(12)】

フット・イン・ザ・ドア・テクニックとは、はじめに小さな依頼を受け入れて
もらい、次に本当に頼みたいことを受け入れやすくするテクニックのこと。

最初の承諾が人間の心を拘束する心理術を応用している。ドアを開けた瞬間に
片足を捻じ込むセールスマンのテクニックからこの名が付けられた。ドア・イ
ン・ザ・フェイス・テクニックの反意語。


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● 今回のコミュニケーション例


部下 :
「営業支援システムの導入に関して、専務に話してはいるのですが、なかな
か先へ進みません」


マネージャー :
「専務に、話した?」


部下 :
「はい。現在、専務がシステムの導入可否を検討している段階です」


マネージャー :
「な、何を言ってるんだ。誰が専務に相談しろと言った?」


部下 :
「え! 先日メールでご連絡しましたよ」


マネージャー :
「おいおい、どういう状態になってるんだ。話がまったく見えん。システム
の導入は今年の4月を予定していたのに、いまだに実現してない」


部下 :
「去年の6月に各種システムを比較するために、ベンダーに来てもらってプ
レゼンしてもらいました」


マネージャー :
「そうそう。もう1年以上も前の話だ」


部下 :
「8月に2社に絞り込んで、それぞれ見積りをとり、社長に決断してもらい
ました」


マネージャー :
「そうだ。本当は昨年の年末までには導入されるはずだった」


部下 :
「ところが営業企画部の部長が、3年前に導入したシステムをロクに使って
もいないのに、全面刷新するのはおかしいと言い出したんです」


マネージャー :
「企画部の部長は何もわかってないんだ」


部下 :
「3年前に導入したシステムは見積り支援システムで、純粋な営業支援シス
テムではない。そのことを言っても理解してもらえません」


マネージャー :
「10月になってから、社長がいつになったら導入されるんだ、と聞いてき
た。それで、企画部の部長が『まだ検討の余地があります』などとほざいた
んだ」


部下 :
「はい。あの見積り支援システムを作ったIT会社を企画部部長が呼んで、な
ぜうまくいかなくなったのかと問い詰め始めたんです」


マネージャー :
「ダメだ。あの部長は、自分が意思決定プロセスの中にいなかったことに不
満を感じているだけだから」


部下 :
「そこで本部長が、管理本部の部長と話をしてくれと言ったんです」


マネージャー :
「え、俺が?」


部下 :
「そうですよ。今年の1月の話です。本部長ですよ、言ったのは」


マネージャー :
「なんだか登場人物が多くなってきたな」


部下 :
「管理部長に言ってみたところ、『どうして俺に聞くんだ。そういうことは
専務に相談しろ』と。こう返されたわけです」


マネージャー :
「いつ?」


部下 :
「4月です」


マネージャー :
「4月ゥ?」


部下 :
「4月まで管理部長は、企画部の会議に出たりして、企画部の部長と協議し
ていたようです」


マネージャー :
「だいたい、去年の段階で社長には了承をもらってる。どうしてそうなった
んだ?」


部下 :
「本部長が管理部長のところへ行けと言ったからですよ」


マネージャー :
「というか、企画部の部長だろう。そもそも言いがかりをつけてきたのは」


部下 :
「アイドリング状態ですね」


マネージャー :
「アイドリング?」


部下 :
「動いてるんですけど、前へ進んでいないじゃないですか」


マネージャー :
「ほォ、うまいこと言うねェ」


部下 :
「感心してる場合じゃありません。もうすぐ9月ですよ。システムを導入す
るのかしないのか、それだけでもハッキリしてもらえないでしょうか」


マネージャー :
「社長は承認してるんだから、もう一度、社長に念を押しておく」


部下 :
「社長に念を押していただいたら、部長会議で話していただけますよね。ち
ょうど社長も出席しますし」


マネージャー :
「ま、そうだな」


部下 :
「管理部の部長も、企画部の部長もいらっしゃいます」


マネージャー :
「確かに。そのほうが話がはやいな」


部下 :
「さらに専務もその部長会議に呼んでいただけるといいですよね。もっと話
がはやくなると思います」


マネージャー :
「え、専務も?」


部下 :
「専務は単独で話すとややこしいんです。社長には頭が上がらないようです
から、今回の部長会議にだけ出席していただいたほうがいいですよ」


マネージャー :
「んん……。わかった」



……会社が大きくなればなるほど、「アイドリング状態」に陥ってしまうこと
があります。

皆さん、よかれと思って動いているのに、いっこうに前へ進まないときがあり
ます。

確かにいきなり動き出すより、少し暖めてから発進したほうがいい、という気
持ちはわかります。

しかし「アイドリング」はほどほどにしたほうが良いでしょうね。

このことをコラムに書きました。拙作「脱会議」の延長戦上にある発想です。


● 意思決定プロセスにおける「アイドリング状態」とは?
            企業経営にも「アイドリングストップ」機能を!
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yokoyamanobuhiro/20130813-00027223

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【編集後記】

「絶対達成する決断力のつけ方」の編集後記に書きましたが、

ずっと「左肩」を悪くしており、

今日もいま、病院へ来ています。

週末は2日とも研修で、通院できなかったものですから……。