2013年9月2日

大量行動は「2ヶ月目」が大切【譲歩の返報性】

● 今回のテクニック:【譲歩の返報性(4)】

譲歩の返報性とは、「返報性の原理」のひとつ。

相手に譲歩することで、相手もこちら側に譲ってくれる可能性が高まる。

相手とペースを合わせる「ペーシング」の基本。

コミュニケーション相手の言い分をまず受け止めることは、こちらの主張をい
ったん飲み込んで譲歩することと似ている。


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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「8月の訪問件数は、最終的にどれぐらいになった?」


部下 :
「はい。207件です」


マネージャー :
「目標は200で、最終的に207件か。よくやった」


部下 :
「ありがとうございます。ホント、最後は帳尻あわせのようになってしまい
ましたが、何とかやり切りました」


マネージャー :
「帳尻あわせだろうが何だろうが、目標を掲げ、ロックした以上はやり切る。
まず、それができればいい」


部下 :
「はい。H主任は、『訪問件数を稼ぐだけにお客様をまわるならやめろ』と
言うんですが、私はやめませんでした」


マネージャー :
「そりゃそうだ。脳は2つ以上のことに焦点を合わせることはできない。新
しい習慣を身に着けるためには、まずそれに専念すること。訪問200件を
無意識的有能状態にするまでは、何も考えずに続ければいい」


部下 :
「ありがとうございます」


マネージャー :
「肝心なのは9月だ」


部下 :
「え」


マネージャー :
「7月までの訪問件数はアベレージで40件。これを夏休みがあるにもかか
わらず、8月に200件までアップさせた」


部下 :
「はい。5倍です」


マネージャー :
「やり切った後の爽快感は格別だろう」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「しかし、反動が来る」


部下 :
「反動?」


マネージャー :
「お祭り騒ぎ的に大量行動するのは、誰だってできるんだよ。しかし200
件……というか、それ以上の件数を習慣化させるには、さらに踏ん張らない
といけない」


部下 :
「えっと……。実はそのことで相談があったんです。8月は頑張って200
件まわったんですが、9月はいろいろとイベントなどありますので、150
件ぐらいまで下げたいと思ったのですが……」


マネージャー :
「いやいや。9月は300件でいこう」


部下 :
「……は……?」


マネージャー :
「300件だ」


部下 :
「……さ」


マネージャー :
「300件」


部下 :
「冗談ですよね?」


マネージャー :
「いやいや冗談じゃない。もともと2ヶ月目は大幅にアップしてもらおうと
思っていた。それに9月に夏休みはない。楽勝だろう」


部下 :
「ら、楽勝じゃないですって」


マネージャー :
「リバウンドは絶対にさせない。8月の水準からは絶対に下げさせない」


部下 :
「そ、それじゃあ、せめて200件にさせていただけませんか」


マネージャー :
「1日あたりの訪問件数を数えてみればわかる。夏休みがある8月と、ない
9月とでは物差しが違う」


部下 :
「それでも300件は、ちょっと……」


マネージャー :
「君がこれまで対応をしてきた開発部との打ち合わせ、すべて企画部が受け
持つこととした」


部下 :
「え」


マネージャー :
「あと、営業日報も廃止にする。営業部デスクに設置したホワイトボードに
一日の訪問件数を『正』の字で書いていってくれ。それでいい」


部下 :
「あ、はい」


マネージャー :
「さらに、直行直帰の日があってもいい。認める。ただ訪問件数だけは庶務
の人に電話で毎日連絡してほしい。報告、連絡、相談はすべて電話。基本的
に会社からのメールの返信は電話でいい」


部下 :
「そこまでしてくれるんですか」


マネージャー :
「とにかく訪問に集中してほしい。お客様に会ってコミュニケーションをす
ることが営業の仕事だ。口だけでなく、組織の体制を変えてまで、このメッ
セージを君に贈る」


部下 :
「わかりました。そこまで言われたら、やるしかありません」


マネージャー :
「9月はひとまず300件。徐々に上げていこう」


部下 :
「え! 来月はさらに?」



……拙作「絶対達成する部下の育て方」を読み、大量行動を決断した会社も多
いようですが、

大事なのは2ヶ月目です。

1ヶ月目は「お祭り騒ぎ」的に盛り上がるかもしれませんが、すぐにその反動
が来ます。

2ヶ月目は理不尽だといわれるぐらいに行動量を強制的にアップさせ、できれ
ば3ヶ月目ももっと増やすことがコツです。

そうすると習慣化しやすくなります。

習慣化させるためには、2ヶ月目、3ヶ月目がとても大切。

私どもがコンサルティングや企業研修をする場合、特に2ヶ月目にものすごく
気合を入れます。


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【編集後記】

6月末に、年間「1000キロウォーク&ランする」と宣言し、7月からカウ
ントをスタートしました。

それまでは平均して20〜30キロ程度しかジョギングしていなかったため、
私にとってはかなり大きな決断となりました。

月間「83キロ」ほど走れば、年間「1000キロ」をクリアすることができ
ますが、そんなに簡単ではないでしょう。

体調を崩すなど、想定外の問題が出てきて数日間、走れなくなるときもあるは
ずです。

そこで最初の7月は月間「100キロ」をロックしました。

これは見事に達成。

肝心なのは8月です。

私としては3日間の夏休みもありますし、7月よりは余裕で達成するはずだと
思い込んでいました。

ところが、その夏休みに1度も走ることができず、一気に失速。8月23日の
時点で「64キロ」しか積みあがっていません。

(フェイスブックで公開しています)

気の緩みが出ました。

さらに体のキレもなくなり、いまいち気分も乗らなくなってきました。

悪いことに、「今年は暑いし、8月に100キロやらなくてもいいのではない
か」などと言い訳を探しはじめる始末。

しかし、このままズルズルいくと、「70キロ」ぐらいで終わりそうな気がし
たのです。

ここが踏ん張りどころだと考え、8月24日から31日までの8日間で「37
キロ」をウォーク&ランして、何とかギリギリ「100キロ」に到達。

暑い日が続くので、とにかく早く寝る。出張先でも周辺を走ることができるホ
テルを選ぶ。雨の日なら傘を差してでも出かける。

あらゆる手を使って達成。

最後は駆け込みでしたが、久しぶりに達成感を覚えました。かなり爽快な気持
ちとなりました。

やはり「2ヶ月目」が大事ですね。

9月は香港へ旅行する計画があり、目標を「90キロ」に変更。

私は夏より冬のほうが苦手ですので、冬の間は「80キロ」に目標を変更でき
るよう、今から少しでも積み上げておきたいと思っています。

それにしても、この目標を掲げてから、生活がかなり変わりました。特に、睡
眠時間は早くなり(10時半ごろ)、食生活も一変。(たんぱく質中心)

ひとつの大きな決断が、いろいろなものを変えてくれますね。