2013年9月17日

「進捗状況」は曖昧表現を避けるべき【ダブルバインド(19)】

● 今回のテクニック:【ダブルバインド(19)】

ダブルバインドとは一般的には「二重拘束」を指す。

そのダブルバインドの理論を精神治療用に変化させたのがミルトン・エリクソ
ンであり、迷える相手を「二者択一」の質問をすることにより、催眠誘導する
技。

相手がまだ決断をしていないにもかかわらず、「Aがよいか、Bがよいか」と
迫るため、リーディングするまでは十分にペーシングしておくことが不可欠で
ある。


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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「新規開拓の進捗状況を教えて欲しい」


部下 :
「現在進行中でやってます」


マネージャー :
「君は仕事をなめてるのか? 『現在進行中』などという返事はない。具体
的には、どういうことなんだ」


部下 :
「まァ、今はいろいろと選定しているところです」


マネージャー :
「『具体的には?』と質問されて、『いろいろと』とか『さまざまな』など
という表現をするな。選定というのは、何を選定しているんだ?」

部下 :
「新規開拓する先のことです。……いや部長が言いたいことはわかりますけ
ど、これって、そもそも私がやらなくちゃいけないことなんですか」


マネージャー :
「出たな。責任逃れの言い訳が……。君のように曖昧な表現を繰り返してい
るような奴は、思考の流れが捻じ曲がっていく。今期、新規開拓で1000
万は上積みしたいと言っていたのは君自身だろうが」


部下 :
「ですから、今は新規開拓先を選定している最中ですって。やってますよ、
少しずつですが」


マネージャー :
「営業2課のほうでも同様の取組みをはじめているらしい。そこで君に2課
のプロジェクトと合同で取り組んで欲しいと俺は考えている」


部下 :
「はァ……」


マネージャー :
「君にやってほしいのはこれから言う2種類のうちどちらかだ。1つ目が新
規開拓用の販促ツールの作成とトークスクリプトの設計、2つ目が新規開拓
先を選定するうえでの予材ポテンシャル分析だ。2課の課長も是非にと言っ
ている。君は営業トークが素晴らしいからトークスクリプトの設計でもいい
と思うんだが、予材の埋蔵量を推し量る取り組みにも期待したい。どちらが
いい?」


部下 :
「トークスクリプトの設計と、予材ポテンシャル分析……?」


マネージャー :
「そう」


部下 :
「じゃあ、予材ポテンシャル分析を。トークスクリプトに関しては他に得意
な人がいそうですし」


マネージャー :
「了解。頼んだぞ。期待しているからな」


部下 :
「はァ……」



……曖昧な表現を繰り返す人は、「ドア・イン・ザ・フェイス」「ダブルバイ
ンド」「ローボール」といった、どちらかというと強引な説得技術が有効です。

ロジカル思考が弱くなっていくからでしょう。

人に騙されないためにも、数値表現を使った具体的な受け答えができるように
したいですね。


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【編集後記】

昨今、各地で行われている「営業マネジャー特訓コース」が感動的に終了して
いきます。

先週金曜日も、大阪で最後の6回目が行われました。それぞれのマネジャーの
発表を聞いていると、胸が熱くなるときがあります。

おそらく普通の研修では考えられないほど、マネジャーの動きが変化していく
のです。それにつられて考え方も価値観も変わっていきます。

周囲のマネジャーの変化に「感化」されていくからでしょう。

30代から50代のマネジャーが劇的に変化していく様を見て、私も鼓舞され
ます。

また、

この週末に、58歳の受講生から、私の講義、書籍、DVDなどの内容をまと
めた50ページ超のレポートが送られてきました。

要点がまとめられているだけでなく、オリジナリティ溢れるイラストまで挿入
され、このまま書籍として売れるのではないか? と思えるほどの大作となっ
ています。

その方はご本人で大量行動を続けながら、会社へ報告するための大作レポート
を作り続けたとのこと。

私が一番、勉強させていただいております。