2013年9月23日

「ダメもと」は6割うまくいく?【アズ・イフ・フレーム】

● 今回のテクニック:【アズ・イフ・フレーム(15)】

アズ・イフ・フレームとは、「もし……だったとしたら、どのように……する
か」「もし……実現したら、どのような気持ちとなるか」等と質問をすること
により、相手がかけている色眼鏡(フレーム)をはずさせるテクニック。
(アウトフレーム)

相手の先入観/固定概念を打破するために有効な、魔法の言葉。

通常は、実現したい目標がかなっている「未来」までイメージの中で空間移動
し、そのシーンを十分に味わってもらってから、それまでの実現プロセスを語
ってもらう。そのことにより「ドツボ」にはまっているフレームから抜けやす
くなる。

ただ、言葉だけを使ってもうまくはいかない。


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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「この地区の工業団地には、いろんな業者が出入りしている。そういう業者
に対して片っ端から声をかけて欲しい」


部下 :
「……」


マネージャー :
「な」


部下 :
「……」


マネージャー :
「頼むぞ」


部下 :
「……」


マネージャー :
「……」


部下 :
「そ、そうですね……」


マネージャー :
「どうした」


部下 :
「ダメもとで、やってみます」


マネージャー :
「ダメもとってお前……。当社の商品は工業団地に出入りしている業者には
ウケがいいんだよ。『ダメでもともと』じゃない。そんなに確率は低くない
よ」


部下 :
「うーーーーーー……ん」


マネージャー :
「……」


部下 :
「……」


マネージャー :
「……そ、そんなに悩むことか?」


部下 :
「いやァ……どうなんでしょう」


マネージャー :
「ぐずぐず言ってないで、やればいいんだよ」


部下 :
「うーーん……」


マネージャー :
「そもそも、ダメもとって、どういうときに使うんだ?」


部下 :
「え?」


マネージャー :
「俺はいま、課長だ」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「年収、760万だ」


部下 :
「え、760万! ……意外と、少ないですね……」


マネージャー :
「うるさいよ。だからちょっと不満なんだ」


部下 :
「ほォ……」


マネージャー :
「だから今年の3月に社長に言ってみた。年収900万は欲しいですって」


部下 :
「おおっ! ストレートな言い方ですね」


マネージャー :
「こういうのを『ダメもと』って言うんだよ」


部下 :
「確かに……。それで、さすがにダメだったんですか?」


マネージャー :
「当たり前だ。『900万欲しいです』と言って、『いいよ』と社長に言わ
れたら、俺のほうが驚くわ」


部下 :
「そりゃ、そうですよね」


マネージャー :
「ただ、営業部の副部長に昇進したら、考えてもいいと言われた」


部下 :
「へェ」


マネージャー :
「言ってみるもんだよ」


部下 :
「わが社に副部長職なんてないですからね」


マネージャー :
「君は将来どうなりたい?」


部下 :
「僕はまだ27歳ですから、将来のことなんて考えませんよ」


マネージャー :
「27にもなったら、考えろよ」


部下 :
「そ、そうですか。じゃあ、年収500万ぐらい欲しいです」


マネージャー :
「ちっせーなァ」


部下 :
「だってわが社だったら、それぐらいが限界でしょう」


マネージャー :
「その倍はいけよ」


部下 :
「1000万ですか?」


マネージャー :
「というか、そのさらに倍!」


部下 :
「え、2000万!?」


マネージャー :
「そう。年収2000万もらったら、どんなことが可能になるのか俺もあま
りイメージできない。税金もあるだろうから、庶民の生活に変わりはないだ
ろうけれど、気分はいいだろう」


部下 :
「そうでしょうねェ。気分はいいと思いますよ」


マネージャー :
「もしも年収2000万ぐらいだったら、気分はいいか?」


部下 :
「ええ……」


マネージャー :
「年収5000万だったら?」


部下 :
「そりゃ、もう。空の上を飛んでいるような気分になると思います」


マネージャー :
「年収1億だったら?」


部下 :
「ちょっとそれは、想像できないです。脳が拒否反応、起こしてます」


マネージャー :
「年収5000万だったらイメージできるか?」


部下 :
「よくわからないですが、何となくイメージぐらいはできます」


マネージャー :
「それじゃあ、この地区の工業団地に出入りしている業者に片っ端から声を
かけることも簡単だろう?」


部下 :
「そりゃ、簡単です」


マネージャー :
「ほう」


部下 :
「そんなちっぽけなことに対して『ダメもと』だなんて使っていたらダメで
すね。もっとデカイことを『ダメもと』しないと」


マネージャー :
「言うじゃないか……」



……私は意外と慎重派なので、私が『ダメもと』でやってみよう! と決意す
ると、6割ぐらいはうまくいきます。

つまり私の『ダメもと』は、『ダメでもともと』という意味になっていないの
です。

皆さんの周りにも、そういう人はいませんか?

『ダメもと』と言うからには、10%以下の確率で成功するようなことを言う
わけです。

私のように『ダメもと』成功率が高い人は、もっともっと思い切った決断をし
たほうがいいかもしれませんね。

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【編集後記】

先週の木曜日から4日間、香港へ旅行していました。

毎年1回だけ、雑誌の編集者の方々と海外旅行へ行くことがこの4年間続いて
います。最初は上海、次は台北、去年はシンガポールでした。そして今年は香
港。

最初は順調だったのですが、3日目に喉を痛めてダウン。

この時期、香港は蒸し暑いのですが、建物の中はクーラーが効きすぎていて、
その寒暖差にやられてしまったようです。

ここ数年は筋トレやジョギングなどをしているせいか、風邪をひいたことがな
く、久しぶりに「眠れなくなるほどの喉の痛み」を味わいました。

参加予定だったツアーはキャンセルし、一人でホテルに残り、コラムの執筆な
どをして過ごしました。

帰国してからも「1日セミナー」が連続して続きます。明日から3日間で4度
のセミナー(合計16時間)をこなさなければなりません。

無理しようと思ったらできたのでしょうが、万が一風邪をこじらせてしまった
ら、私の場合「喋るのが仕事」ですので死活問題。

プロとして、「熱があるわけでもないんだから、喉が痛いぐらいでせっかくの
海外旅行を台無しにしてたまるか」みたいな発想はできませんでした。

ま、こういうときもありますよね。

香港旅行における一番の思い出は「脱会議」の中国語版を書店で見つけたこと
です。

最近出たばかりだし、中国本土ならともかく、香港にはないだろうなと思って
いたら、偶然発見しました。

ものすごく嬉しかったですね。

(フェイスブックでその写真を公開しています)