2013年9月27日

楽して儲けるための「3つの資産」【イエス・バット法(】

● 今回のテクニック:【イエス・バット法(16)】

イエス・バット法とは、『応酬話法』の代表的なテクニックである。

部下とコミュニケーションをしている最中、相手の答え/考えが間違っていた
り、的を外していたりすると、ついつい反射的に抵抗してしまいたくなる。

それをグッと我慢し、まずは相手の反応を受け止め(Yes)、柔和に反論し
(But)、戦略的に交渉を進める方法である。

マネージャが部下の行動変革を促したい気持ちが強い場合、また部下のことを
考えて話しているのにもかかわらず頭ごなしに否定されたとき、いかに感情を
セーブできるかがポイントである。

簡単そうに思えるが、訓練・場数を踏まないと瞬間的に対応することは意外と
難しい。


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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「400万円、儲けた?」


部下 :
「ええ、まァ」


マネージャー :
「なんだよ、そんなドヤ顔しやがって」


部下 :
「ドヤ顔してました? すみませんすみません」


マネージャー :
「嫌みったらしい奴」


部下 :
「10年で400万のリターン。けっこう儲けたでしょう?」


マネージャー :
「投資信託か?」


部下 :
「ええ。インデックスファンドです。父親から教えられてコツコツ積み立て
投資してきたんです。最初の数年は値下がりしたときもあって、騙された…
…と思ったこともあるのですが、ここ数年、一気に増えてきました」


マネージャー :
「ふーん」


部下 :
「やっぱりコツコツ継続してみるものですね」


マネージャー :
「儲かった収益はどうするんだ?」


部下 :
「もちろん投資にまわします。複利効果を狙っていくわけですから」


マネージャー :
「君は32歳か。まだまだお金に困る年代でもないか」


部下 :
「世界中の株や債権、若干、不動産にも分散投資していますから、たとえ
リーマンショックみたいなことがあっても、1と10年、20年先を考えた
ら、ほぼ確実に儲かります。絶対とはいえませんが」


マネージャー :
「たいしたもんだ。10年間、積み上げてきた歴史があるっていことは強い
な」


部下 :
「課長は投資とか興味ないんですか?」


マネージャー :
「うーん、よくわからないしなァ」


部下 :
「簡単ですよ。少しずつ勉強すれば、誰だってできます」


マネージャー :
「なるほど。ところで、10月のコミュニケーションの研修に出てみない
か」


部下 :
「ああ、この前、朝礼で案内していた2日間の研修のことですか。そう言わ
れても、けっこう最近、忙しいですしね」


マネージャー :
「【ああ】、確かに最近は忙しそうだね。大型の案件があるんだっけ?」


部下 :
「そうなんですよ。けっこう立て込んでるんです。相手の部長がややこしい
人で」


マネージャー :
「【うん】、確かに相手はややこしい人だよな。【でも】第二課のY君も研
修には参加するんだよ」


部下 :
「え、Y君が?」


マネージャー :
「そう」


部下 :
「うーーん、でも研修って、受けてもあんまり効果がないですよね。受講し
た後だけですよ、何となくわかった気になっているのは」


マネージャー :
「【なるほど】、確かに研修って受講したすぐ後はわかった気になるよな。
【でも】そういうことを言う人ほど研修を受けないって知っていたか?」


部下 :
「え?」


マネージャー :
「過去に研修を受けてこなかった人ほど、研修を否定的に見ているというこ
とだ」


部下 :
「……」


マネージャー :
「本を読まない人ほど、『最近、いいビジネス書ってないですよね?』なん
て言うだろ? それと同じ」


部下 :
「はァ……」


マネージャー :
「あと、最近ずっと会社の中にいるじゃないか。お客さまへの訪問件数が減
ってないか?」


部下 :
「うーん、ま、そう言いますけど、お客さまのところへ行くネタがないんで
すよね。ネタがあれば、いいんですが……」


マネージャー :
「【なるほど】。ネタがないからお客さまのところへ行けないと言うんだね。
【でも】、お客さまのところへ行かない営業ほどネタがない、と言う事実も
知っておいたほうがいいよ」


部下 :
「え……」


マネージャー :
「資産には3種類ある」


部下 :
「3種類……?」


マネージャー :
「自分資産と関係資産、そして金融資産だ」


部下 :
「……」


マネージャー :
「君は金融資産をそこそこ手に入れられたかもしれないけれど、自分資産と
関係資産はどうだ?」


部下 :
「……」


マネージャー :
「教育を受ける、勉強をする、などして自分を高めようとする自分への投資
はしているか?」


部下 :
「ああ」


マネージャー :
「お客さまとの信頼関係……つまりラポールを構築しようと努力している
か? その関係資産はどうだ?」


部下 :
「……」


マネージャー :
「私は金融資産のことはあまりわからない。けれど、おそらく自分資産と関
係資産は、金融資産よりもリスクが低いと思う」


部下 :
「そ、そうですね……」


マネージャー :
「君は資産運用のことをよくわかっている。ぜひ、自分資産と関係資産のほ
うも、しっかりコツコツ貯めて正しいリターンを得て欲しい」


部下 :
「5年、10年と積み上げれば、利回りはすごくよくなりそうですね」


マネージャー :
「きっとそうだよ」



……私は資産運用をしていませんが、投資の本をよく読みます。

営業活動においても、自分の人生においても、とても役立つ内容が書かれてい
ます。

ハイリスクハイリターンの投資を10年、20年継続した結果と、

ローリスクローリターンの投資をコツコツ10年、20年続けた結果とを比較
した場合、

圧倒的に、後者のほうが平均利回りが高くなるだろうという推測は衝撃なもの
です。

つまり「今さえよければいい」「今すぐ結果が欲しい」という発想を長年繰り
返していると、失うもののほうが大きいという意味ではないでしょうか。

とても大切な概念のように思えます。

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【編集後記】

今週は2日間、沖縄にて講演2回、そして「営業マネジャー特訓講座」の2回
目を実施してきました。

沖縄の方々はとてもアットホームで、受講者同士、すぐに仲良くなってくださ
います。

来月から月1回、横山の書籍を持ち寄って「勉強会」を開催するという企画も
立ち上がりましたし、皆さん意欲的です。

私にとっては沖縄の存在が近くなって、とても嬉しいです。