2013年9月9日

お客さまへの「ヒアリング」よりも大切なこと【オーバーステート】

● 今回のテクニック:【オーバーステート(9)】

オーバーステートとは、文字通り「大袈裟な表現」のことである。

曖昧なことを繰り返す相手に、わざと大袈裟な数字を示して反論させ、具体的
な条件を引き出す方法。 少しふざけた調子で吹っかけるのがコツ。

「100%ダメなんですか?」 → 「100%ダメというわけじゃないです」
「年収1000万ぐらいもらってるんだろ?」 → 「半分くらいですよ」
「本当は彼女の3人や4人いるんだろ?」 → 「1人しかいませんよ」


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● 今回のコミュニケーション例


小清水 :
「桐沢マネジャー、現場から面白いものが検出されました」


桐沢マネジャー :
「小清水君、『面白い』という表現をするな。『面白い』などという事件、
いや、案件はない」


小清水 :
「申し訳ありません。こちらを見てください」


桐沢マネジャー :
「ただのクリアファイルじゃないか」


小清水 :
「『MMM工業』の富沢室長からいただいた資料のものです」


桐沢マネジャー :
「経営企画室の富沢さん、だな」


小清水 :
「はい」


桐沢マネジャー :
「何の変哲もないクリアファイルだ。もったいぶらないで、これが何を意味
しているのか言いたまえ」


小清水 :
「鼻につけてみればわかりますよ」


桐沢マネジャー :
「……?」


小清水 :
「匂いますか?」


桐沢マネジャー :
「このクリアファイルの匂い? ……んん……。オイルか。……工作機械用
の潤滑油?」


小清水 :
「ええ。馴染みのある潤滑油です。競合の『JJJマシーン』の機械によく
使われています」


桐沢マネジャー :
「小清水君、君の鼻の嗅覚細胞は1億ぐらいあるのかもしれないな」


小清水 :
「きゅうかく、細胞?」


桐沢マネジャー :
「普通の人間は500万。犬が2億と言われている」


小清水 :
「何を仰ってるんですか、まるで私を犬みたいに言って」


桐沢マネジャー :
「それじゃ犬に失礼だ」


小清水 :
「な……」


桐沢マネジャー :
「君の嗅覚をもっと別のことに使いたまえ」


小清水 :
「あの潤滑油の匂いこそ、MMM工業に、JJJマシーンの機械が新しく導
入された証です。富沢室長はしらばっくれていますが、間違いありません」


桐沢マネジャー :
「JJJマシーンの機械は入っていない」


小清水 :
「え」


桐沢マネジャー :
「JJJマシーンが営業攻勢をかけていたのは事実だ。エンジニアを帯同さ
せて売り込みをかけている姿を何度も目撃した」


小清水 :
「ちょっと待ってください。『営業攻勢をかけていた』と仰いましたよね?
過去形ですか」


桐沢マネジャー :
「過去形だ」


小清水 :
「じゃあ、今はしていないと?」


桐沢マネジャー :
「このクリアファイルを照明に向かってかざしてみろ。無数の傷が確認でき
る」


小清水 :
「……」


桐沢マネジャー :
「そうとう使い込んだクリアファイルだ。かすかに潤滑油の匂いは残ってい
るが、JJJマシーンが営業攻勢をかけていたのは少し前の話だと推察でき
る」


小清水 :
「……」


桐沢マネジャー :
「それより君はMMM工業の工場を見学したことはあるか?」


小清水 :
「いえ、外からしか見たことがありません」


桐沢マネジャー :
「なぜ工場を見学しないのだ」


小清水 :
「私がお客ならともかく営業なんですから、工場を見学させてくださいと言
っても無理ですよ」


桐沢マネジャー :
「誰が言った?」


小清水 :
「あの、前の安井支店長がそのように……」


桐沢マネジャー :
「安井支店長が、工場を見学させてくださいと相手に言わないと見学もでき
ない、と言ったのか?」


小清水 :
「え?」


桐沢マネジャー :
「なぜ見学させてください、と言わなくちゃいけないんだ?」


小清水 :
「……まさか」


桐沢マネジャー :
「私はすでに2ヶ月前に、MMM工業の工場を見学した。工作機械のリース
切れ時期、そして型式の特定もしてきた。JJJマシーンの商品は入ってい
なかった」


小清水 :
「そ、そうなんですか?」


桐沢マネジャー :
「現在、MMM工業は多品種小ロットの戦略をとっているが、その戦略は転
換していく。こちらとしては、今後その戦略に沿った機械を提案していく必
要がある」


小清水 :
「……どうしてそんなことが」


桐沢マネジャー :
「MMM工業の決算時期は8月。9月の頭の早朝、工場へ見学に行ったら朝
礼で工場長がそのように演説していた」


小清水 :
「9月頭の朝礼に出たんですか?」


桐沢マネジャー :
「朝礼には出ていない。しかし、本社ビルの管理棟のトイレから10メート
ルほどいくと工場を覗くことができる」


小清水 :
「……」


桐沢マネジャー :
「MMM工業の作業服は淡い緑色だ。似たような作業服を着てウロウロして
いると、あまり違和感はない」


小清水 :
「桐沢警部、……いや、桐沢マネジャー、ど、どうしてそこまでやるんです
か? いつも、まるでドラマに出てくる刑事みたいじゃないですか」


桐沢マネジャー :
「どうしてそこまでやらない?」


小清水 :
「え!」


桐沢マネジャー :
「調べてみたんだが、一般的な刑事の給料より我々の給料のほうが高い。そ
れなら、同じ働く者として、これぐらいやって当然だろう」


小清水 :
「……」


桐沢マネジャー :
「さあ、出かけよう。これから富沢室長へ提案だ。5500万円の提案をぶ
つける」


小清水 :
「5500万! ちょ……。そんな予算、MMM工業は持っていないはずで
すが」


桐沢マネジャー :
「私が富沢室長に直接聞いてみた。『大幅な戦略転換をするぐらいなら、
10億程度のご予算はあるんでしょ?』と。そうしたら『とんでもない!
あっても5000万ぐらいですよ』と富沢さんは漏らしていた」



……やはり「現地現物」ですね。

売り手の勝手な妄想と、お客さまへのヒアリングだけで提案書を書くのは現実
離れすることが多いのです。


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【編集後記】

うーーん……。

今朝(9月9日)、また接触事故に遭いました。

私が乗っていた自転車と、自動車のフロント部が少しぶつかる程度の接触事故
で、私は何事もありませんでした。だから大丈夫です。しかし、嫌な気分には
なりますね。

駅に向かって、普通に歩道を自転車で走っていたら、あぜ道から車が飛び出し
てきたのです。

私の家の近くはとても田舎ですので、よくあることです。ただ、接触するのは
これで2回目です。

前回は私が吹き飛ばされ、相手の車のボンネットの上に一度バウンドしてから、
道路に腰から落ちました。

生まれてはじめて救急車に乗りました。

何年ぶりのことか、過去のメルマガを読み返してわかりました。2009年の
11月のことです。

このときのメルマガを紹介しましょう。はじめての経験のせいか、けっこう動
揺していて、文面にもその心の動きがわかります。

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みなさん、こんにちは。アタックスの横山です。

先週、11月2日に交通事故に遭い、そのことをメルマガ編集後記に記したと
ころ、大変多くのお見舞いメールをいただきました。

全員に対してメールの返信をすることは困難ですので、ここで感謝の気持ちを
込め、事故後に読み、あらためて涙を流した最愛の書籍のひとつを紹介させて
いただきます。

よろしければ、ご参考にしてください。

その書籍とは、小林正観氏の「100%幸せな1%の人々」です。

2008年1月に刊行され、昨年のベストセラーの一冊に数えられていますの
で、すでにご存知の方も多いかと思います。

すべてのページに書かれていることを紹介したいぐらい、素晴らしい内容なの
ですが、本日は巻頭の「はじめに」に書かれている一節をご紹介いたします。

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海の中で生まれ育った魚は、「海」の存在を知りません。

そこで、海を見渡してみたくなった魚は、釣り人の餌に食いついて釣り上げら
れてみることにしました。そしてついに、魚は海を見ることができたのですが、
そのかわり息ができなくなってしまい、とても苦しみました。

これを一般的な出来事にたとえるとするなら、釣り上げられた魚が「私」、釣
り上げた人が「神様」、釣り上げられた状態を「災難」といいます。つまり、
今までなんでもなく暮らしていた「海」は、私たちの「幸せ」そのものだった
のです。

「私に幸せをください」と念じたときに、神様は、「病気」や「災難」や「ト
ラブル」に誘うのかもしれません。

それは決していじわるをしているからではなくて、病気や災難やトラブルに遭
ってはじめて、「海の中にいることがどれだけ幸せなことだったのか、あたり
まえの生活がどれだけ幸せなことだったのか」を認識することができるように
なるからです。

しかし、病気やトラブルに見舞われることがなくても、いつでも「幸せ」を認
識できる人が、世の中には「1%」存在します。

それは「すべてを受け入れる」ことをしている人です。

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私は今回の災難について、なるべく「あるがままに」受け入れようとしたので
すが、なかなかうまくいきませんでした。

仕事に行ったり行かなかったりの日々を過ごさなくてはならなくなった現実に、
かなり不条理なものを感じていました。

しかし、約2年前に購入した本書を読み返し、やはりこの事故が何かを教えて
くれたのだと思うようになりました。

「良書との出会い」は、人生の質を高めてくれますね。

● 【100%幸せな1%の人々 小林正観著】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4806129372/mysterycon0c-22/ref=nosim

いつも身近においておきたい一冊を紹介させていただきました。
ありがとうございます。

↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑ ここまで ↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑


今回はたいした接触事故ではないのですが、相手のドライバーが接触したあと、
とても不機嫌そうな表情になったので、私はかなりカチンときました。

とはいえ、

相手が100%悪いといっても、怪我をするのはコチラですので、私が気をつ
けなければなりません。

リスクマネジメントが重要です。