2013年10月15日

「気合」が必要なのはどのようなシーンか?【プラシーボ効果】

● 今回のテクニック:【プラシーボ効果(14)】

プラシーボ効果(プラセボ効果・偽薬効果)とは、実際には効き目のない偽薬
を処方しても、薬だと信じて相手が服用することで、何らかの治療効果がみら
れることを言う。

暗示効果のひとつである。

もちろんのことだが乱用はご法度だ。

行動を変革させるためとはいえ、相手を騙すことにかわりはない。営業マネー
ジャが「狼少年」にならないよう気をつける必要がある。


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● 今回のコミュニケーション例


部下 :
「意外と難しいものですね」


マネージャー :
「何が」


部下 :
「新しいプロジェクトを任されてから3ヶ月が経過しましたが、いろいろと
あって大変です」


マネージャー :
「そんなの気合で乗り越えろよ」


部下 :
「気合って……」


マネージャー :
「そうだろ。世の中の多くのことはほとんど『気合』で何とかなるもんだ。
だいたい君は気合が足りないんだ」


部下 :
「今度のプロジェクトのメンバーはほとんどが20代前半です。そういう
『気合』とか言うと、みんな萎縮してしまいますよ」


マネージャー :
「メンバーじゃなくて、君自身に気合が足りないんだよ」


部下 :
「はァ……。そう言われちゃうと……」


マネージャー :
「だいたい何が難しいんだ?」


部下 :
「いろいろとありすぎて、すぐにはパッと出てこないですが」


マネージャー :
「気合が足りないんだよ。それぐらいパッと出せ」


部下 :
「わかりましたよ。プロジェクトの方向性がなかなか決まらないんです」


マネージャー :
「そんなの気合で決めろよ」


部下 :
「気合って……。そういう問題じゃないでしょう」


マネージャー :
「もう3ヶ月も経過しているのに方向性が決まらないだなんて、リーダーで
ある君に気合が足りないんだよ」


部下 :
「メンバーみんながプロジェクトを軽視しているのか、集まりが悪いんで
す」


マネージャー :
「気合で集めろよ」


部下 :
「気合で!?」


マネージャー :
「メンバーは12人だろ」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「全員に『ちゃんと出席しろ』と毎回言えよ」


部下 :
「いや、彼ら彼女ら自身の問題ではなくて、その上司に理解がないんです。
これがなかなか……」


マネージャー :
「12人全員の上司が理解しないのか?」


部下 :
「いや、そうじゃないですが……。半分ぐらいでしょうか」


マネージャー :
「じゃあ6人の上司に話をしろよ。気合が足りないんだ」


部下 :
「話をすればわかってくれるような人たちだったら、やってますよ」


マネージャー :
「全員がそうか?」


部下 :
「いや……。半分ぐらいでしょうか」


マネージャー :
「話をしても理解してくれそうにない奴は3人ぐらいなんだな。じゃあ、俺
にもっと早く言えばいいだろ。このプロジェクトは今期の重要課題を解決す
るために発足したんだ」


部下 :
「じゃあ、部長がその人たちを説得してくれるんですか」


マネージャー :
「当たり前だ。俺が言ったらそいつらも反論できないだろ」


部下 :
「ま、確かに部長が言ったら……」


マネージャー :
「簡単じゃないか。人を動かすのに、自分が動くんだよ。気合だよ、気合」


部下 :
「ええ……」


マネージャー :
「先週頼んでおいた今後の工程表を出してくれ」


部下 :
「あ、ちょうど今やろうと思ってたんです」


マネージャー :
「は!? 何がちょうどやろうと思ってた、だ……。先週の火曜日に頼んだ
ことだぞ」


部下 :
「申し訳ありません、いろいろと立て込んでたものですから」


マネージャー :
「そういう言い訳はやめろと言っただろう? 立て込んでいただの、バタバ
タしていただの……。気合で、そんな言い訳を使うのはやめろ」


部下 :
「はァ……」


マネージャー :
「工程表を作るのにどれぐらいの時間がかかるんだ?」


部下 :
「ええっと……。まだ作ったことがないんでわかりませんが」


マネージャー :
「仮説を立てろ。気合だ、気合で仮説を立てろ」


部下 :
「うーん……。3時間。いや……2時間ぐらいでしょうか?」


マネージャー :
「俺はこれから6ヶ月間のプロジェクト工程表を手書きで書いて提出しろと
言ったよな? A4サイズのペーパーを渡して。それに2時間かかるんだ
な?」


部下 :
「いや……。1時間……。30分ぐらいで、できるかもしれません」


マネージャー :
「30分かもしれないし、1時間かもしれない。先週の火曜日から今日まで、
その時間を確保できなかったのか? パソコンもスマホも何も要らない。紙
1枚とペン、そして君の頭だけあればできる仕事だぞ」


部下 :
「す、すみません」


マネージャー :
「気合が足りないんだよ」


部下 :
「部長はすごいですね。何事も分割して物事を考えるから、どこに問題があ
るか把握しやすいんでしょう」


マネージャー :
「分割するだけだ。君と違うのは気合があるかどうか、それだけだ」


部下 :
「まァ、そうかもしれません」


マネージャー :
「何事も分割して問題を特定しろ。君は時間外労働が多い。その割にはいろ
んな仕事の進捗が悪すぎる。気合で残業をなくせ。産まれたばかりのお子さ
んは可愛いだろ?」


部下 :
「はい……」


マネージャー :
「どうした?」


部下 :
「しかしながら、早く帰ると、赤ん坊を風呂に入れなくちゃいけなかったり
と、いろいろ世話をしなくちゃいけないんですよね」


マネージャー :
「それぐらい気合でやれ」


部下 :
「そ、そうですよね」


マネージャー :
「君の奥さんのご家族は?」


部下 :
「ああ、私の妻は身寄りがないんです。ですから、一人で孤軍奮闘していま
す」


マネージャー :
「だったらなおさら早く帰宅して、赤ん坊の世話を手伝ってやれよ」


部下 :
「それがなかなか慣れなくて」


マネージャー :
「そんなの誰だって普通だ。気合が足りないんだよ」


部下 :
「夜泣きがひどくて、夜中に起こされるんです」


マネージャー :
「そんなの気合で乗り越えろ。というか、そういう愚痴っぽいことも気合で
言わないようにしろ」


部下 :
「この前なんか、2時間ぐらい夜中に抱っこさせられたんです」


マネージャー :
「気合でやれ。不平を言うな。赤ん坊を抱きたくても、いろいろな事情で抱
けない人が、この世にどんだけいると思ってるんだ」


部下 :
「友人からは無理しないほうがいい、と言われてて」


マネージャー :
「ちょっとは無理しろ。というか、そういう無責任な友人とは気合で当面の
あいだ、付き合うのをやめろ。そして気合で奥さんと向き合え」


部下 :
「何でも気合ですね?」


マネージャー :
「君は心の病気を患ってるわけではない。普段の表情、動きを見ていればわ
かる。友人も多いし、お客様ともすぐに仲良くなる。あとは気合だけだ」


部下 :
「わかりました」


マネージャー :
「とにかく、物事を分割して行動にまで落とし込めば、あとは気合でほとん
どのことが解決する」


部下 :
「そういえば今期の目標に関してですが、現時点で達成率89%の見込みで
す。期末まであと約半年ですので、何とか気合でやり遂げます」


マネージャー :
「ダメダメ。それは気合では何ともならない。気合とか根性とかに逃げるな。
正しいテクニックが必要だから、今すぐ打合せしたい」


……私自身、いろいろなことを「気合」で解決しようとします。

どうすればわからないときは仕方がありませんが、どうすればいいかわかって
いるときでも、その解決方法をとらずグチグチ考え込んでしまうことが私には
あります。

そういうときはとにかく「気合」です。

言い訳をしていると癖になるので、気合で言い訳せず、気合でやろうと思いま


(このメルマガも気合で書いています)

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【編集後記】

10月13日(日)に、宮城の松島マラソンに参加してきました。

当日は強風注意報が出るほど風の強い日でしたが、良い天候に恵まれ、楽しく
マラソン大会に参加することができました。

それより、

とても大きな思い出として残ったのが、マラソン大会終了後の「お墓参り」で
す。

マラソン終了後、同じグアテマラの青年海外協力隊OBがわざわざ山形(鶴
岡)から駆けつけてきてくださり、

私を、私の父の実家である宮城県亘理町まで車で送ってくれました。

松島から塩竃、多賀城を越えて、仙台よりも南の亘理へと向かう道中、15年
ぶりに再会した元隊員とのドライブは、自分の人生を振り返る旅路にも似た風
情がありました。

亘理に着くころには日が暮れかけていました。

私が父の実家へ行くのはほとんど初めてのことです。父の兄弟や兄弟の子供た
ちも他界しており、

残っているのは、90歳近い長兄の奥様と、その家に嫁いだお嫁さんのお二人
だけ。

面識などまったくない私を快く受け入れてくれ、山の中のお墓まで案内してく
れました。

私を父の実家まで送り届けてくれた隊員OBは、「私はここで待っていますか
ら」と言い、近くの公会堂に車を止めて私の帰りを待ってくれました。

いろいろな方の心遣いがあり、事実上、私ははじめて「横山家」のお墓参りが
できました。

横山家のお墓の隣のお墓も「横山」。その隣も「横山」で、この地域に「横
山」という姓がとても多いことに気付き、強い親近感を覚えました。

再び、隊員OBの車に乗って仙台空港を目指すころには、すでに日はとっぷり
と暮れ、辺りは暗くなっていました。

自分のルーツを辿る、ということにわりと無頓着だった私でしたが、今回の小
さな旅路は、自分のこれまでの人生を振り返る良いきっかけとなりました。

小林正観さんの言葉にあるように、人に迷惑をかけないでいようと思わず、人
間は人に迷惑をかけなければ生きていけない生き物だと割り切り、

謙虚に、もっと人に感謝して生きていこうと思いました。