2013年10月28日

「口うるさい上司」を目指す理由とは? 【スノッブ効果】

● 今回のテクニック:【スノッブ効果(9)】

スノッブ効果とは、他者と同調したくないという心理作用が働き、敢えて他人
が所有しないものを欲しがったり、他人とは別の行動をしたりすること。

もともとは、誰もが簡単に入手できるようになると需要が減る消費現象のこと
を指している。

反対語はバンドワゴン効果。

部下とのコミュニケーションに応用するのであれば、プライドが高く、協調性
の低い相手に使うと効果が望める。ノーセットなどと組み合わせてもよい。

(協調性の高い相手にはバンドワゴン効果を使うことをお勧めする)


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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「君はけっこう読書家だったよな」


部下 :
「ええ」


マネージャー :
「わが課の中では、けっこう本を読むほうだろう」


部下 :
「というか、当たり前でしょう。本ぐらい読まないと社会人なんて務まりま
せんよ」


マネージャー :
「あ、うん……。でも、K課長とかはほとんど本を読まないみたいだ。最近
あんまり参考になるビジネス書がないって嘆いていた」


部下 :
「K課長が本を読まないからですよ。本を読まない人ほど、『最近いい本が
ない』なんて言うんです」


マネージャー :
「なるほど。お客様のところへ行かない営業ほど『やたらお客様のところへ
行っても迷惑をかけるだけです』と言うのと同じか」


部下 :
「まァ……、そんなところでしょう」


マネージャー :
「ところで、最近こういう本が流行ってるらしいけど、どう思う? 君は読
んだかな」


部下 :
「ああ、読んだことはないです」


マネージャー :
「仕事は好きなことだけをやればいい。やりたいと思うことだけやればいい。
楽しいと思う仕事を見つけろ、と」


部下 :
「ええ」


マネージャー :
「そうすれば、無理しなくても、ラクに結果が出せる」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「こういう本が売れるんだなァ」


部下 :
「バカなんじゃないですか、著者は」


マネージャー :
「……君、めちゃくちゃ言うなァ」


部下 :
「頭おかしいですよ、その本を書いた人。そのフレーズだけを抜き出したら、
ですけどね。だって、好きなことだけやって生きていけるわけがないでしょ
う」


マネージャー :
「でも、こういう本が売れてるんだ。マーケティングの勝利だろう」


部下 :
「バカバカしい。だから本はたくさん読まなくちゃいけないんです。売れて
る本だけ読んでいたら、頭がおかしくなりますよ」


マネージャー :
「売れてる本だけじゃなくて、売れない本も読めと」


部下 :
「当たり前でしょう? 売れてない本の中にも掘り出し物はいくらでもあり
ます」


マネージャー :
「そうだな。絶対に売れる、と思えるお客様だけに顔を出している営業もダ
メだな。掘り出し物のお客様との出会いがなくなる」


部下 :
「まァ、そうですね」


マネージャー :
「君は変わってるね」


部下 :
「変わってますか? 私は敢えて、楽しいこと以外のことをやったほうがい
いと思ってます。無理がきくときは、絶対に無理したほうがいいでしょう」


マネージャー :
「ほォ」


部下 :
「楽しくないことを無理してやっていると、いずれラクになります」


マネージャー :
「君の部下たちは大変だなァ」


部下 :
「私はこの会社のメジャーな管理者になりたいと思っていません。マイノリ
ティでけっこう。しかし、私のような『口うるさい』人間はいたほうがいい
ですよ」


マネージャー :
「まったくだ。君がいることで、わが社は引き締まる」


部下 :
「上司全員が草食系だったら、穴のあいた風船のようになります。私はこの
性格、変えるつもりはありません」


マネージャー :
「ある意味、頼もしいよ」



……拙作「絶対達成する部下の育て方」でも紹介した「ヤーキーズドットソン
の法則」という言葉があります。

適度なストレスがあるほうがパフォーマンスが高まる、という法則です。過剰
なストレスも、過小なストレスもダメ、ということですね。

逆説的な表現方法で「口うるさい上司」の必要性を書いたコラムを紹介します。


■ 「口うるさい上司」と、どう付き合うか。 その対処方法とは?
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yokoyamanobuhiro/20131026-00029246/

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【編集後記】

昨日(10月27日)、私の妻が静岡県の「大井川マラソン」に参加しました。
私が主宰する「日本セールスマッスル協会」のメンバーたちと。

初マラソンで、見事完走。タイムは5時間36分だそうで、本人が目指してい
たとおりの結果でした。

これまでの準備期間を近くで見てきた私は、正直なところ、妻をすごく立派だ
と思ってしまいました。

つい2年ほど前までは、

駅のホームでも、必ずエレベーターを使うほど歩くことさえ嫌いな妻だったの
に、よくもまァ、こんなに変わるものだと思わされます。

妻は他にも、朝日新聞の「天声人語」を2年以上、毎日書写しています。(天
声人語専用ノートがあります)

家族旅行へ行ったときでも新聞と専用ノートを持ち歩いて、毎日30分から1
時間かけて書き写しています。

どんなに体調が悪いときも、です。

昔から、すごく「継続力」のある人だったかというと、そうではなく、いたっ
て普通。

にもかかわらず、どんどん新しいことにチャレンジし、そして飽きずに続ける
姿勢はとても刺激になります。

間違いなく、子供たちにも良い影響を与えることでしょう。

身近にこんなに「継続力」のある人がいると【感化】されますよね。

私は最近、セミナーでも仕事上でも「感化」という言葉をよく使います。とに
かく、見習いたいような人からどれほど「感化」されるか、ですね。

身近に感化されたいと思える人がいなければ、やはり本を読むことを私はおス
スメします。

良書との出会いが、よい「感化」を得るための近道かと思うからです。