2013年11月10日

横山が宝物にしている「文章の書き方」本を紹介します【PREP法】

● 今回のテクニック:【PREP法(5)】

PREP法(プレップ法)とは、自身の主張を相手に伝えやすくする話法、文
章術のこと。

以下のような流れで話をすることである。非常に簡単だ。

主張(Point)→ 理由(Reason)→ 具体例(Example)→ 主張(Point)。

はじめと終わりに「主張」または「結論」を持ってくることが秘訣である。

例としては、

「私はこの仕事が好きだ。なぜなら遣り甲斐があるからである。1ヶ月に1回
はお客様から感謝の手紙がもらえるし、先日などは私の手を握ってまで『あり
がとう』と言ってくれるお客様がいた。だから私はこの仕事が好きだ」

「インパクト×回数」が大事。主張はとにかく繰り返すことだ。


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● 今回のコミュニケーション例


部下 :
「部長、先日、社内報に2ページにわたって『リーダーシップの心得』につ
いて書かれてましたよね。あの文章、とても参考になりました」


マネージャー :
「ほう。そりゃよかった」


部下 :
「みんな言っていますが、部長は文章がお上手ですね。どうやって勉強した
んですか?」


マネージャー :
「勉強なんてしてないよ」


部下 :
「ということは才能?」


マネージャー :
「冗談じゃない」


部下 :
「学生時代から論文を書いたりとかしてたんですか?」


マネージャー :
「してない、してない。だいたい私は高校中退だ。学生時代に論文って、ま
るで縁がなかった」


部下 :
「部長って高校中退なんですか?」


マネージャー :
「知らなかったか? ミュージシャンになろうとして高校中退したんだけど、
どうにもならないので、そのあと自衛隊に入ってさ。3年間広島の呉にい
た」


部下 :
「へェ」


マネージャー :
「23歳のときに料理人になろうとして大阪に出て、北新地の寿司屋で働い
ていた。あのときは自衛隊よりもキツかったなァ。9ヶ月で逃げ出しちまっ
てさ」


部下 :
「逃げ出してって……。部長が」


マネージャー :
「もともとドラマーだったから太鼓たたけるんで、知人の紹介でサーカスの
楽団にも入ったんだけど、それも1年でやめた」


部下 :
「すごい話になってきましたね」


マネージャー :
「それから2年ほど居酒屋のバイトを続けながら、昼は木工所で働いて、こ
の会社の社長と知り合った」


部下 :
「うちの社長と? でも当社は貿易会社ですよね?」


マネージャー :
「うちの社長、当時は木材も扱おうと思っていたらしく、私がバイトしてい
た木工所にもちょくちょく顔を出してたんだ」


部下 :
「知りませんでした」


マネージャー :
「どこでどういう風なめぐり合わせがあるかわからない。それから15年
だ」


部下 :
「相当、回り道してますね」


マネージャー :
「だろ? 学生時代に論文書いてた、なんて、私にはよほど縁遠い話だ」


部下 :
「それだけいろいろな経験があるから、あのような文章を書くことができる
んですか?」


マネージャー :
「そんなこと、まるで因果関係がない」


部下 :
「部長が書く文章は、論旨の流れもいいのですが、ひとつひとつの文章が妙
にキレイなのです」


マネージャー :
「私が気にしているのは一つだけ。修飾語だよ」


部下 :
「修飾語?」


マネージャー :
「修飾する側とされる側をどの位置にもってくるか。どのような順番にする
かはけっこう気にするね」


部下 :
「へェ」


マネージャー :
「たとえば、こういう文章を書いたら、君はどのように理解する? 『私は
高橋君が山本さんが鈴木が契約をもってきたことをよくやったと言っていた
ことに疑問を持っているのかと思った』」


部下 :
「……?」


マネージャー :
「位置を変えればすぐに理解できる。『鈴木が契約をもってきたことを、山
本さんがよくやったと言っていたことに、高橋君が疑問を持っているのかと、
私は思った』」


部下 :
「なるほど……」


マネージャー :
「【私は文章を書くとき、特に修飾語について気をつけて書くようにしてい
る。修飾する側とされる側の距離が遠くなれば遠くなるほど、わかりづらく
なり、さらに主語と述語が正しく噛み合ってなくても気付かなくなるケース
が多くなるからだ。先ほどの例にもあるように、修飾語と被修飾語が『入れ
子』の状態になっているとなおさらだ。だから、私は文章を書くとき、特に
修飾語について気をつけて書くようにしている】」


部下 :
「なるほど」


マネージャー :
「文章の勉強などしたことはないけれど、ある人から紹介されて重宝してい
る本がある」


部下 :
「それは何ですか?」


マネージャー :
「本多勝一の『日本語の作文技術』という本だよ」


部下 :
「本多勝一ってジャーナリストの?」


マネージャー :
「そう。少数民族などマイノリティに対する造詣が深いので、職を転々とし
ているときに、よく本多勝一の本を読んだ。私みたいに、ろくに学校へ行か
なかった人間にも読みやすい文章を書く人だよ」



……先日、ある敏腕編集者の方から突然メールが飛んできました。

「横山さんのコラムを読んでいて、どうしてこんなに文章がうまいんだろうと
疑問に思った。文章のヘタな人に教えてあげたいので、どうやって文章力を鍛
えのか参考に教えてほしい」

とあったのです。

ありがたいことですが、先日のメルマガ編集後記に書いたとおり、「汚名挽
回」という恥ずかしい誤字を書くほどの私です。

正直なところ「勘弁してくださいよ」と返信しようと思ったのですが、久しぶ
りに「本多勝一の日本語の作文技術」を見返していたら、これを多くの人に紹
介したいなと思うようになりました。

私ももう一度、読み返します。

修飾語と句読点の位置、助詞の使い方を覚えるだけで、とてもわかりやすい文
章が書けるようになります。

私にとって、宝物のような書籍です。

■ 「新装版 日本語の作文技術」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062130947/mysterycon0c-22/ref=nosim


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【編集後記】

文章読本は三島、谷崎、丸谷、中村明……それぞれ持っています。

「文章の書き方」に関する話題の本も、出るたびに買いあさった時期がありま
した。

感情表現辞典や類語辞典も多数持っています。それでも、ダンゼン参考になる
のは、この「本多勝一の作文技術」です。

「文章の書き方」の本の多くが、「リズムを整える」だの「言葉を丁寧に選
ぶ」だの「感情表現を大切にする」だの、

書いてある内容のほとんどが【心がけ】に終始しています。

その点、「本多勝一の作文技術」は、修飾語にフォーカスし、文章の構造を細
かく分解し、理論的に、そしてシンプルに解説しています。

とりわけ「節(クローズ)」と「句(フレーズ)」の順序を入れ替える方法は
目からウロコ。

これだけでシンプルな技術で、とても読みやすい文章になります。

私が文章を書くときに心がけているのは、動詞が含まれた修飾語……つまり
「節」をできる限り使わないことです。

「私が青年海外協力隊時代によく読んだ本多勝一が書いた、『日本語の作文技
術』という書籍はとても参考になります」

という文章ではなく、

「本多勝一の『日本語の作文技術』という書籍はとても参考になります。本多
勝一の書籍は、私が青年海外協力隊時代によく読みました」

このようにします。

よく「短い文章を書け」と言われます。しかし、どうやったら短い文章になる
かわかりませんよね。

修飾する語、修飾される語を近づけたり、先述したように「節」を使わず文章
を書いていると、自然と長い文章が書けなくなります。

少々長くなっても、読みづらい文章にはならないようです。

……こんなことを書いていますが、私の文章はまだまだです。

自戒の意味も込めて、今回は文章のことを書いてみました。日々鍛錬ですね。