2013年11月27日

「絶対達成」から「絶対ゼロ」の世界へ……【ウィンザー効果】

● 今回のテクニック:【ウィンザー効果(6)】

ウィンザー効果とは、第三者を介した情報、噂話のほうが、直接言われるより
も効果が大きくなるという心理効果。

ミステリー小説「伯爵夫人はスパイ」に登場してくるウィンザー伯爵夫人が
『第三者の誉め言葉が、どんな時にも一番効果があるのよ、忘れないでね』と
言ったのが由来とされている。

相手を承認したり、褒め称えたりするときに活用すると効果的である。


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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「君はHさんのこと、どう思う?」


部下 :
「え? Hさんですか」


マネージャー :
「なんか、気にならないか」


部下 :
「何がですか」


マネージャー :
「毎日、帰るの早いじゃないか」


部下 :
「帰るのが早い? 定時前に帰ってるってことですか」


マネージャー :
「いやいや、そういうわけじゃない。毎日、定時になったらすぐに立ち上が
って退社するじゃないか、Hさんは」


部下 :
「はァ……」


マネージャー :
「その点、君はまだ若いのに、けっこう遅くまで残ってるじゃない。そうい
う頑張りを間近に見ていて、Hさんはどう思うんだろうね」


部下 :
「……」


マネージャー :
「もちろん、残業すればいいってもんじゃない。でも、残業をせずに結果を
出す人なんて、オレは見たことないからさ」


部下 :
「……」


マネージャー :
「Hさんは、仕事のことをナメてるんじゃないかと思うんだよ。しかも彼は
中途で入社したばかりじゃないか。もっと身を粉にして働いてほしいね」


部下 :
「あの」


マネージャー :
「なんだ」


部下 :
「Hさんって、奥様が人工透析をされていると聞きました」


マネージャー :
「え」


部下 :
「詳しくは知りませんが、ご結婚されてすぐ腎機能の障害とかがわかり、ず
っと透析を受けているそうです。前の会社はそれが理由でいられなくなった
と」


マネージャー :
「前の会社はそれが理由で?」


部下 :
「はい。Hさん、どうしても奥様のご病気のせいで残業ができないのだそう
です。透析だけでなく、食事や運動制限があるとかで、いろいろとケアも必
要だそうで」


マネージャー :
「……」


部下 :
「前の会社では、残業する人が偉い、という空気が蔓延していたとかで、だ
からHさん、いられなくなったそうです」


マネージャー :
「……」


部下 :
「Hさん、いつも手帳の中に奥様の写真を入れておられるんです」


マネージャー :
「……」


部下 :
「私も見せていただきました。まだ24歳だそうですよ」


マネージャー :
「え! Hさんは、もう38歳だろ」


部下 :
「はい。課長よりも2つ年上でしたよね」


マネージャー :
「24歳か……。その若さで、腎臓を悪くされたのか」


部下 :
「Hさんがそばにいないと、奥様はいつも情緒不安定になるそうです。です
からHさんはこの会社に来たとき、必死に働いて、結果を残して、誰にも後
ろ指をさされないようにして、そして定時に帰るんだって言っていました」


マネージャー :
「……」


部下 :
「私は今まで間違っていました。必死に働くって、時間も気にせず、長い時
間働くことだと思っていたんです。でも、そうではないんですね」


マネージャー :
「……」


部下 :
「そういえばHさん、課長のこと、すごく尊敬しているんだと思います」


マネージャー :
「え、オレを?」


部下 :
「はい。課長のお客様に対する接し方や、行動計画の立て方、そして手帳の
使い方まで参考になるって」


マネージャー :
「……」


部下 :
「Hさん、最近、手帳を変えましたよ。課長と同じものにするって。そうす
ると、もっと仕事ができるようになるかもしれないって言っていました」


マネージャー :
「そう、か」


部下 :
「Hさん、まだ入社して4ヶ月ですが、もう月間目標、達成されました。数
字の伸び率が凄いんです。おそらく3ヶ月ぐらいしたら、うちの課のトップ
に躍り出ますよ」


マネージャー :
「そうか。そうだったか」


部下 :
「月間の目標達成率、見られました?」


マネージャー :
「えーっと……。まだちょっとチェックしてなかったかも……」


部下 :
「残業ができない環境におられるので、Hさんのスピード感はすごいです。
感覚が研ぎ澄まされているんだと思います」


マネージャー :
「だから、私の計画の立て方、手帳の扱い方も、目に入ってくるというわけ
だ」


部下 :
「はい。私なんて、入社して5年も経つのに、Hさんに言われるまで、課長
の手帳の使い方まで関心を持ったことがないですから」


マネージャー :
「……うーん。まァ、確かに残業をすればいいってもんじゃないな」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「というか、君が言うとおり、残業をしないほうが、仕事のスピード感が格
段にアップするかもしれない」


部下 :
「ええ」


マネージャー :
「そうか。Hさんはオレのことをそんな風に……」


部下 :
「課長と同じ手帳に、Hさんは奥様の写真を挟んでいるのです」



……残業を減らすのではない。

「絶対ゼロ」にするから、腹も据わるのです。覚悟が決まるのです。執着心が
湧いてくるのです。

これからは「絶対達成」&「絶対ゼロ」でいきましょう。

「絶対ゼロ」だからこそ「絶対達成」できる、強烈な書籍をご紹介します!


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【編集後記】

最近、日経新聞を読むとき、必ずリミットを設定して読むようにしています。

時間の制限があったほうが集中しますし、頭に入るからです。特に「経済教
室」の欄を読むときはそうします。

自分は今、どんなことに投資をしているのか——。

勉強なのか、情報収集なのか、営業なのか、健康のためなのか、リラックスす
るためなのか、家族が楽しむためなのか。

常にそれを意識し、時間を過ごしたいですね。

自分の人生において、後で振り返ってもなかなか思い出せないような、ただ、
何となく過ぎていく時間が多すぎるのは寂しいですから。

制限事項を増やしましょう。

長渕剛が歌っていたように、本当の自由は「不自由さ」の中にあるのかもしれ
ないのですから。