2014年2月2日

心が折れそうになったときに必ず支えてくれるもの【ロミオとジュリエット効果】

● 今回のテクニック:【ロミオとジュリエット効果(6)】

ロミオとジュリエット効果とは、ある目的を達成するまでのプロセスにおいて、
障害や阻害要因が多いほうが、達成意欲が高まるという心理効果。

無論、シェイクスピアの戯曲「ロミオとジュリエット」から由来。


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● 今回のコミュニケーション例


部下 :
「ついに2月となりました。3月末のイベントまで2か月を切ったのです」


マネージャー :
「そうだ」


部下 :
「このままですと、イベントの集客目標である2000人を大幅に下回りそ
うです」


マネージャー :
「このままだと、だろ?」


部下 :
「はい。現時点で参加予定人数は430人です。あと1500人以上は集め
なければいけません。なぜこのようになったのか、理由を説明させてくださ
い」


マネージャー :
「理由? そんなの要らない」


部下 :
「しかし」


マネージャー :
「理由を知ることで、集客目標が達成しやすくなるのか?」


部下 :
「い、いえ……」


マネージャー :
「まさか、まだ2か月もあるのに、未達成で終わる言い訳を考えているんじ
ゃないだろうな」


部下 :
「あ、いや。そういうわけでは」


マネージャー :
「2000人以上、集めるんだ。これは企画立案した昨年の4月から言って
いること。やり遂げなさい」


部下 :
「全力でやります」


マネージャー :
「全力でやらなくても達成すればいい。全力でやっても達成できそうになけ
れば、全力以上でやれ。つまり他人の力を借りろ」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「それから、2月末に社内の昇格試験があるだろう。それは絶対に受かりな
さい」


部下 :
「ええっ!」


マネージャー :
「どうした」


部下 :
「私はてっきり昇格組に入ってないものかと……。だって3月のイベントが
ありますし」


マネージャー :
「ば、ばかなことを言ってもらっては困る。君は4月になったら係長だ。そ
のために昇格試験は絶対に受かってもらう」


部下 :
「準備が全然できていません」


マネージャー :
「今からでも間に合う。私が試験対策の資料を持っているから、すぐにコ
ピーして利用しなさい」


部下 :
「え……」


マネージャー :
「来週は水曜日から土曜日まで、香港へ出張だったな」


部下 :
「は、はい。そうなんです。実はそのことで相談があって……」


マネージャー :
「昇格試験は間近だし、来月のイベントの集客目標は絶対達成だ。大変だと
思うが、来年からのプロジェクトの足固めのために必要な出張だ。社長への
レポートを再来週の月曜日までに提出してくれ」


部下 :
「……」


マネージャー :
「どうした」


部下 :
「いえ。実は……」


マネージャー :
「来週の香港出張、イベントの集客や昇格試験対策のために延期してもらい
たかったか?」


部下 :
「いや」


マネージャー :
「じゃあ、なんだ?」


部下 :
「実は、私の妻が経営している塾が、経営難に陥っていて、昨年から毎晩の
ようにその相談に乗っているんです」


マネージャー :
「……」


部下 :
「1月になってからは、毎晩、妻と他の3人の講師たちと一緒に対策ミーテ
ィングを開いたり、塾の知名度を上げるために週末はビラを作って駅前に配
りに行ったりしていました」


マネージャー :
「……」


部下 :
「それで、けっこう大変な思いをしてきたので、香港出張をできれば延期し
てもらいたいと思っていたんです」


マネージャー :
「そうか……」


部下 :
「でも、吹っ切れました」


マネージャー :
「え」


部下 :
「なんか、ものすごく燃えてきました。やります。全部、すべて……やり遂
げます」


マネージャー :
「なに……?」


部下 :
「イベントの集客は、プロジェクトチーム4人集まって確実に達成します。
営業部全員にも力を貸してもらいます。昇格試験対策は、香港出張の移動中
と、その後の1週間で集中してやります」


マネージャー :
「奥さんの、塾は……」


部下 :
「もちろん、それもこれまで以上に助けます。なんだか燃えてきました。感
覚が研ぎ澄まされてきた感じがします」


マネージャー :
「……」


部下 :
「3月末まで乗り切れば、新しい自分に生まれ変われる気がします」



……「心の拠り所は、過去逃げずにやり遂げた自分だけ」

というコラムを書きました。
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yokoyamanobuhiro/20140202-00032242/

「無理そうだな」「大変そうだな」と思い、「無理ならやめておくか?」「大
変なら、そんなに頑張らなくてもいいんだぞ」と声をかけるのは真の優しさで
はありません。

先日のメルマガでも書いたとおり、過去と未来の時間軸を「線」で結んで「現
在」を把握することで正しく自分をリーディングできます。

将来、くじけそうになったときに心の支えになってくれるのは、辛くても乗り
越えようとしている今の自分なのかもしれないのです。

葛藤している人の心に水を指すような上司には、なりたくないですね。

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【編集後記】

私がやたらと熱く、燃えていて、情熱的に何かを訴えていたりすると、水を差
してくる人がいます。

「どうしてそこまでするの?」「それ以上、何を目指しているの?」「そんな
に目立ちたい?」「今がよけりゃ、それでいいじゃん」

などなど。

しかし、

水を差されると、よけいに燃えてきます。

「ロミオとジュリエット効果」です。

周囲から止められると、よけいに熱くなってきます。反対されると、さらに
ヒートアップしてきます。

皆さんの周りには、ハードルを高くしてくれる人はいますか?