2014年3月31日

部下育成のために「具体化ストレス」を克服する【オープンエンドクエスチョン】

● 今回のテクニック:【オープンエンドクエスチョン(25)】

オープンエンドクエスチョンとは、イエス・バット法と同様にコミュニケーシ
ョンテクニックとしては代表的な手法。「4W2H」もしくは「5W1H」等
の疑問詞を駆使し、質問していくことで相手の心の中に潜む問題点や潜在的ニ
ーズを探り当てること。

「イエス/ノー」で答えられる質問は極力避けることが重要である。クローズ
ドクエスチョンとは反意語。

オープンクエスチョンはヒアリングの基本であるが、ペーシングなどの技術を
活用しながら質問を続けないと「尋問」のようになってしまいがちであり、注
意したい。


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● 今回のコミュニケーション例


マネジャー :
「いよいよ3月31日だ。明日から4月がスタートする。4月からはとにか
く気を引き締めてやっていこう。いいな」


部下 :
「わかりました。ただ……今までも、気を引き締めてやってきたつもりで
す」


マネジャー :
「え?」


部下 :
「ですから、今までも気を引き締めてやってきましたよ」


マネジャー :
「そうは言っても、今期の成果は物足りないものだった」


部下 :
「確かにそうです。ただ、気を引き締めてやってきたことは事実なんです」


マネジャー :
「じゃあ、4月からはもっと気を引き締めてくれ」


部下 :
「え? もっと気を引き締める? 具体的に言うと、どういうことでしょう
か」


マネジャー :
「具体的に? そんなこと言わないとわからないのか」


部下 :
「はい。わかりません」


マネジャー :
「そこまで言わないとわからないのか、最近の若い子は? 君はいくつだ」


部下 :
「今年で24歳になります」


マネジャー :
「私の娘とだいたい同じ歳だな。はっきりと言わなくても理解できるように
なりなさい」


部下 :
「はい……」


マネジャー :
「ゴールデンウィーク明けに、大きな展示会がある。ここに来場したお客様
にキッチリと対応していこう。まずはこの準備をしっかりとやるように」


部下 :
「わかりました。まず、来場客の目標集客数は何人でしょうか」


マネジャー :
「え」


部下 :
「来場客の目標集客数です」


マネジャー :
「んんん……。去年の水準ぐらいかな……」


部下 :
「去年の水準ですね。調べたところ、展示会の来場者が3000人。そして
我が社のブースへ来てアンケートを記入してくださった方が98人。つまり
100人を目標とする、ということでいいですね?」


マネジャー :
「あ、うん……」


部下 :
「いっぽうで本部長からは、展示会に来場したお客様から1000万円は作
れと言われています」


マネジャー :
「確かに、本部長はそう言っていた」


部下 :
「当社商品の平均単価を50万円と考えますと、20社から注文をいただか
ないといけません。ということは100人程度の来場を目標にしていては、
とても本部長の期待にはこたえられません」


マネジャー :
「うーん……」


部下 :
「そこで、今回のイベントに出品する商品のグレードを上げたらいかがかと
思うのです。平均単価が100万円まで引き上げることができたら、10社
から注文をもらえばいいということになります」


マネジャー :
「まァ、確かに」


部下 :
「さらに来場者も200人を増やせば、現実味を帯びてきます」


マネジャー :
「じゃあ、製品開発部との調整をしっかりやってくれ」


部下 :
「いつ、誰とやればよいでしょうか?」


マネジャー :
「え……」


部下 :
「さらに、どのように昨年の2倍の集客を実現させるかを、誰といつまでに
調整したほうがいいか、教えてください」


マネジャー :
「ええっと」


部下 :
「4月からさらに気を引き締めていきますので、具体的に指示してもらえな
いでしょうか?」



……「徹底する」「キッチリする」「積極的にやる」といった、「ぼかし表
現」では正しく部下育成できません。

精神論や心掛けは「スパイス」のようなもので「食材」ではないのです。「具
体化ストレス」を抱えたマネジャーに関してコラムを書きました。


● 部下育成できない上司は「具体化ストレス」を抱えている
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yokoyamanobuhiro/20140330-00034047/

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【編集後記】

以前から私は「大規模公開オンライン講座——MOOC(Massive open onlin
e course)」に興味を持っていて、

MOOCに関する記事も書きました。

●人材教育の世界も一極集中の波が襲う? 「MOOC」が切り開く未来
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yokoyamanobuhiro/20140329-00034024/

研修やセミナー講師も、一極集中の時代が来るかもしれません。

話題性だけでなく、本当の意味でパワーコンテンツを持つ講師のみが生き残っ
ていけるのかもしれないと、私は考えています。