2014年5月26日

「空気」でお客様を動かすテクニックとは?【バンドワゴン効果】

● 今回のテクニック:【バンドワゴン効果(11)】

バンドワゴン効果とは、多数の支持を受ける物事のほうが受け入れやすくなる
こと。要するに「勝ち馬/時流に乗ろうとする」心理のことである。

「さくら」を使うのは、このバンドワゴン効果を狙ったテクニックの一つとい
える。

ちなみに「バンドワゴン」とは祭りや行列の楽団車のことであり、パレードで
楽団車が通るとみんなが集まってくる。この現象からきた言葉である。

反対語は「スノッブ効果」。

【注意点】 効果的に使いたいときだけ活用すること。決して「他社もやって
いるから自社も追随しよう」という発想をしてはならない。正しい経営判断の
ためには、正しいデータに基づいた判断が不可欠である。


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● 今回のコミュニケーション例


マネジャー :
「今回の商談、ものすごくうまくいったな」


部下 :
「はい。驚きました。あのご主人が、あんなに素直に当社の提案を受け入れ
てくれるなんて……」


マネジャー :
「そうだな」


部下 :
「マネジャーのコミュニケーション技術には本当に驚きました。私ももっと
勉強しないといけません」


マネジャー :
「私のコミュニケーション技術なんて大したことないよ」


部下 :
「しかし、最初に『プリフレーム』を使いましたよね? あの使い方はとて
も効果的でした。相手に言い訳をさせないための布石の打ち方が絶妙で」


マネジャー :
「それは、君だっていつもやっているだろう」


部下 :
「そうなんですけれど、なんかマネジャーのようにはうまくいかないんで
す」


マネジャー :
「実のところ、私は『場の空気』を利用て売ったんだよ」


部下 :
「え?」


マネジャー :
「隣のテーブルでMさんが商談していただろう? あの商談はすでに決まっ
ていたものだ。あえてあの日のあの時間帯に、Mさんのお客様に来店いただ
くよう仕向けた」


部下 :
「えっ! 本当なんですか?」


マネジャー :
「そう。それと、私たちが商談している間、T君のお客様もいらっしゃった
だろう?」


部下 :
「ええ。当社をすごく評価してくださる、あの社長ですよね?」


マネジャー :
「そう。あのお客様も、わざとあの時間帯にお呼びするよう仕向けていた」


部下 :
「本当ですか?」


マネジャー :
「うん。君は気付いていなかったかもしれないが、私たちがあのご夫婦と商
談している間、このお店の『空気』はすごく良かったんだ。お客様が当店を
評価している『声』が、この店の中に充満していたからだ」


部下 :
「……」


マネジャー :
「当店は、壁という壁に、お客様の喜ぶスナップ写真をコメント付で張って
ある。トイレの中にもあるだろう?」


部下 :
「はい」


マネジャー :
「さらに、受付スタッフの教育は徹底してある。来店するお客様に気持ちよ
く過ごしてもらうよう、挨拶、姿勢、身のこなしはものすごく重要だ」


部下 :
「……はい」


マネジャー :
「『場の空気』を良くし、お客様に気持ちよくなってもらうための仕掛け
だ」


部下 :
「なるほど」


マネジャー :
「君は常にアウェイで戦ってきた。お客様のお宅を訪問するのはいい。それ
は徹底してくれ。しかし、重要な局面を迎えたときは、ホームを利用してほ
しい」


部下 :
「ホーム、ですか……」


マネジャー :
「そうだ。お客様に気持ちよく意思決定してもらうためには、購買プロセス
における『空気』のコントロールが重要なんだ」


部下 :
「前のマネジャーは、営業のプロセスばかり管理していましたが」


マネジャー :
「営業プロセスは、こちらの都合の話だ。営業のプロセスだけ管理して売れ
るなら苦労しない。お客様は人間なんだ。製造工程の管理と似せるだけでは、
売れるものも売れない」


部下 :
「そうですよね」


マネジャー :
「世間の空気、周囲の空気を利用して、気持ちよくご購入してもらう。その
ための『場の設定』はものすごく重要だ。多くの人が支持するとわかれば、
動かなかった心が動くこともある」


部下 :
「勉強になります」


マネジャー :
「アウェイばかりではなく、ホームを利用しろ。当店の空気に感化してもら
うよう考えてくれ」



……新刊「空気で人を動かす」で紹介した「集団同調性バイアス」は、従業員
やスタッフのみならず、お客様を動かすうえでも、当然使えるテクニックです。

書籍でも紹介した、空気の下地の作り方や、『プリフレーム』『マイフレンド
ジョン』といったコミュニケーション技術、『言い訳データベース』も、その
ままお客様を動かすのに利用できます。

さらに、「密集」や「集団」を形成することで、その効果はさらに強力になっ
ていきます。

そのことを記したコラムを紹介します。ご参考にしてください。

■「空気」でお客様を動かすテクニック
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yokoyamanobuhiro/20140526-00035685/


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【編集後記】

5月25日(日)は、私と妻の12回目の結婚記念日でした。

久しぶりに家族でディナーをしようと名古屋まで出向き、せっかくですから、
名古屋ダントツ最大の書店である、「三省堂JR高島屋店」へ行ってみまし
た。

すると、

新刊「空気で人を動かす」がビジネス書ランキング1位となっているじゃあり
ませんか。

処女作の「絶対達成する部下の育て方」でさえ、ランキング2位までしか行き
ませんでしたから、けっこう感動しました。

その場に子どもたちもいたので、記念に見せることができて嬉しかったです。

おひざ元の名古屋のみならず、

東京の大型書店でも、ランキング上位に入ってきているようで、これも「絶対
達成する部下の育て方」のときでさえ見られなかった現象です。

本日のコラムに書いたとおり、

「個人の空気」「集団の空気」のみならず、「世間の空気」も人を動かします。

売れないものを売れるようにはできないかもしれませんが、

「空気」をうまく利用することで、

【売れているものを、もっと売れるようにする】ことはできます。

新刊が売れているという「空気」が「流れ」に変化すればいいのですが。