2014年6月12日

説得の「余熱」効果を利用する【スリリングジョーク】

● 今回のテクニック:【スリリングジョーク(9)】

スリリングジョークとは、相手に対して、「もし●●しなければ、■■になる
ぞ」という脅しをしたあとに、すぐに「それは冗談だ」と撤回するコミュニケ
ーション技術。

相手の心象を悪くする可能性が高く、極めてリスキー。相手と強烈なラポール
が構築できていない限り、活用するのはやめたほうがよい。3年に1度ぐらい
使ってもいい、インパクトのあるリーディング技術である。

もちろん、乱用すればご自身の信用は著しく低下する。


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● 今回のコミュニケーション例


部下 :
「今度のイベントの集客が芳しくありません。企画部にハッパをかけている
のですが、なかなか……」


マネジャー :
「現時点でどれぐらいだ?」


部下 :
「70人ほどです。目標が200人ですので、全然足りません」


マネジャー :
「営業は全員チラシを配ってるんだろ」


部下 :
「はい。7人の営業が600社に訪問しています。2か月で1143枚、配
布しました。そのうち478人とは直接話をしています」


マネジャー :
「ただチラシを放るのと、直接話をするのとでは全然効果が違う」


部下 :
「まったくそうだと思います。コンバージョン率を見ると、その478人の
うち51人が事前申し込みをされています」


マネジャー :
「51人? 現在70人の申し込みなんだろう? 企画部は何をしているん
だ」


部下 :
「メルマガを出しています。あと、ホームページの刷新とか。ブログの更新
です」


マネジャー :
「メルマガの読者は何人だ? そしてクリック測定は?」


部下 :
「読者は確か460人じゃなかったかと……。あとクリック測定などしてい
ないようです。ホームページのアクセス解析もしていないようで、どれぐら
い反応があったかわかりません」


マネジャー :
「それでは、仮説検証しようがない」


部下 :
「はい」


マネジャー :
「ちなみに、社長と私とで銀行をまわって申し込みをいただいた方が6人い
ただろう。それも加えておいてくれ」


部下 :
「あ、その6人は入っています」


マネジャー :
「入ってる? じゃあそれで57人になるじゃないか」


部下 :
「ええ、まァ……。しかも、私たちが面と向かって説明をしていない企業か
らもファックスで数人の申し込みが来ています。それが確か4人だったか
と」


マネジャー :
「それで61人。つまり、企画部が主導してやっているはずのイベントなの
に、集客はほとんどやっていない、ということになるな」


部下 :
「どんなアプローチをすれば、どれぐらいのリターンが返ってくるのか、仮
説を立てられないのだと思います」


マネジャー :
「企画部の連中は『手段を目的化』しているな」


部下 :
「どうしましょうか」


マネジャー :
「企画部6人に、全員チラシを持たせ、あと5日間で1000枚、配布させ
ろ。営業部は既存のお客様500社の対応をしながらも集客のために汗をか
いてるんだ」


部下 :
「そうはいっても、なかなか言うことを聞かないんですよ」


マネジャー :
「5日間で1000枚配布できなかったら、企画部は解体だ」


部下 :
「え……!」


マネジャー :
「当たり前だ。朝から晩まで会議ばっかりやって、どこの部署よりも残業が
多い。にもかかわらず、手段を目的化しているなんてあり得ない」


部下 :
「……」


マネジャー :
「今夜、社長と飲むことになってるから、言っておく」


部下 :
「……ほ、本気ですか」


マネジャー :
「冗談だよ」


部下 :
「……えっ!」


マネジャー :
「最後に、忘れず伝えてくれ『冗談だ』と」


部下 :
「たぶん……冗談には、聞こえないと思いますが……」


マネジャー :
「それが、説得の余熱効果だ」


部下 :
「……」


マネジャー :
「私が本気で企画部を潰すと思ったか?」


部下 :
「思いますよ……。だって昨年、業務推進室を解体したじゃないですか」



……マーケティングプランを考えるとき、「どんなアプローチをどれぐらいの
量」するのかという数値目標のみならず、

それによってどのような「期待リターン」が戻ってくるかをセットで考えなけ
ればなりません。

ゴールから逆算したマーケティング戦略を立てないのであれば、「手段を目的
化している」と言われても仕方がないですよね。


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【編集後記】

定期的にお墓参りができる余裕を持ちたいと思っています。

時間的にも、精神的にも。

目先のことに追われる毎日はイヤですね。