2014年6月16日

営業が知るべき「お客様の2つの不思議な言葉」【スリーパー効果】

● 今回のテクニック:【スリーパー効果(3)】

スリーパー効果とは、たとえ説得力のない人からの情報であったとしても、時
間の経過とともに「信頼性のマイナス度合い」が風化し、

本来の情報自体の信頼性による説得効果が働きはじめること。

まだ若く、そして経験が少なく、世間からまだ若輩者と呼ばれる人であろうと、
正しい情報を伝え続ければ、いずれ報われる、とも言える。


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● 今回のコミュニケーション例


部下 :
「部長、今年の新人4人はなかなかいいですよ」


マネジャー :
「そうか。頼もしいな」


部下 :
「ええ。とても積極的で、指示待ちをするような新人は誰もいません」


マネジャー :
「自分で勝手に燃えている自燃人、他人から火をつけられると燃える可燃人、
なかなか燃えにくい不燃人の3種類で考えると、自燃人が多いということ
か」


部下 :
「ええ。4人のうち2人は確実に自燃人です。少なからず不燃人は一人もい
ないですね」


マネジャー :
「いろんな仕事を任せて成長させてくれ。成長の実感が、一番の報酬なんだ
から」


部下 :
「はい。ただ……」


マネジャー :
「なんだ?」


部下 :
「新人4人を見ていて、つくづく、他の若手の物足りなさが目立ってきまし
た」


マネジャー :
「他の若手?」


部下 :
「30歳前後ですね。特に生え抜きで入社して、5~10年たった連中が一
番まずいです。不燃人ばかりです」


マネジャー :
「一番、会社に貢献してもらわなくちゃいけない連中だろ。そいつらが不燃
人ばかり?」


部下 :
「全員とは言わないですが、チームワークを乱すほどのネガティブな発言を
するのが3、4人はいますね」


マネジャー :
「新人の4人には、近づけないようにしてくれ。そういう奴らに感化される
とマズイ」


部下 :
「そういう不燃人に限って、結果を出しますからね……」


マネジャー :
「あるある。スポーツの世界でもある。協調性がないのに結果を出している
と、新人たちに変な影響を与える。なおさら気を付けてくれ」


部下 :
「はい」


マネジャー :
「ところで、B社との取引が決まった。月100万円規模の取引が始まると
思う」


部下 :
「B社? 聞いたこともありませんでしたが」


マネジャー :
「先週の金曜日に、ある会社の専務の紹介で訪問した。その場で決めてもら
ったよ」


部下 :
「……相変わらず、決めるときは決めますね」


マネジャー :
「B社の社長が『自燃客』だったからだ」


部下 :
「じ、じねんきゃく?」


マネジャー :
「そう。お客様にも3種類ある。『自燃客』『可燃客』『不燃客』だ。相手
が自燃客だと思ったら、隙を見せずに押して押して押しまくる」


部下 :
「……さ、す、が」


マネジャー :
「そうすれば、自燃客は必ずこう口にするだろう。『そこまで言うなら』
だ」


部下 :
「……なるほど」


マネジャー :
「自燃客に理屈で攻めてもダメだ。押すんだよ。スピード&パワープレイ
だ」


部下 :
「ほォ……」


マネジャー :
「しかし、自燃客は2割しかいない。可燃客は、じっくりと単純接触による
関係構築が不可欠だ」


部下 :
「それじゃあ、不燃客はどうすれば?」


マネジャー :
「不燃客は営業の言うことなどに耳を傾けない。自分自身で念入りに分析し、
欲しければ欲しいと自分で言ってくる。不燃客にあまり執着しないことだ」


部下 :
「新人たちには、どのように指導したらいいでしょうか」


マネジャー :
「『同調性バイアス』のレベルによってお客様のタイプを区別することは、
まだ難しい。」


部下 :
「ええ」


マネジャー :
「お客様の大多数は可燃客だ。新人であろうと、正しい情報を伝え続ければ、
いずれ同調性バイアスがかかってくる。つまり報われてくるものだ」


部下 :
「やはり、継続してお客様に接触することですね」


マネジャー :
「そう。結局、それに尽きる」



……「2・6・2の法則」のお客様バージョンをはじめて紹介しました。

組織論と同様に「同調性バイアス」のレベルが基準です。「自燃客」「可燃
客」「不燃客」それぞれに対する攻め方の基本も書いています。

今日のコラムは力作です。日曜日のコラムと併せてご確認ください!


■ お客様が言う2つの「不思議な言葉」
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yokoyamanobuhiro/20140616-00036419/

■お客様が気持ちよく騙される「3つのパターン」
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yokoyamanobuhiro/20140615-00036388/

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【編集後記】

私は昨日(6月15日)、朝から知的障がい者のボランティア活動でした。み
んなで調理実習。「ピザ」「パンナコッタ」「マカロニサラダ」を作りました。

サッカー日本代表の初戦だったので、試合経過が気になって仕方がなかったの
ですが、

そのような思考ノイズが入り込まないほど、忙しく動き回っていました。

それにしても日本代表は初戦を飾れず、残念でしたね。私としては、1次リー
グを突破してくれないとテレビ観戦ができないので、何としても決勝リーグに
勝ち上がってもらいたいと思っています。

ちなみに、試合の後、多くの人からこのようなメッセージをいただきました。

「ドログバが入ってから、いきなりチームの空気が変わった。やはり、『空気
で人を動かす』ですね!」

「横山さんの書籍を思い出しました。ドログバが流れを変えたとしか言いよう
がない」

「この敗戦で日本チームに悪い空気が広がらないようにしてほしい」

……など等。

以前、ドログバ選手の特集をテレビで観ました。コートジボアールでは大変な
英雄なんですね。

サッカー選手をはるかに超越した存在で、生きる「神」とまで言われているわ
けですから、チームの空気を一瞬にして変えてしまい、試合の流れをコント
ロールすることも簡単にできるのでしょうね。

私がいたグアテマラという国にも、サッカー選手ではないのですが、盲目的に
崇拝される人物はいました。

ワールドカップという大会は、個人の技術や組織力といったスポーツ特有の要
素のみならず、政治、民族、宗教……あらゆる要素が混ざり合って存在してい
る気がします。

グアテマラに赴任している最中、グアテマラ人たちと「アメリカ大会」を観戦
した私は、毎日そら恐ろしいものを感じていました。

全国民、総「自燃人」化しますから。